ETF/投資信託

【DLN】ウィズダムツリー米国大型株配当ファンドETFのご紹介!

こんにちは、おーです!

 

本日は米国ETFのウィズダムツリー米国大型株配当ファンドETF【DLN】について、ざっくりご紹介させていただきます。

 

2021/12/26追記:2021年12月分の分配金実績を反映(補足:DLNは2021/12/23付で株式分割1→2があった模様です。12/23終値が$65.31でしたが、株価標記は過去の推移と整合させるために×2倍で表示させていますので、ご注意ください)

 

【2022年3月19日追記】SBI証券で今までDLNは買付手数料無料対象として購入できていたようですが、2022年4月1日以降、買付手数料無料対象から除外されるようです。

購入を検討されているかたは、ご注意ください。

(外部リンク)米国 ETF による資産形成応援!「SBI ETF セレクション」開始のお知らせ ~SBI 証券厳選の米国 ETF10 銘柄の買付手数料を無料化、専用ページでの投資情報フォローも実施~ (SBI証券)

参考にDLNの除外が明記されている部分も以下に抜粋でご紹介しておきます。

DGRW買付手数料無料の終了アナウンス(2022年3月19日時点)

(引用:SBI証券「【重要】買付手数料無料米国ETFの入れ替えに伴う一部銘柄の注文、米国リアルタイム株価への対応について」)

 

【DLN】ウィズダムツリー米国大型株配当ファンドETFのご紹介!

【DLN】ウィズダムツリー米国大型株配当ファンドETFとは

DLNは2006年に設定、アメリカに上場され、運用開始からまもなく15年を迎える、比較的歴史の長いETFです。

ティッカーシンボル DLN
名称 WisdomTree US LargeCap Dividend Fund
(ウィズダムツリー米国大型株配当ファンドETF)
ベンチマーク WisdomTree US LargeCap Dividend Index
(ウィズダムツリー米国大型株配当指数)
設定日 2006/6/16
ETF純資産総額 2.82B(約2820億円、1$=100円換算)
投資銘柄数 296
経費率(年率) 0.28%
算出方法 配当加重
分配金など 分配金あり、毎月
運用会社 ウィズダムツリー

注1:ETF純資産総額はyahoo!finance USAより引用

注2:銘柄数、経費率などに関する情報はウィズダムツリーHP(WisdomTree US LargeCap Dividend Fund)から引用(2021/5/2時点)

 

連動指数 ウィズダムツリー米国大型株配当指数とは

WisdomTree US LargeCap Dividend Index(ウィズダムツリー米国大型株配当指数)は、WisdomTree US Dividend Index(ウィズダムツリー米国配当指数)の派生インデックスです。

(WisdomTree US Dividend Index(ウィズダムツリー米国配当指数)は、普通株式の定期的な現金配当を行っている米国を拠点とする投資可能な企業のパフォーマンスを測定している指数)

 

  • ウィズダムツリー米国配当指数の、時価総額でランク付けされた上位300社で構成
  • 直近に宣言された1株当たり配当金に基づき、各構成会社が来年に支払うと予測される現金配当総額の比例シェアを反映し、各銘柄の加重を算出
  • 12月に加重が再設定される

 

以下はウィズダムツリー米国配当指数の加重に関する記載からの抜粋ですが、この考え方がウィズダムツリー米国大型株配当指数にも適用されているのではないかと考えます。

参考までにご紹介とさせていただきます。

  • いずれかのセクターがインデックスの25%以上のウェイトとなった場合、構成企業のウェイトを比例して25%以下になるよう減少させる
  • 不動産セクターの上限は5%

 

大型株に偏重しつつ時価総額加重ではなく、配当支払い総額により加重した(ウィズダムツリーらしく)ファンダメンタルズ分析を導入しているインデックスです。

 

チャート

DLNの日足チャートです、記事作成時の株価は$118.32(2021/4/30終値)です。


 

パフォーマンス

ウィズダムツリーHP(WisdomTree US LargeCap Dividend Fund)から引用しました(2021/3/31時点)

トータル・リターン 年平均(単位%)

1年 3年 5年 10年 設定来
基準価額(NAV) 45.40 12.04 12.32 12.04 8.67
市場価格 45.75 12.07 12.35 12.05 8.67
ベンチマーク 45.79 12.35 12.64 12.35 9.01

設定来で約8.6%/年の成長です。

 

(参考)他ETFとのパフォーマンス比較

DLNは設定が2006/6/16とリーマンショック以前からの比較が可能ですので、市場平均としてS&P500からIVVと比較しています。

また同日に、ウィズダムツリーの高配当ETF”DHS”も運用が開始されていましたので、DHSも交えて参考に比較してみます。

ETFreplay.comから引用させていただきました。

 

2006/6/16 DLN設定以降(同日にDHSも設定されている)

比較チャート IVV,DLN,DHS (2006年DLN,DHS設定以降)
トータルリターン IVV(352.0%) > DLN(253.6%) > DHS(172.2%)
ボラティリティ DHS(21.4%) > IVV(20.1%) > DLN(19.6%)
ドローダウン DHS(-67.2%) > DLN(-57.8%) > IVV(-55.2%)

IVVには劣っていますが、同日に運用開始された高配当ETFのDHSよりもパフォーマンスは高いです(構成銘柄やETFとしての特徴が相違しているので、ただの参考比較ではありますが)。

 

下のグラフは上記で長期比較しているETF同士の年間トータルリターン推移の状況をまとめたものです。

注:2021年は年途中(掲載2021年9月4日)であることにご注意ください。

(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)

DLN,IVV,DHS年間トータルリターン 2007-2020年

DLN,IVV,DHS年間トータルリターン 2007-2020年(2021年9月4日追加)

 

2006/11/10 VYM設定以降の参考比較

上記比較で、高配当のDHSを上回っていたことから興味が湧いたので、同じく高配当で少し遅れて運用が開始された(2006年11月から運用が開始された)VYMとも参考に比較してみました。

比較チャート IVV,DLN,DHS,VYM (2006年VYM設定以降)
トータルリターン IVV(306.7%) > VYM(221.5%) > DLN(215.8%) > DHS(142.5%)
ボラティリティ DHS(21.7%) > IVV(20.3%) > DLN(19.8%) > VYM(19.4%)
ドローダウン DHS(-67.2%) > DLN(-57.8%) > VYM(-57.0%) > IVV(-55.2%)

高配当ETFのなかでパフォーマンスが高いと認識しているVYMに若干劣ってはいますが、同等のパフォーマンス推移となりました。

 

こちらも、VYMとの比較形式で年間トータルリターン推移を掲載しておきます(2021年は年途中:掲載2021年9月4日)。

DLN,VYM年間トータルリターン 2007-2020年

DLN,VYM年間トータルリターン 2007-2020年(2021年9月4日追加)

 

DLN 保有銘柄、セクター構成

ウィズダムツリーHP(WisdomTree US LargeCap Dividend Fund)より、それぞれ以下の更新情報から引用しています。

保有銘柄に関する情報:2021/4/30時点(2021/5/2調査)

セクターに関する情報:2021/4/30時点(2021/5/2調査)

 

DLNの保有銘柄、保有割合(円グラフ:%)

Microsoft、Appleを上位に組み込んでいます。

その他高配当と呼ばれている銘柄も含まれていますので、DLNの思想を踏まえた特徴的な銘柄構成といえます。

トップ20構成銘柄 DLN (2021年5月2日調査時点)

 

上位10銘柄までの保有割合は約29.3%、20位までで約44.2%となっています。

保有銘柄 構成割合 DLN (2021年5月2日調査時点)

 

DLNのセクター構成(%)

ETF全体のセクター構成を表示したものです。

DLNの上位セクターが占める割合は2位生活必需品まで約36.2%(3位のヘルスケアまで含めると約51.2%)となっています。

セクター構成% DLN 一覧表、円グラフ (2021年5月2日調査時点)

参考に棒グラフ&レーダーチャートを掲載しておきますので、見やすい方で確認してください。

セクター構成% DLN 棒グラフ、レーダーチャート (2021年5月2日調査時点)

 

分配金の推移、増配率の推移

これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。

一般的には表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。

確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。

(証券会社によっては、分配金受け取りで強制的に円貨振替される場合、為替手数料などもかかることになると思われます)

 

DLN運用開始以降の分配金推移(一覧表)

DLNは途中まで3/6/9/12月の分配金でしたが、現在は毎月分配金を受け取ることができます。

ETF設定以降の定例分配金を一覧表にしたものは以下のとおりです。

注:定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。

弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

上記の考え方に基づいてDLNに対しては2007年以降の分配金実績を表に集約しています。

分配金一覧表 DLN(2021年5月2日時点)

 

DLN運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)

株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。

2012年後半から毎月分配に移行しています。

分配金推移:月別 DLN(2021年5月2日時点)

 

DLN運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)

1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

分配金推移:年別 DLN (2021年5月2日時点)

運用開始初期にリーマンショックを経験し、そのときは減配していましたが、その後は右肩上がりが確認できます。

 

DLN用開始以降の株価と分配利回りの推移

株価$118.32(2021/4/30終値)と直近1年間の配当実績から算出した利回りは2.34%程度です。

注1:目安程度にお考えください。

注2:この分配金利回りは紹介記事作成時点の内容です。最新の参考目安については、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年」の欄に掲載しています。

 

株価と分配利回り DLN(2021年5月2日時点).jpeg

 

DLN運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、10年)

増配率を計算した結果、以下のようになりました。

注1:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。

注2:定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。

弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

運用開始以降の増配率推移 DLN (1年、3年、5年、10年)

 

参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。

(以下のグラフは弊ブログ独自の集計により算出した上側の増配率表をもとに作成しています。視認性を高めるため、初期の桁外れな値は枠外表示としていることがあります)

 

分配金年合計($)と1年増配率(%)

分配金年合計と1年増配率の推移グラフ DLN (2021年5月2日時点)

 

分配金年合計($)と3年増配率(%)

分配金年合計と3年増配率の推移グラフ DLN (2021年5月2日時点)

 

分配金年合計($)と5年増配率(%)

分配金年合計と5年増配率の推移グラフ DLN (2021年5月2日時点)

 

分配金年合計($)と10年増配率(%)

分配金年合計と10年増配率の推移グラフ DLN (2021年5月2日時点)

長期で見ると増配基調が見て取れますので、今後も推移を確認するのが楽しみです。

 

増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年 (2021年12月分配金後)

2021年と2020年を比較した増配率(%)と、各年の分配金実績を以下に掲載しています。

また、直近株価($)と分配金利回り(%)も参考に掲載しています。

注:とくに分配利回りは、ご自身で他サイトなどを含めて改めてご確認ください(あくまで参考目安程度にお考えください)

DLN 2021年12月 vs2020年 増配率と分配金実績 

 

毎月分配のETFは、四半期単位で合算した増配率も参考に掲載しています。

DLN 2021年12月 vs2020年 増配率と分配金実績、株価と利回り推移 

 

個人的な感想

配当を多く支払う銘柄を調べている姿をイメージさせる写真

時価総額の多い大型企業約300社の、来年に支払うと予想される配当総額による加重ということですので、トップ20銘柄のなかにはまだまだ成長著しいMicrosoft、Appleなどの今をときめく銘柄も含まれています。

 

高配当ETFのように配当利回りにフォーカスしておらず(株価の下落等による高配当銘柄などを組み込んでいるわけでもなく)、配当成長が見込める銘柄が選定されている特徴から、これからも分配金、株価ともに成長が見込めるETFではないでしょうか。

 

分配金については、リーマンショック時を除いては、2013年に-0.07%と若干の減配がありましたが、微々たる減配でした。

それ以降はコロナショックの2020年も含め増配を繰り返しており、これからも成長が期待できそうです。

 

 

たとえば参考に比較してみたVYMと長期での比較では、時価総額加重のVYMとトータルリターンは同程度のパフォーマンス、分配金の額もVYMに負けず劣らずでDLNも遜色ないように感じます。

かといってVYMと銘柄が極端に重複しているかというとそうでもありません。

例えば以下は、VYMとの重複比較ですが、VYM約400銘柄、DLN約300銘柄に対し、銘柄の重複は131銘柄となっています。

引用元はFund Overlap(etfrc.com)です。

保有銘柄重複の有無 DLN,VYM (2021年5月2日時点)

 

個人的にはDLNの上位セクター構成や銘柄群などから、高配当の要素もあわせもちつつ、クオリティ要素も強めのETFにも感じました。

 

ウィズダムツリーの特徴として、経費率は若干割高に感じるところは否めませんが(といっても0.28%ですが)、投資家のニーズによっては時価総額によらない優良大型銘柄への投資として、検討に値するのではないでしょうか。

 

この記事がなにかの参考になれば幸いです。

それではまたっ!!