ETF/投資信託

【NOBL】ProShares S&P500配当貴族ETFのご紹介!

こんにちは、おーです!

 

本日は米国ETFのProShares S&P500配当貴族ETF【NOBL】 について、ざっくりご紹介させていただきます。

 

【2021年11月16日追記】

かなりの悲報です、2021年11月15日付けでサクソバンク証券の米国ETF取扱銘柄が大幅に制限されることになり、このような優良、興味深いETFはサクソバンク証券では購入できなくなりました。

 

2021/12/26追記:2021年12月分の分配金実績を反映

2021/9/24追記:2021年9月分の分配金実績を反映

2021/9/4追記:長期比較しているETF同士の年間トータルリターン状況を掲載

2021/6/25追記:2021年6月分の分配金実績を反映

 

記事の概要/投稿時期 件名(クリックで記事へジャンプ)
比較/2021年3月 【比較】連続増配ETF VIG/SDY/NOBL(2021年3月)
紹介/2021年3月 【NOBL】ProShares S&P500配当貴族ETFのご紹介!(本記事)

 

【NOBL】ProShares S&P500配当貴族ETFのご紹介!

【NOBL】ProShares S&P500配当貴族ETFとは

NOBLは2013年に設定、アメリカに上場された、運用開始から約8年が経過したETFです。

 

ティッカーシンボル NOBL
名称 ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETF
(プロシェアーズ S&P500 ディビデンド・アリストクラッツ ETF
ベンチマーク S&P 500 Dividend Aristocrats Index
(S&P 500 配当貴族指数)
設定日 2013/10/9
ETF純資産総額 注1 7.13B (約7130億円、1$=100円換算)
投資銘柄数 65
経費率(年率) 0.35%
算出方法 均等加重
分配金など 分配金あり、年4回(3/6/9/12月)
運用会社 プロシェアーズ(ProShares)

注1:ETF純資産総額はyahoo!finance USAより引用

注2:その他の銘柄数、経費率などに関する情報はProSharesホームページ(ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETF)から引用(2021/1/31時点)

 

連動指数 S&P 500 配当貴族指数とは

S&P配当貴族指数(手数料・費用控除前)に連動する投資成果を目指して運用されています。

S&P 500配当貴族指数は、S&P Dow Jones Indices LLC が開発し算出している米国の株価指数です。

 

主な特徴は以下のとおりです。

  1. S&P 500構成銘柄
  2. 少なくとも過去25年連続で増配(1株あたりの配当総額増やしている)
  3. 普通配当として公表される現金配当支払いだけを考慮(源泉税控除前の現金配当額)
  4. 配当の開始または再開は増配としてカウントしない
  5. 構成銘柄数は最低40銘柄(仮に下回った場合、メソドロジーの基準に沿って銘柄を選定)
  6. 1セクターの占有は最大で30%以下(逸脱時の考え方は同上)
  7. 均等加重方式を採用
  8. 四半期ごとに均等ウェイトに再加重
  9. 年1回(1月)に構成銘柄の再構築

各銘柄のウェイトを均等化し、各構成銘柄を規模にかかわらず個別の投資機会として捉えているのが特徴です。

 

チャート

NOBLの日足チャートです、記事作成時の株価は$84.74(2021/3/10終値)です。


 

パフォーマンス

ProSharesホームページ(ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETF)から引用(2020/12/31時点)

ファンド・パフォーマンス (単位%) 税引前

1年 3年 5年 設定来
基準価額 8.32 10.16 12.54 12.32
市場価格 8.37 10.12 12.52 12.33
ベンチマーク 8.68 10.59 12.97 12.76

運用期間が約8年程度と短いですが、設定来で約12.3%のパフォーマンスです。

 

(参考)他ETFとのパフォーマンス比較

設定が2013/10/9でしたので、その時点で運用していたETFと比較してみました。

いずれもETFreplay.comから引用させていただきました。

今回は、比較の着眼点を「S&P500」と、NOBLと着眼点が類似する「連続増配系ETF」としてみました。

  • VOO 設定日2010/09/07(S&P500 ETF)
  • NOBL 設定日2013/10/9(ご紹介のETF、連続増配25年以上)
  • SDY 設定日2005/11/8(連続増配20年以上)
  • VIG 設定日2006/4/21(連続増配10年以上)
  • DGRW 設定日2013/5/22(ファンダメンタル重視のクオリティ成長)
①NOBL,SDY,VIG,DGRW,VOO 2013年(NOBL設定以降)の比較チャート
パフォーマンス VOO > DGRW > VIG > NOBL > SDY
ボラティリティー SDY,VOO > NOBL > DGRW > VIG
ドローダウン SDY > NOBL > VOO > DGRW > VIG

 

下のグラフは上記で長期比較しているETF同士の年間トータルリターン推移の状況をまとめたものです。

注:2021年は年途中(掲載2021年9月4日)であることにご注意ください。

(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)

NOBL,SDY,VIG年間トータルリターン 2014-2020年

NOBL,SDY,VIG年間トータルリターン 2014-2020年(2021年9月4日追加)

NOBL,DGRW,VOO年間トータルリターン 2014-2020年

NOBL,DGRW,VOO年間トータルリターン 2014-2020年(2021年9月4日追加)

 

 

参考に高配当系ETFとも一応、比較しました。

当該期間におけるVYMとHDVの比較結果、パフォーマンスがVYM>HDVでしたので、以下はVYMを代表に比較しています(SPYDは2013年は未設定のため除外)。

(赤色をVOO→VYMに変更して表示していますが、他は上記のチャートと同一です)

  • VYM 設定日2006/11/10
②NOBL,SDY,VIG,DGRW,VYM 2013年(NOBL設定以降)の比較チャート
パフォーマンス DGRW > VIG > NOBL > SDY > VYM
ボラティリティー SDY > NOBL > DGRW,VYM > VIG
ドローダウン SDY > NOBL > VYM > DGRW > VIG

 

同じく、PORTFOLIO VISUALIZERから引用しています(2021年は年途中:掲載2021年9月4日)、以下はVYMとの単体比較です。

NOBL,VYM年間トータルリターン 2014-2020年(2021年9月4日追加)

NOBL,VYM年間トータルリターン 2014-2020年(2021年9月4日追加)

 

 

さらに参考ですが、日本で人気があるので気になるかたもいると思い、高配当系ETFのSPYDとも比較しました。

SPYDが2015年からなので、SPYD設定以降の比較結果です。

(赤色をVYM→SPYDに変更して表示しています)

  • SPYD 設定日2015/10/21
③NOBL,SDY,VIG,DGRW,SPYD 2015年(SPYD設定以降)の比較チャート
パフォーマンス  VIG > DGRW > NOBL > SDY > SPYD
ボラティリティー SPYD > SDY > NOBL > DGRW > VIG
ドローダウン SPYD > SDY > NOBL > DGRW > VIG

 

最後にこちらも、PORTFOLIO VISUALIZERから引用した年間トータルリターン推移を掲載しておきます(2021年は年途中:掲載2021年9月4日)、以下はSPYDとの単体比較です。

NOBL,SPYD年間トータルリターン 2016-2020年

NOBL,SPYD年間トータルリターン 2016-2020年(2021年9月4日追加)

 

NOBL 保有銘柄、セクター構成

ProSharesホームページ(ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETF)から引用(2021/3/8時点)

 

NOBLの保有銘柄 上位20社と保有割合(円グラフ:%)

均等加重ですので、上位10銘柄が占める割合は約17.8%(11〜20位は約16.3%)となっています。

NOBL トップ20構成銘柄【2021年3月8日時点】 NOBL 保有銘柄 構成割合%【2021年3月8日時点】

 

NOBLのセクター構成割合(円グラフ:%)

NOBL セクター構成割合%【2021年3月8日時点】 NOBL セクター構成割合一覧表【2021年3月8日時点】

資本財が1位、素材が3位というのもなかなか特徴的かと思います。

情報技術なども少なめで、やはり継続して配当を出し続けている企業という意味では、オールドエコノミーが上位を占める構図になってくるということでしょう。

 

分配金の推移、増配率の推移

これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。

表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。

確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。

 

NOBL運用開始以降の分配金推移(一覧表)

NOBLは3/6/9/12月に分配金を受け取ることができます。

NOBL設定以降の定例(四半期)の分配金を一覧表にしたものは以下のとおりです。

注:定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。

弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

 

NOBL 分配金一覧表

 

NOBL運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)

株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。

NOBL 分配金推移(月別)

 

NOBL運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)

1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

NOBL 分配金推移(年別)

基本的に右肩上がりで、コロナショックのあった2020年でも2019年比で増配を維持しています。

連続増配25年以上の安定感はさすが!といったところでしょうか。

 

NOBL運用開始以降の株価と分配利回りの推移

2021/3/16日現在(2021/3/15終値$86.02)と直近4回の分配実績から算出した結果は1.98%程度です。

注1:目安程度にお考えください。

注2:この分配金利回りは紹介記事作成時点の内容です。最新の参考目安については、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年」の欄に掲載しています。

 

NOBL 株価と分配利回り

分配利回りは、平時はおおよそ2〜2.5%程度で推移といったイメージかと思います。

 

NOBL運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、トータル)

増配率を計算した結果、以下のようになりました。

注:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。

NOBL 運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、トータル)

 

参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。

 

分配金年合計($)と1年増配率(%)

NOBL 分配金年合計と1年増配率の推移グラフ

 

分配金年合計($)と3年増配率(%)

NOBL 分配金年合計と3年増配率の推移グラフ

 

分配金年合計($)と5年増配率(%)

NOBL 分配金年合計と5年増配率の推移グラフ

 

増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年 (2021年12月分配金後)

2021年と2020年を比較した増配率(%)と、各年の分配金実績を以下に掲載しています。

また、直近株価($)と分配金利回り(%)も参考に掲載しています。

注:とくに分配利回りは、ご自身で他サイトなどを含めて改めてご確認ください(あくまで参考目安程度にお考えください)

NOBL 2021年12月 vs2020年 増配率と分配金実績、株価と利回り推移 

 

個人的な感想

右肩上がりをイメージした図

設定来のパフォーマンスを比較してみた結果、正直にいいますと個人的には当初期待していたほどのインパクトが感じられなかったようにも感じてしまいました。

ですが、高配当ETFを凌駕している結果を踏まえますと、個人的には高配当ETFに偏重するより、やはり増配系ETFもトッピングして長期に保有したいと思える結果でもありました。

 

直近のパフォーマンスという点では、連続増配25年以上の配当貴族まで到達するには、どうしてもオールドエコノミーが大多数を占めるようなこともあり、その分、VIGやDGRWなど、ある程度成長著しい企業をキャッチアップしたETFと比べると現在のパフォーマンスにおいては見劣りする結果になっているのかと思います。

 

ですが、この指数は以下のように長期でみた場合、S&P500インデックスを凌駕し続けている実績もあります。

S&P 500 Dividend Aristocrats IndexとS&P500の比較(2005年〜2020年)

S&P 500 Dividend Aristocrats IndexとS&P500の比較引用元:ProShares DIVIDEND GROWTH: A STRATEGY FOR BUILDING RESILIENT PORTFOLIOS

ETFとしては設定からまだ日が浅いので、これから長期にわたって愚直に積み上げると、楽しみなETFであるとも言えそうです。

 

NOBLは、2020年のコロナショック時においても減配することもありませんでしたし、むしろ増配率は他のETFを凌駕しています。

【参考】2019年vs2020年増配率

本来、投資目的の異なる増配系やクオリティ系と、高配当系ETFをまとめて表にしていますが、参考情報ですのでご容赦ください。

銘柄 2019 vs 2020増配率
NOBL 19.3%
SDY 14.4%
HDV 11.1%
VIG 7.6%
VYM 2.2%
DGRW -2.1%
SPYD -6.5%

 

NOBLは今後の分配金成長という観点でも楽しみなETFです。

こういった点でも配当貴族の安定感が際立っているため、長期で持つにはもってこいですし、連続増配25年以上の配当貴族に絞って複数社も保有できるなんて、ある意味では永久保有にもってこいの贅沢な投資先と捉えることもできるかと思います。

 

 

ただ、残念ながらこのETFは2021年3月現在、国内大手証券会社(SBI証券、楽天証券など)では購入ができませんので、サクソバンク証券から購入が必要となります。

ただし、サクソバンク証券もまだ特定口座に対応していないようです(2021年3月11日現在)。

一般口座での取引になることを考えると、売買に関する為替や取引実績を自分で管理しておく手間に対する懸念が勝ってしまいますので、現時点では投資をすることは考えていません。

 

もし今後、サクソバンク証券が予定通り、特定口座に対応したら保有してみたいと考えていますので今回、現状を把握する意味でも記事化した次第です。

 

 

ちなみに、今回ご紹介した「配当貴族指数」については、国内でもETNとして購入が可能なようです。

S&P 500配当貴族指数(配当込み・円換算ベース)の動きに連動する投資成果を目指して運用を行なっている、野村アセットマネジメントの「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族(愛称:Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族)」があるようです。

ただし、上記のETNでは分配金の払い出しはないようですので、分配金を期待したいかたは選択肢にならないかもしれませんのでご注意ください。

気になるかたは以下のリンク先から確認してみてください。

(外部リンク)野村インデックスファンド・米国株式配当貴族(野村アセットマネジメント)

 

ETNについては触れませんが、以下のリンク先にわかりやすい資料がありましたので参考にリンクを貼っておきます。

(外部リンク)ETF/ETNの基礎知識(楽天証券)

 

 

この記事がなにかの参考になれば幸いです。

それではまたっ!!