こんにちは、おーです!
本日は米国ETFウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ETF【DGRW】について、ざっくりご紹介させていただきます。
関連記事のご紹介【2023年1月11日更新】
記事の概要/投稿時期 | 件名(クリックで記事へジャンプ) |
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更新情報/2023年1月 | 【更新】DGRW(ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ファンド)2022年実績など |
更新情報/2022年1月 | 【更新】DGRW(ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ファンド)2021年実績など |
関連情報/2021年11月 | 【参考】DGRW(ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ファンド)の月間上昇率などを調べてみた |
比較/2021年6月 | 【比較】クオリティETF DGRW vs SCHD(2021年6月) |
比較/2021年6月 | 【比較】クオリティETF DGRW vs DGRO(2021年6月) |
比較/2021年4月 | 【比較】クオリティETF DGRW/SCHD/DGRO vs VIG(2021年3月) |
紹介/2021年1月 | 【DGRW】ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ETFのご紹介!(本記事) |
【2022年3月19日追記】SBI証券で今までDGRWは買付手数料無料対象として購入できていましたが、2022年4月1日以降、買付手数料無料対象から除外されるようです。
購入を検討されているかたは、ご注意ください。
(外部リンク)米国 ETF による資産形成応援!「SBI ETF セレクション」開始のお知らせ ~SBI 証券厳選の米国 ETF10 銘柄の買付手数料を無料化、専用ページでの投資情報フォローも実施~ (SBI証券)
参考にDGRWの除外が明記されている部分も以下に抜粋でご紹介しておきます。

(引用:SBI証券「【重要】買付手数料無料米国ETFの入れ替えに伴う一部銘柄の注文、米国リアルタイム株価への対応について」)
【DGRW】ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ETFのご紹介!
【DGRW】ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ETFとは
DGRWは2013年に設定、アメリカに上場された、運用開始から約7年が経過する比較的新しいETFで、売買ランキング第112位に位置しています。
(ランキングは2020年12月現在)
ティッカーシンボル | DGRW |
名称 | WisdomTree US Quality Dividend Growth Fund (ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ETF) |
ベンチマーク | WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Index (ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長インデックス) |
設定日 | 2013/05/22 |
ETF純資産総額 | $ 5.14B(≒5140億円 注1) |
取引所 | NASDAQ(ナスダック) |
投資地域 | 米国 |
投資銘柄数 | 300 |
経費率(年率) | 0.28% |
ETF売買ランキング | 第112位 注2 |
算出方法 | ファンダメンタルズ加重型指数 |
分配金など | 分配金あり、年12回 |
注1:総資産額日本円は1$=100円のざっくり換算
注2:ランキングは2020年12月末時点
経費率はVTIなどと比較すると割高に感じる水準(0.28%)であったり、分配金は毎月分配ということで、このような点もどのように感じるかで判断が分かれるETFかと思います。
その他理由(リーマンショックなどの暴落を経験していない、運用会社はウィズダムツリーということでバンガードなどと比較してしまうと超有名どころではないなど)といったことも複合的な理由として考えられますが、ランキングから考えると米国では人気のあるETFではないかと思います。
ウィズダムツリー社とは
ウィズダムツリーは世界を代表するETF(上場投資信託)提供会社の1社で、ETFに特化した運用会社としては、唯一の上場企業のようです。
投資方針もオリジナリティあふれ、市場価格ではなくファンダメンタルズに基づき配分を決定するファンダメンタルETFの考え方をいち早く採用することで、長期的により良いトータルリターンやリスク調整後リターンを獲得するのに有効と考えETFを組成しているようです。
(ウィズダムツリー社のETFを組成に対する特徴など)
・ルールに基づいた銘柄編成と、独自の加重手法を用いてしている
・市場価格よりもファンダメンタルズに基づき、ウェイトを決定している
・配当や収益などのファンダメンタルズがリターンやリスクに与える影響を増幅する可能性を検討している
・年次でリバランスを実施
ちなみに余談ですが、ウィズダムツリー社には「株式投資」、「株式投資の未来」の2冊の書籍で日本でも超有名なジェレミー・シーゲル教授がシニア投資戦略アドバイザーとして所属しているようです。
連動指数ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長インデックスとは
成長性のある、配当を支払う企業によって構成されるファンダメンタル加重指数として「成長性」と「質」の要素を合わせた順位が最も高い300社で構成されています。
米国市場にて「配当成長」と「クオリティ」の両方を満たす大型株企業の株式に投資するETFとして、
・利益成長期待のグロースファクター
・ROAおよびROEを基にしたクオリティファクター
それぞれで上位となる銘柄を選定、配当金額の大きい銘柄により多く資産配分を行うルールで運用されています。
ROAReturn On Assets:総資産利益率
会社が持っている資産を利用し、どの程度の利益を上げているかを示す指標
ROEReturn On Equity:自己資本利益率
株主が拠出した資本を利用し、どの程度の利益を上げているかを示す指標
「ROA」と「ROE」は経営上でとても重要な指標となるもので、企業が資本や資産をどのように有効活用し、効率的な業務運営を行い利益を稼いでいるかを示す指標といったイメージでしょうか。
このような利益の質に着目し、将来にわたり優秀な業績を上げ続けてくれそうな企業をファンダメンタルズ分析の観点から選定、ピックアップしてくれる貴重なETFではないかと思います。
チャート
DGRWの日足チャートです、記事作成時(2021年1月下旬)の株価は約$55程度で推移しています。
トータル・リターン
2020/12/31現在の状況です(ウィズダムツリーの月次パフォーマンスレポートより抜粋)
トータル・リターン 要約(単位%)
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
基準価額(NAV) | 13.83 | 11.80 | 14.71 | – | 13.10 |
市場価格 | 13.94 | 11.76 | 14.70 | – | 13.10 |
ベンチマーク | 14.07 | 12.12 | 15.07 | – | 13.42 |
(比較)S&P500 index | 18.40 | 14.18 | 15.22 | 13.88 | 13.63 |
数値でみると現時点ではS&P500には劣後していますが、これからも長期でウォッチしていきたいと思います。
(参考)S&P500ETF(VOO)および類似属性のETFとの参考比較
DGRWの設定日を起点に2013年5月22日~2021年1月25日の期間に対し、比較してみた結果になります。
また、DGRWと類似するETFとして配当成長に特化したETFより「VIG」と「SDY」、S&P500ETFから「VOO」を加えた比較としています。

下のグラフは上記で比較しているETF同士の年間トータルリターン推移の状況をまとめたものです。
注:2021年は年途中(掲載2021年9月4日)であることにご注意ください。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
DGRW,VIG,SDY年間トータルリターン 2014-2020年

DGRW,VOO年間トータルリターン 2014-2020年

経費率に差があることなどから、他と比較したDGRWのパフォーマンスを一概に鵜呑みにすることはできないと考えますが、なかなかのパフォーマンスではないでしょうか。
DGRW設定以降のまだまだ短期の比較ではありますが、有名人気どころのVIGと比較しても、遜色はないようにも見受けられるのではないかとも感じます。
どのような戦略で投資に望むのかによって、選択候補となりえるのではないでしょうか。
保有銘柄、セクター構成
いずれもデータは2020/12/31現在となります。
DGRWの保有銘柄 上位10社
上位10銘柄が占める割合は約38%です。
GAFAM(グーグル、Amazon、フェイスブック、アップル、Microsoft)からは、配当を支払いしているアップル、Microsoftはあります。
これらの企業(他290社もあり)がDGRWのファンダメンタルズ分析による選定基準に沿った銘柄ということになります。

DGRWの銘柄保有割合(円グラフ:%)
保有銘柄割合を円グラフで表示してみました。

DGRWのセクター構成割合(円グラフ:%)
セクター別保有銘柄割合を円グラフで表示してみました。


類似ETFのVIGとは異なり「情報技術」が1位で割合が多いのが特徴的に感じます。
その後は生活に密着した「一般消費財」や「資本財」、「ヘルスケア」といったセクターと続いています。
VIGには全く含まれていない不動産、エネルギーも若干含んでいます。
分配金の推移、増配率の推移
これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。
表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。
確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。
DGRW運用開始以降の分配金推移(一覧表)
DGRWは毎月、分配金を受け取ることができます。
DGRW設定以降の定例(毎月)の分配金を一覧表にしたものは以下のとおりです。
注:定例と位置づけられない(不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

DGRW運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)
株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。
分配月が企業によって異なるため、分配は毎月一定ではなく時期によってかたよりがあり、比較的3/6/9/12月が多い傾向にあります。

DGRW運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)
1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

DGRW運用開始以降の株価と分配利回り(月単位、年単位)の推移
2021/3/16日現在(2021/3/15終値$56.19)と直近1年分の分配実績から算出した結果は1.83%程度です。
分配利回り(月)・・・月内の受け取り分配金/その時点の株価
分配利回り(年)・・・(過去11ヶ月+当月受け取り分配金)/その時点の株価
注1:目安程度にお考えください。
注2:この分配金利回りは紹介記事作成時点の内容です。最新の参考目安については、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年」の欄に掲載しています。

DGRW運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年)
まだまだ設定から間がないのでデータは少ないですが、増配率を計算した結果、以下のようになりました(10年データはまだありません)。
注1:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。
注2:定例と位置づけられない(不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。
(以下のグラフは弊ブログ独自の集計により算出した上側の増配率表をもとに作成しています、視認性をあげるため、分配金初期の桁外れな値は除外していることもあります、ご了承ください)
分配金年合計($)と1年増配率(%)

分配金年合計($)と3年増配率(%)

分配金年合計($)と5年増配率(%)

増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年 (2021年12月分配金後)
2021年と2020年を比較した増配率(%)と、各年の分配金実績を以下に掲載しています。
また、直近株価($)と分配金利回り(%)も参考に掲載しています。
注:とくに分配利回りは、ご自身で他サイトなどを含めて改めてご確認ください(あくまで参考目安程度にお考えください)

毎月分配のETFは、四半期単位で合算した増配率も参考に掲載しています。

個人的な感想

経費率が若干高めなのはさておき(経費率が安いに越したことはありませんが)、思った以上にパフォーマンスも悪くありませんし、思想が面白いと考えていますので、ほんの少しではありますが投資をしています。
(投資方針見直しにより、わたしは2021年8月に売却してしまいました)
設定が2013年と比較的まだ短いため、リーマンショックなどの暴落を経験していないことなどを差し引いて考える必要もあるかと思いますが、今後の株価成長、増配率の推移などを楽しみに見守るのも面白いかなと考えています。
個人ではさまざまな企業の決算状況を確認、評価することはなかなか難しく、とくに米国企業など情報がさらに限られる環境においては、このような視点で銘柄分析、保有銘柄の入れ替えなどをすべて0.28%の経費率で行ってくれるというであれば、貴重なETFではないかとも考えています。
企業の長期的な成長をクオリティ面から選定するため、定期的な銘柄のリバランスなどをふまえ、価値の高い企業が選定され続けると想定されます。
キャピタルゲイン(値上がり益)も狙えるでしょうし、配当の成長も期待できるため増配によるインカムゲイン(配当収益)も増え続けることにも期待できそうです。
これからも今回のように長期目線でVIGやSDYなどの増配系ETFなどと競ってパフォーマンスを比較していくのも面白そうです。
市場全体をまるっと買うVTIとは異なる楽しみがありますので、楽しみながらホールドしていきたいと思います。
このような自分の興味のあるテーマに特化したETFを購入できるのは、投資信託とは異なりドルで米国に投資している醍醐味だといえるのではないでしょうか。
ちなみに、DGRWはSBI証券ではVTIと同様、買付手数料は無料で購入できます。
→本プログラムは2022年4月1日以降から適用されなくなります(2022年3月19日追記)
(購入時の為替手数料などはかかります)
マネックス証券は手数料のキャッシュバックなどもしているようです。
また、本記事では紹介していませんが同様な思想で小型株に特化したETFとして「DGRS:ウィズダムツリー 米国小型株クオリティ配当成長ファンド」があります。
こちらも同じようにウィズダムツリーが設計していますので、今回ご紹介したDGRWと銘柄が重複しないように配慮、設計されており小型株のパフォーマンスも取り込みたいかたは検討に値するかもしれません(経費率0.38%ですが)。
上記のDGRSについては、別記事を作成しました。
気になるかたは「【DGRS】ウィズダムツリー 米国小型株クオリティ配当成長ETFのご紹介!」をご覧ください。
ウィズダムツリーはこの他にも毎月分配ETFが多いので、一度調べてみてはいかがでしょうか。
DHSとDLNについては、別記事を作成しましたので、気になるかたはこちらもどうぞ。
DHS:「【DHS】ウィズダムツリー米国株高配当ファンドETFのご紹介!」
DLN:「【DLN】ウィズダムツリー米国大型株配当ファンドETFのご紹介!」
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!
関連記事です。
2021年にDGRWから分配される分配金実績については以下のように参考記事を作成していく予定です。
→2021年4月までは個別記事化しましたが、2021年5月以降は、本記事内に情報を更新していく予定です。
2021年1月:【2021年1月分配金実績】DGRW:ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ETF
2021年2月:【2021年2月分配金実績】DGRW:ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ETF
2021年3月:【一覧】ブログで紹介したETFの分配金、前年比の増配率(2021年3月分)
2021年4月:【2021年4月分配金実績】DGRW:ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ETF