こんにちは、おーです!
本日は米国ETFのSchwab 米国配当株式ETF【SCHD】について、ざっくりご紹介させていただきます。
【2021年11月16日追記】
かなりの悲報です、2021年11月15日付けでサクソバンク証券の米国ETF取扱銘柄が大幅に制限されることになり、このような優良、興味深いETFはサクソバンク証券では購入できなくなりました。
関連記事のご紹介【2022年2月20日追記】
記事の概要/投稿時期 | 件名(クリックで記事へジャンプ) |
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更新情報/2022年2月 | 【更新】SCHD(Schwab 米国配当株式ETF)2021年実績など |
比較/2021年7月 | 【比較】SCHD vs VIG(2021年6月) |
比較/2021年6月 | 【比較】クオリティETF DGRW vs SCHD(2021年6月) |
比較/2021年6月 | 【比較】クオリティETF SCHD vs DGRO(2021年6月) |
比較/2021年4月 | 【比較】VYM/SCHD(2021年4月) |
比較/2021年4月 | 【比較】クオリティETF DGRW/SCHD/DGRO vs VIG(2021年3月) |
紹介/2021年3月 | 【SCHD】Schwab 米国配当株式ETFのご紹介!(本記事) |
【SCHD】Schwab US Dividend Equity ETFのご紹介!
【SCHD】Schwab US Dividend Equity ETFとは
SCHDは2011年に設定、アメリカに上場された、運用開始から10年を迎えようとしているETFです。
ティッカーシンボル | SCHD |
名称 | Schwab US Dividend Equity ETF (シュワブ 米国配当株式ETF) |
ベンチマーク | Dow Jones U.S. Dividend 100 Index (ダウジョーンズ米国配当100指数) |
設定日 | 2011/10/20 |
ETF純資産総額 | 19.8B (約1.98兆円、1$=100円換算) |
投資銘柄数 | 101 |
経費率(年率) | 0.06% |
算出方法 | 時価総額加重 |
分配金など | 分配金あり、年4回(3/6/9/12月) |
運用会社 | チャールズ・シュワブ(Charles Schwab) |
注:ETF純資産総額や銘柄数、経費率などに関する情報はSchwabホームページ(Schwab US Dividend Equity ETF)から引用(2021/3/9時点)
連動指数 ダウジョーンズ米国配当100指数とは
一貫して配当を支払った記録を持つ、米国の高配当株のパフォーマンスを測定するように設計され、財務比率に基づいて同業他社と比較して基本的な強さを考慮して選択された株式に投資し(クオリティを追求した配当戦略として)、質の高い利回りを実現することを重視しているようです。
主な特徴は以下のとおりです。
- 最低でも10年連続で配当金を支払っている
- 浮動株調整後の時価総額が5億米ドル以上
- 3ヶ月間の1日平均取引量が200万米ドル以上
- 総合スコアで銘柄をランク付けした配当成長率上位100銘柄が構成銘柄(キャッシュフロー対有利子負債比率、株主資本利益率(ROE)、配当利回り、5年間の配当成長率から算出)
- インデックスは、配当利回りで加重平均
- REITは含まれていない
- セクター上限25%、1銘柄上限4.5%に制限
- 年1回(3月)にリバランス、四半期ごとにウェイトの再加重
- 経費率が0.06%と低コスト
配当の質と持続可能性に焦点をあてた、低コストで運用が可能なETFです。
チャート
SCHDの日足チャートです、記事作成時の株価は$71.87(2021/3/10終値)です。
パフォーマンス
Schwabホームページ(Schwab US Dividend Equity ETF)から引用しました(2021/3/9時点)。
ファンド・パフォーマンス (単位%) 税引前
1年 | 3年 | 5年 | 設定来 | |
基準価額 | 35.92 | 13.79 | 15.72 | 14.54 |
市場価格 | 35.81 | 13.79 | 15.75 | 14.54 |
ベンチマーク | 36.06 | 13.89 | 15.83 |
運用期間約10年程度ですが、設定来で約14.5%の高パフォーマンスです。
(参考)他ETFとのパフォーマンス比較
設定が2011/10/20でしたので、その時点で運用していたETFと比較してみました。
比較チャートはいずれもETFreplay.comから引用させていただきました。
今回は、比較の着眼点を「S&P500」と、SCHDと着眼点が類似する「連続増配系ETF」としています。
- VOO 設定日2010/09/07(S&P500 ETF)
- SCHD 設定日2011/10/20(ご紹介のETF、ファンダメンタルズ重視のクオリティ成長)
- SDY 設定日2005/11/8(連続増配20年以上)
- VIG 設定日2006/4/21(連続増配10年以上)

パフォーマンス | VOO > SCHD > VIG > > SDY |
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ボラティリティー | VOO > SDY > SCHD > VIG |
ドローダウン | SDY > VOO > SCHD > VIG |
下のグラフは上記で長期比較しているETF同士の年間トータルリターン推移の状況をまとめたものです。
注:2021年は年途中(掲載2021年9月4日)であることにご注意ください。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
SCHD,VOO年間トータルリターン 2012-2020年

SCHD,SDY,VIG年間トータルリターン 2012-2020年

引き続き、時期を変えて類似ETFを追加ピックアップしつつ比較してみます。
(VOOを除外、DGRWとNOBLを追加し、開始日はNOBLの2013/10/9以降として比較しています)
- NOBL 設定日2013/10/9(連続増配25年以上)
- SCHD 設定日2011/10/20(ご紹介のETF、ファンダメンタルズ重視のクオリティ成長)
- SDY 設定日2005/11/8(連続増配20年以上)
- VIG 設定日2006/4/21(連続増配10年以上)
- DGRW 設定日2013/5/22(ファンダメンタルズ重視のクオリティ成長)

パフォーマンス | SCHD > DGRW > VIG > NOBL > SDY |
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ボラティリティー | SDY > SCHD > NOBL > DGRW > VIG |
ドローダウン | SDY > NOBL > SCHD > DGRW > VIG |
こちらも、PORTFOLIO VISUALIZERから引用した年間トータルリターン推移を、DGRW運用以降の2014〜の期間について掲載しておきます(2021年は年途中:掲載2021年9月4日)。
SCHD,DGRW,NOBL年間トータルリターン 2014-2020年

SCHD 保有銘柄、セクター構成
Schwabホームページ(Schwab US Dividend Equity ETF)から引用しました。
SCHDの保有銘柄 上位20社と保有割合(円グラフ:%)
保有銘柄と保有割合はいずれも2021/3/10時点のデータとなります。
上位10銘柄が占める割合は約37.8%(11〜20位は約26.3%)と上位20銘柄で約64%となっています。


SCHDのセクター構成割合(円グラフ:%)
上記保有銘柄の情報と時期がことなります(セクターに関するホームページの情報が2020/12/31時点でした)ので、現時点の最新構成割合ではないことが想定されます。
参考程度にご確認ください。


設計思想どおりREITは含まれていません。
公共事業も同様にSCHDには含まれていないようです。
分配金の推移、増配率の推移
これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。
表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。
確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。
SCHD運用開始以降の分配金推移(一覧表)
SCHDは3/6/9/12月に分配金を受け取ることができます。
SCHD設定以降の定例(四半期)の分配金を一覧表にしたものは以下のとおりです。
注:定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。
弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

SCHD運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)
株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。

SCHD運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)
1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

設定から約10年程度ですが、全く減配していない常に右肩あがりの状態をキープしています。こんな優秀なETFもあったのですね。
SCHD運用開始以降の株価と分配利回りの推移
2021/3/16日現在(2021/3/15終値$72.63)と直近4回の分配実績から算出した結果は2.79%程度です。
注1:目安程度にお考えください。
注2:この分配金利回りは紹介記事作成時点の内容です。最新の参考目安については、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年」の欄に掲載しています。

分配利回りは、平時はおおよそ2.7〜3%程度で推移といったイメージかと思います。
SCHD運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、トータル)
増配率を計算した結果、以下のようになりました。
注:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。

参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。
分配金年合計($)と1年増配率(%)

分配金年合計($)と3年増配率(%)

分配金年合計($)と5年増配率(%)

増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年 (2021年12月分配金後)
2021年と2020年を比較した増配率(%)と、各年の分配金実績を以下に掲載しています。
また、直近株価($)と分配金利回り(%)も参考に掲載しています。
注:とくに分配利回りは、ご自身で他サイトなどを含めて改めてご確認ください(あくまで参考目安程度にお考えください)

個人的な感想

今回調べてみると予想以上にすごいETFだと思いました。
イメージ的にはDGRWと似たようなファンダメンタルズを重視した選定をしていると思いますので、バッチリわたしの好みで非常に気に入りました。
VYMとおおむね似たような配当利回り(若干SCHDが下回っていますが、ざっくり同程度という意味で)に加え、他の増配系ETFよりトータルリターンも高く、成長性も期待できるという、双方の良さをあわせ持つETFだと個人的には注目しています。
しかも0.06%の経費率とVYMやVIGと同様の低コストです。
長期投資にもってこいのETFと言えるのではないでしょうか。
SCHDの設定来(2011年以降)でみると増配系で高いパフォーマンスを示していたVIGを凌駕していますし、同様なクオリティ成長を考慮したDGRWが設定された2013年以降でみても、DGRWも凌駕しています。
ボラティリティーはDGRWやVIGより若干高めですが、そんなに気になる差ではないかなと個人的には思います。
増配系ETFなどは将来の成長性も大きく期待できることもあり、市場が大きく変動するときでも、心情的に安心して保有しやすいかなと個人的には考えています。
今後はわかりませんが、現在の分配金推移も減配しらずで右肩上がり、コロナショックのあった2020年でも配当貴族指数に連動したNOBLに次ぐ増配率も目をひきますし、長期で持つには非常に心強い点ではないかと思います。
【参考】2019年vs2020年増配率(個人的な試算値)
本来、投資目的の異なる増配系やクオリティ系と、高配当系ETFをまとめて表にしていますが、参考情報ですのでご容赦ください。
銘柄 | 2019 vs 2020増配率 |
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NOBL | 19.3% |
SCHD | 17.6% |
SDY | 14.4% |
HDV | 11.1% |
VIG | 7.6% |
VYM | 2.2% |
DGRW | -2.1% |
SPYD | -6.5% |
連続増配系ETFのVIGや、同様なクオリティ成長を考慮したDGRWと、どれくらい銘柄の重複があるのか気になったので調べてみました。
これはブログ「つみたて次郎の投資日記(シーゲル流×積立NISA×iDECO)」を運営されている、ブロガーのつみたて次郎さんがブログ記事「海外ETFの重複を調べられるサイト」でご紹介されていました。
この場を借りて御礼を申し上げます。
つみたて次郎さんの記事でわかりやすくご紹介されていますので是非、記事を御覧ください。
以下、いずれも引用元はFund Overlap(etfrc.com)です。
SCHDとVIGの銘柄重複程度

SCHDとDGRWの銘柄重複程度

上記から、SCHDとそれぞれのETFは、思っていたほど重複していなさそうです。
比較元 | 比較先 | 重量の重複 | 銘柄重複 |
SCHD (101銘柄) |
VIG(212銘柄) | 10% | 22 |
DGRW(300銘柄) | 25% | 28 |
【補足】上記に掲載していませんがDGRWとVIGで比較してみましたが、DGRW vs VIGでは、重量で46%、109銘柄の重複でした。
SCHDと比較した2つのETFはそれぞれ、特徴が異なるETF同士ということが言えそうですね。
VIGやDGRWをすでに少量保有しているので、重複程度が大きければSCHDは購入しないことも考えていましたが、やはり購入してみたい気持ちに駆られます(笑)
ただ、残念ながらこのETFは2021年3月現在、国内大手証券会社(SBI証券、楽天証券など)では購入ができませんので、サクソバンク証券から購入が必要となります。
ただし、サクソバンク証券もまだ特定口座に対応していないようです(2021年3月11日現在)。
一般口座での取引になることを考えると、売買に関する為替や取引実績を自分で管理しておく手間に対する懸念が勝ってしまいますので、現時点では投資をすることは考えていません。
もし今後、サクソバンク証券が予定通り、特定口座に対応したら保有してみたいと考えていますので今回、現状を把握する意味でも記事化した次第です。
余談ですが、今回比較してみた結果、国内大手証券会社で購入可能なVIGやDGRWも、やっぱりパフォーマンスがいいんだなと、あらためて認識することもできました。
今回紹介したパフォーマンスに優れているSCHDと比べても、VIGは比較した中で一番ドローダウンも小さく、ボラティリティーも低いといったこともわかりました。
結果的には、VIGやDGRWにより愛着が湧いたようにも感じていますので、別の意味で比較してみてよかったと思っています。
米国にはまだまだ優秀なETFがありそうです。
今後も興味をもって検索していきたいと思います。
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!