こんにちは、おーです!
本日は米国ETFの世界に分散が可能なバンガード・トータル・ワールド・ストックETF【VT】 について、ざっくりご紹介させていただきます。
2021/12/26追記:2021年12月分の分配金実績を反映
2021/12/5追記:VT過去の月間上昇率などの集計情報を追記
2021/9/20追記:2021年9月分の分配金実績を反映
2021/9/4追記:長期比較しているETF同士の年間トータルリターン状況を掲載
記事の概要/投稿時期 | 件名(クリックで記事へジャンプ) |
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関連情報/2021年12月 | 【参考】VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の月間上昇率などを調べてみた |
紹介/2021年2月 | 【VT】 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF のご紹介!(本記事) |
【VT】 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF のご紹介!
【VT】 バンガード・トータル・ワールド・ストックETFとは
VTは2008年に設定、アメリカに上場された、運用開始から12年程度が経過したETFです。
ティッカーシンボル | VT |
名称 | Vanguard Total World Stock ETF (バンガード・トータル・ワールド・ストック ETF) |
ベンチマーク | FTSE Global All Cap Index (FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス) |
設定日 | 2008/6/24 |
ETF純資産総額 | 約1.9兆円 注1 |
取引所 | NYSE Arca |
投資地域 | 全世界 |
投資銘柄数 | 8,847 注2 |
経費率(年率) | 0.08% |
ETF売買ランキング | 第45位 注1 |
算出方法 | 時価総額加重平均 |
分配金など | 分配金あり、年4回(3/6/9/12月) |
運用会社 | バンガード・グループ |
注1:2021年1月末時点、マイインデックス(myINDEX)より引用
注2:銘柄数はバンガードホームページから引用(2021年1月31日時点)
連動指数FTSE グローバル・オールキャップ・インデックスとは
米国を含む先進国および新興国約47ヵ国の大型・中型・小型株約8,000銘柄で構成される、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動したパフォーマンスを目指します。
(FTSE・・・イギリスを拠点とするFTSE社は指数の組成・算出などをしている企業、フッツィーと読むようです。)
・米国を含む全世界の先進国株式市場および新興国株式市場への幅広いエクスポージャーを提供
・インデックス・サンプリング法を用いたパッシブ運用
・ファンドはフルインベストメントを維持
・低経費によってトラッキングエラーを最小限に抑えるよう配慮
全世界株式市場の時価総額約98%をカバーしているとも言われ、大型株や中型株に加え、小型株まで幅広く網羅されているのが特徴です。
チャート
VTの日足チャートです、記事作成時の株価は$94.84(2021年2月26日終値)です。
トータル・リターン
連動する指数(ベンチマーク)との乖離も少なく、安定した運用ができていると思います。
設定以降、ならして年平均7.32%の成長です(データは2021/1/31現在)。
トータル・リターン 要約(単位%)
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
基準価額(NAV) | 18.07 | 8.08 | 13.78 | 9.19 | 7.33 |
市場価格 | 18.21 | 8.06 | 13.82 | 9.17 | 7.32 |
ベンチマーク | 17.79 | 8.12 | 13.94 | 9.26 | – |
(参考)他ETFとのパフォーマンス比較
全世界投資はあまり調べたことがなく、類似ETFを詳しく知らないので、ブラックロックのACWI(設定日2008年3月26日)のみと比較しました。
VTの設定日(2008年6月24日)を起点とした比較です。

設定直後にリーマン・ショックがあり、その当時が最大のドローダウンとなっています。
結果としては類似ETFのACWIよりリターンは高く、ドローダウンは抑えられている結果となりました。
(ボラティリティーは若干ACWIより高め)
下のグラフは上記で長期比較しているETF同士の年間トータルリターン推移の状況をまとめたものです。
注:2021年は年途中(掲載2021年9月4日)であることにご注意ください。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
VT,ACWI年間トータルリターン 2009-2020年

この推移を見る限り、遜色はないように見受けられます。
市場をどの程度まで網羅していることを好むのか、投資家の好みによる使い分けになるのではないかと思います。
保有銘柄、セクター構成
保有銘柄とセクター構成のいずれもデータは2021年1月31日時点の情報を掲載しております。
VTの保有銘柄 上位20社と保有割合(円グラフ:%)
2021年1月31日時点、世界に分散しているVTの構成トップ20銘柄です。
2021年1月31日時点の上位20銘柄が占める割合は約18.2%(上位10位≒13.3%、11位~20位≒4.8%)となっています。


注:バンガードのホームページ上、構成銘柄は8,847とありましたが、リストをすべてカウントしても8,821でした、すべてのチェックはしていませんが円グラフ上はトップ20を除いた他を8,801としていますので、ご了承をお願いします。
VTのセクター構成割合(円グラフ:%)
VTのセクター分類は、上位2セクターで約37.9%(3位の資本財まで入れると約51.5%)のシェアとなっています。


VTの地域別投資割合(円グラフ:%)
世界分散のため、世界の地域別投資割合を掲載しています。
詳細な国別内訳はあとで紹介しますが、半数以上を占める北米のうち、米国のシェアは56.6%(カナダは2.6%)となっています。


VTの市場別投資割合(円グラフ:%)
世界分散ですので、バンガードホームページで公開されていた国別の投資割合を掲載しています。






分配金の推移、増配率の推移
これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。
表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。
確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。
VT運用開始以降の分配金推移(一覧表)
VTは3/6/9/12月に分配金を受け取ることができます。
設定以降の定例(四半期)の分配金を一覧表にしたものは以下のとおりです。
注:定例と位置づけられない(不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

2020年はコロナショックによる世界経済への大打撃がありましたので、VTの分配金も大きく減配されています。
2021年以降の復調に期待したいところです。
VT運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)
株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。
ETF設定初期は年1回の分配でしたので、1回あたりの分配額が多く突出して見えています。

VT運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)
1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

投資先が世界ですので、世界情勢によって波があるようにも見えますが、ゆっくり確実に世界経済の成長とともに増えているように見受けられます。
VT運用開始以降の株価と分配利回りの推移
2021/3/23日現在(2021/3/22終値$97.42)と直近4回の分配実績から算出した結果は1.61%程度です。
注1:目安程度にお考えください。
注2:この分配金利回りは紹介記事作成時点の内容です。最新の参考目安については、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年」の欄に掲載しています。

VT運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、10年、トータル)
VTの増配率を計算した結果、以下のようになりました。
注1:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。
注2:定例と位置づけられない(不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。
(以下のグラフは弊ブログ独自の集計により算出した上側の増配率表をもとに作成しています。視認性を高めるため、初期の桁外れな値は枠外表示としていることがあります)
分配金年合計($)と1年増配率(%)

分配金年合計($)と3年増配率(%)

分配金年合計($)と5年増配率(%)

分配金年合計($)と10年増配率(%)

増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年 (2021年12月分配金後)
2021年と2020年を比較した増配率(%)と、各年の分配金実績を以下に掲載しています。
また、直近株価($)と分配金利回り(%)も参考に掲載しています。
注:とくに分配利回りは、ご自身で他サイトなどを含めて改めてご確認ください(あくまで参考目安程度にお考えください)

個人的な感想

VTは究極の世界分散と考えています。
わたし個人としては、分散するなら世界約85%をカバーする他のETFより、約98%をカバーしているVTを好みます。
(米国ではS&P500ではなく、VTIを好んでいるのも一緒の理由ですね)
VTの連動する指数は経費率も考慮したバンガードが採用する指数です。
実際、バンガードはVTについても適宜、経費率を下げ続けていますので、今後もまだ市場規模が拡大していくことでさらなる経費率の低減も見込めるかもしれません。
ちなみに全世界約8,000銘柄におまかせで分散投資が可能なVTは、仮に100万円投資しても年間経費がたったの800円です。
(ETFのVTに関する話です、投資信託の楽天VTはもう少し経費がかかります)
この分散を個人規模で実施することは不可能ですし、世界市場の拡大に伴い企業の時価総額が変動すれば適宜、保有割合なども見直しされます。
お手軽に全世界へ投資できるなんて、現在の投資環境はなんとすごいことか!とあらためて実感するところです。
分配金という観点でみると、米国ほどの成長はないように見えるかもしれませんが、世界経済全体の成長に伴う果実を満遍なく網羅していることを考えれば、米国偏重による取りこぼしなどを考える必要もなく、世界が豊かになっていくこと(世界市場全体が成長していくこと)を、楽しみに保有することができる究極の世界分散ETFだと思っています。
経済成長でみると結果的に近年10年程度は米国一強の時代でしたが、この覇権がいつまで続くかわかりません。
不確実な将来に向けて、でも確実に成長していく(であろうと思える)人間の豊かさを目指す営み、たゆまぬ努力と幸福の追求の原動力がある限り、世界経済は成長していくことが想定できると思いますので、世界の成長を信じて投資するなら、家族や友人にも薦めたい最適な投資先だと個人的には思います。
ということがわかっていながら、それでも米国投資に偏重している1人ですが(笑)
ただつみたてNISA(楽天VT)を通じてVTもちゃっかり保有していますので、わたしも世界市場への投資を少額ながら行っている身として、これからも動向を楽しみに見守っていきたいと思います。
投資は危険というかたもいますが、日本円でお金を貯金しておくだけでも投資している(日本という1国の通貨である円に投資している)と言えます。
わたしたち日本人は金融教育を受けていませんので、そもそも投資というものを毛嫌いしてる風潮がありますが、投資を毛嫌いしひたすら日本円を貯金しているなら、その一点突破の投資先(日本の発展だけにかけている)がほんとうに正しいのかを一度考えてみることも必要ではないでしょうか。
この先、より不透明な将来に向けて、ただ貯金している(=日本という国に一点集中投資している状態)という認識がないことは、わたし個人的にはリスクに感じています。
投資先を米国に偏重することもリスクだろう!といえば、それはそうなのですが、とりあえず「迷ったのなら世界へ分散」という選択肢も、これからの世界(資本主義経済)を生き抜くためにはもっておいたほうがいい考え方なのではないでしょうか。
今回ご紹介したVTはそういった世界経済へまるっと投資可能なETFですので、だれにとっても検討に値する投資先だと思います。
(ETFじゃなくて投資信託という方法での保有もいいと思います)
最後に余談ですが、社会全体(色々な企業や企業の作った製品たち)を使っている人たちを見回して、わたしはこれら皆さんの生活を豊かにしている企業たちの株主でもあるんだ、と思えるなんて声に出さなくても胸の中ですごくワクワクしませんか?
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!