ETF/投資信託

【更新】DHS(ウィズダムツリー米国株高配当ファンド)2021年実績など

こんにちは、おーです!

 

2021年にご紹介していたETFの”その後”をご紹介しているシリーズです。

今回は過去2021年3月にご紹介したDHSです。

 

初期の記事は「【DHS】ウィズダムツリー米国株高配当ファンドETFのご紹介!」をご覧ください。

ファンド概要や変更のなさそうな部分などの細かな点は割愛しますが、2021年実績を踏まえ、一部データを簡単に更新しておきます。

 

【更新】DHS(ウィズダムツリー米国株高配当ファンド)2021年実績など

DHSとは

ウィズダムツリー社が2006年に設定、運用開始されたETFです。

2022年6月16日で17年を迎える、歴史あるETFとなります。

ウィズダムツリー米国配当インデックス(WisdomTree U.S. Dividend Index)から選ばれた「高配当利回りの企業のパフォーマンスを測定するファンダメンタルズ加重型のインデックス」です。

直近の1株当たりの宣言配当金に基づいて、各構成企業が次年度に支払うと予測される現金配当総額の割合を反映して毎年配当加重され、企業のコンポジットリスクスコア(※)で調整されます。

※:コンポジットリスクスコアは、バリュー、クオリティ、モメンタムの3つの要素の平均値

 

コンポジットリスクスコアで良好なスコアを獲得した企業はウェイトが増加し、悪いスコアを獲得した企業はウェイトが減少します。

配当利回りなどで加重されるため、時価総額で加重されたような割高銘柄を多く含んだ銘柄への投資を避けられる(割安な銘柄に投資が可能となる)といった特徴を有するETFです。

 

チャート

ご紹介記事作成(2021年3月中旬頃の)時点、株価は約$75.2程度でした。

2022年現在、下落・調整中の主要インデックスなどと比較し、高パフォーマンスで推移しています。

本記事作成時点(2022年6月5日)は、2022年4月ごろの新高値約$91.9からほぼ下げておらず、約$89.7と堅調な推移が続いています。

現在の相場は高配当ETFに対する期待の高い環境といえそうです。 


パフォーマンス

ウィズダムツリーホームページ(DHS)から引用しました(2022年4月30日現在)

ファンド・パフォーマンス(単位%) 税引前

1年 3年 5年 10年 設定来
基準価額 12.70 9.27 8.49 10.42 7.32
市場価格 12.70 9.26 8.49 10.42 7.32
ベンチマーク 13.23 9.72 8.91 10.84 7.69

昨年2021年3月ご紹介時点で、設定来6.26%/年でしたが、今回は7.32%と好調に推移していることが確認できます。

相場が変調している現状に対し、たとえば1年でみても市場価格9.46%(前回)→12.70%など、著しくパフォーマンスが上昇していることも確認できます。

 

【2021年3月時点】ファンド・パフォーマンス(単位%) 税引前

1年 3年 5年 10年 設定来
基準価額 8.62 4.69 7.44 9.65 6.25
市場価格 9.46 4.71 7.44 9.66 6.26
ベンチマーク 9.06 5.05 7.83 10.06 6.61

ここ1年程度で、大幅なパフォーマンスの上昇が確認できるのではないでしょうか。

 

 

(参考①-1)他ETF(VYM、DVY)とのパフォーマンス比較 2006年〜2021年

前回、DHSと設定時期が近い、もしくはより長い高配当ETFとして長期比較可能なVYM、DVYと比較しました。

今回もその後を確認してみます。

(ETFreplayから引用)

注:DHS(2006年6月16日)より、VYM(2006年11月10日)の設定が遅いため、長期比較はVYM運用以降にあわせて確認しています

 

2021年の年末までを確認してみます。

1-1 DHS,VYM,DVY比較チャート(VYM設定年以降) 2006年11月10日-2021年12月31日

(2021年12月31日までのパフォーマンス)

トータルリターン VYM(255.8%) > DVY(206.5%) > DHS(162.2%)
ボラティリティ DHS(21.3%) > DVY(20.8%) > VYM(19.2%)
ドローダウン DHS(-67.2%) > DVY(-62.6%) > VYM(-57.0%)

昨年ご紹介時点(2021年3月時点)でのトータルリターン推移が、

  • DHS:+131.2%
  • VYM:+211.5%
  • DVY:+178.5%

でした。

このご紹介時点から2021年末時点での値とその差を計算すると、

  • DHS:+131.2% → +162.2%(+31.0%)
  • VYM:+211.5% → +255.8%(+44.3%)
  • DVY:+178.5% → +206.5%(+28.0%)

注:( )内プラスは2021年3月頃と2021年終了時点の差からの上げ幅

となりました。

2021年末までの長期比較では、VYMが好調だったことが確認できます。

DHSはDVYより上昇程度は大きいですが、VYMほどには至りませんでした。

ボラティリティ、ドローダウンともに高めなのも、DHSのある意味、特徴ともいえそうです。

 

(参考①-2)他ETF(VYM、DVY)とのパフォーマンス比較 2006年〜2022年6月3日

直近、2022年6月3日まで確認した結果です。

1-2 DHS,VYM,DVY比較チャート(VYM設定年以降) 2006年11月10日-2022年6月3日

(2022年6月3日までのパフォーマンス)

トータルリターン VYM(253.5%) > DVY(225.7%) > DHS(187.6%)
ボラティリティ DHS(21.2%) > DVY(20.7%) > VYM(19.1%)
ドローダウン DHS(-67.2%) > DVY(-62.6%) > VYM(-57.0%)

前回ご紹介2021年3月ごろ時点〜直近2022年6月3日までの比較では以下となります。

  • DHS:+131.2% → +187.6%(+56.4%)【+25.4%】
  • VYM:+211.5% → +253.5%(+42.0%)【-2.3%】
  • DVY:+178.5% → +225.7% (+47.2%)【+19.2%】

注:【 】内プラスは2021年終了時点の値からの上げ幅、マイナスは下げ幅を示す

現相場に照らすと、2022年突入以降、VYMを飛躍的に超えるパフォーマンス推移をしていることが確認できます(VYMは年初来ではマイナス推移)。

 

(参考①-3)他ETF(VYM、DVY)とのパフォーマンス比較 直近1年 2021年6月4日〜2022年6月3日

直近1年を比較してみた結果です。

1-3 DHS,VYM,DVY比較チャート(直近1年) 2021年6月4日-2022年6月3日

2021年頃から相場の風向きが変わり、過去、パフォーマンスで及ばなかったVYMなどを凌駕する結果をDHSが叩き出していることが確認できます。

DVYにも大きく水をあけ、好調なパフォーマンス推移になっています。

同期間であれば、ボラティリティ、ドローダウンともに一番低くなっており、切り取り期間によって見方が異なる好例ともいえそうです。

 

(参考①-4)他ETF(VYM、DVY)とのパフォーマンス比較 2022年 年初来〜2022年6月3日

2022年年初来でみると、もっと顕著な差が現れています。

1-4 DHS,VYM,DVY比較チャート(2022年 年初来) 2021年12月31日-2022年6月3日

2022年突入後、軟調相場の最中です。

さげにくい高配当ETFにおいて、比較対照ではVYMのみがマイナスパフォーマンスとなっているのも特徴的です。

この期間ではボラティリティ、ドローダウンもVYMが高めと逆転しています。

この調整相場においても、右肩下がりではなく、むしろ右肩上がり傾向が確認できます。

同様に好調推移するDVYを超える、引き続き堅調なDHSのパフォーマンス(DVYとの差3.5%)も目をひきます。

 

(参考②-1)他ETF(VYM、DVY+HDV、SPYD)とのパフォーマンス比較 2015年10月21日〜2022年6月3日

上記ETFにHDVとSPYDを追加した高配当ETFグループ、その後として確認してみます。

(ETFreplayから引用)

注:SPYD(2015年10月21日)運用以降にあわせて確認しています

1-5 DHS,HDV,SPYD比較チャート(SPYD設定以降) 2015年10月21日-2022年6月3日

(2022年6月3日までのパフォーマンス)

トータルリターン DVY(112.5%) > VYM(105.4%) > SPYD(97.4%) > DHS(91.7%) > HDV(85.6%)
ボラティリティ SPYD(21.4%) > DVY(19.2%) > VYM(17.5%) > DHS/HDV(17.0%)
ドローダウン SPYD(-46.4%) > DVY(-41.6%) > DHS(-37.3%) > HDV(-37.0%) > VYM(-35.2%)

昨年ご紹介時点(2021年3月時点)でのトータルリターン推移が、

  • DHS:+54.1%
  • VYM:+81.0%
  • DVY:+81.7%
  • HDV:+56.0%
  • SPYD:+68.7%

でした。

このご紹介時点から2022年6月3日までの値とその差を計算すると、

  • DHS:+54.1% → +91.7%(+37.6%)
  • VYM:+81.0% → +105.4%(+24.4%)
  • DVY:+81.7% → +112.5%(+30.8%)
  • HDV:+56.0% → +85.6%(+29.6%)
  • SPYD:+68.7% → +98.4%(+28.7%)

注:( )内プラスは2021年3月頃と2022年6月3日時点の差からの上げ幅

となりました。

2021年3月以降、2022年6月3日までのパフォーマンス推移は「DHS>DVY>HDV>SPYD>VYM」という結果でした。

過去、市場が好調なとき堅調だったVYMがアンダーパフォームし、逆にパフォーマンスとしては一概に堅調とはいえない期間が続くこともあったETFなどのパフォーマンス改善が確認できる相場環境になっています。

 

(参考②-2)他ETF(VYM、DVY+HDV、SPYD)とのパフォーマンス比較 2022年 年初来〜2022年6月3日

2022年の年初来でみるとVYMとの差がより顕著です。

1-6 DHS,HDV,SPYD比較チャート(2022年 年初来) 2021年12月31日-2022年6月3日

VYMを除き、この軟調相場においていずれのETFもプラス推移を叩き出しているのが確認できます。

過去パフォーマンスで優れてきたVYMのお株を奪うような、現相場環境における好調さが際立つ結果となっています。

VYMは現相場では(今回比較したETF同士では)一人負けといった印象です。

(市場平均の下げと比較するとVYMも底堅いですが、その他高配当ETFの堅調さと相対的に比較すると、という意味で)

 

保有銘柄、セクター構成

過去ご紹介記事との比較形式で掲載しています。

DHSは紹介以降、比較記事などを作っていませんでしたので、2021年3月紹介時との比較をさせていただきました。

左(2022年6月時点)、右(2021年3月時点)を併記する形式としています。

注1:2022年6月時点データは2022年6月3日時点のウィズダムツリーHP情報より

注2:2021年3月時点データは2021年3月12日時点の情報

 

DHSの保有銘柄 上位20銘柄

上位20銘柄が占める割合は以下のとおりです。

2022年6月時点:約62.0%(上位10位≒45.8%、11位~20位≒16.2%)

2021年3月時点:約63.2%(上位10位≒44.3%、11位~20位≒18.9%)

4 トップ20構成銘柄 比較 DHS(2022年6月4日)

20位までの保有割合としては上位10銘柄の保有割合が約+1.5%、11位以下は約-1.3%です。

上位20銘柄に限っての比較ですが、順位については以下のような変動がありました。

前回比較からの新規追加銘柄 XOM/CVX/MRK/DVN/BMY/AMGN/MS/LMT
前回比較からの除外銘柄 T/IBM/AVGO
ランクアップ銘柄(※) BX
ランクダウン銘柄(※) MMM(22)/TFC(29)/USB(25)/DOW(24)/KHC(30)/MET(34)

※:20位より下位からのランクアップ、20位以上からのランクダウンを示す、ランクダウンの( )は今回時点のランク位置を示す

上位構成の銘柄と、ランク構成が大きく変わっているのがわかります。

とくに「前回比較からの新規追加銘柄」が8銘柄と多く、かつ1/2位が変更されていますし、大きな変更があったと見ることができます。

 

【参考】DHSの保有銘柄 上位20銘柄が占めるセクター割合

こちらは弊ブログ独自集計で、上位20銘柄がどのようなセクターに属するか、参考に集計してみたものです。

注:のちほどご紹介するセクター分類や保有割合とは異なる可能性がありますので、あくまで弊ブログ独自の参考集計である点にご理解ください。

5 【参考】トップ20構成銘柄のセクター構成 比較 DHS(2022年6月4日)

上位20銘柄のセクター構成に限って確認した結果、大きなところでは、

  • 減少:情報技術-8.9%、生活必需品-2.2%、金融-3.6%、通信サービス-5.6%など
  • 増加:エネルギー+15.5%、ヘルスケア+6.6%

 

とくにエネルギーは0→+15.5%と差が顕著です(上位20位までに3銘柄追加あり:XOM/CVX/DVN追加)。

増加したのは残りヘルスケアのみです。

それ以外はすべて減少方向ですので、特徴的な変化が確認できました。

上位20銘柄の変遷を見るだけでも、この1年3ヶ月程度(前回ご紹介以降)でDHSの構成に大きく影響を与えるような入れ替え、順位変動があったことが確認できます。

 

DHSの銘柄保有割合(円グラフ:%)

上位20名柄の占有割合を円グラフで表示しています。

【再掲】上位20銘柄が占める割合

2022年6月時点:約62.0%(上位10位≒45.8%、11位~20位≒16.2%)

2021年3月時点:約63.2%(上位10位≒44.3%、11位~20位≒18.9%)

6 保有銘柄 構成割合 % DHS 円グラフ (2022年6月4日)

上位とそれ以外の保有割合としての大きな変更はありませんが、銘柄入れ替え、順位変動は顕著でした。

銘柄については前述しましたので、次はETF全体のセクター構成変遷などで確認してみます。

全体としては前回318銘柄→今回314銘柄と総数に大幅な変更もありませんでした。

 

DHSのセクター構成割合(円グラフ:%)

こちらは2022年6月時点(=2022年6月2日時点からの引用)セクター割合のみを表示しています。

(こちらはウィズダムツリーHPから引用したセクター分類による集計結果を示します)

7 セクター構成% DHS 円グラフ(2022年6月)

全体の構成銘柄に対してみると、以下のような割合となっています。

  • 1位エネルギー約20.3%、2位ヘルスケア約18.5%で、上位2セクターで約38.8%
  • 3位の生活必需品まで含めると約56.4%
  • 4位金融、5位公益事業までを含めた上位5セクターはいずれも10%超の保有割合とその他(すべて5%以下)より顕著に保有割合が多く、5セクターで約82%となる

 

思い切って偏重したセクター構成になっているように見受けられますし、銘柄構成の入れ替えなどを考えると、全体的に大きく変動していることが予想されます。

1年3ヶ月前時点との比較形式で変遷を確認してみます。

 

DHSのセクター構成割合(棒グラフ、レーダーチャート:%)

過去との比較形式で、保有銘柄の全体に対するセクター構成割合を表示したものです。

こちらはウィズダムツリーHPから引用したセクター分類による集計結果(比較結果)を示します。

8 セクター構成% 比較 DHS 棒グラフ、レーダーチャート (2022年6月4日)

かなり大きくETF全体のセクター構成が切り替わっていることが確認できます。

もともと(前回2021年3月ご紹介時点で)、エネルギーは0.95%しか保有していませんでした。

今回は20.3%となっており、セクター順位は11位→1位に大きく順位を上げています(前回比+19.4%)。

その他上位構成銘柄の比較でも確認できたように、顕著な差としては

  • 情報技術-9.8%
  • 通信サービス-6.8%
  • 生活必需品-2.4%
  • ヘルスケア+6.7%

などがあり、がらっと構成が入れ替わっています。

このETF独自の設計思想に基づいた保有銘柄の入れ替えなどが、現相場向きのパフォーマンスにつながっているように見受けられました。

引き続き、好パフォーマンス推移が確認できるか、注目していきたいところです。

 

分配金の推移、増配率の推移

これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。

ETF設定以降の定例分配金を一覧表などにまとめていますが、定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外して集計している点にご注意ください。

(弊ブログ独自の集計である点を予めご了承お願いします)

 

DHS運用開始以降の分配金推移(一覧)

DHSは四半期→毎月に変遷してきたETFのようです。

現在は毎月分配を受け取ることができますので、分配金が到着するのが楽しみな方にはもってこいのETFです。

2021年の実績を反映した過去の分配金一覧表は以下のとおりです。

(2022年は5月分までを反映)

9 DHS 分配金一覧表

コロナショック渦中の2020年3月、分配金実績は確認できませんでしたが、それ以外の月は毎月分配の実績が確認できます。

3月実績は確認できなかった2020年ですが、2019年に対し増配しているのも素晴らしいですが、その翌年2021年は残念ながら減配でした。

現状、実績として年間で約$2.7程度の分配金が出されています。

 

【参考】2021年vs2020年 分配金推移の比較

直近1年(2021年)の毎月分配金を、その前年(2020年)と比較してみた結果です。

(オレンジが増配率)

10-1 DHS 2021年vs2020年 増配率と分配金実績 

2021年は上下に大きく変動がありつつ推移し、結果としては年間で約-5.5%の微減配でした。

(個人的には)毎回推移の安定感については若干、不安のあるところですが、年単位で見てどうかですので、単回の推移をピックアップして一喜一憂はしなくていいようにも考えます。

 

【参考】2022年vs2021年 分配金推移の比較(2022年5月まで)

こちらは2022年と直近1年(2021年)の毎月分配金を比較してみた結果です。

(オレンジが増配率)

10-2 DHS 2022年5月 vs2021年 増配率と分配金実績 

2022年は2021年とは異なり分配金も力強い推移を示しているように見受けられます。

2021年は5月までの単回でみると増配2回、減配3回でした(3月は増配と解釈)。

2022年は単回でみると増配3回、減配1回、±0が1回です。

増配時の増え方が毎回、二桁以上の堅調な推移となっているのも好印象です。

2022年は年間を通じての増配着地にも期待ができそうです。

 

DHS運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)

毎回受取時の株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。

11 DHS 分配金推移(月別)

途中から四半期→毎回に切り替わっており、推移としては見づらいです。

受け取る月などに応じて凹凸はありますが、次の年間受け取り推移で長期にみると安定した右肩上がり傾向が確認できます。

 

DHS運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)

1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

12 DHS 分配金推移(年別)

毎年、確実に増配とまではいきませんが、右肩上がりの着実な推移が確認できます。

2021年が減配で着地していることもあり、好パフォーマンスに推移している2022年は、より期待が高まります。

 

DHS運用開始以降の株価と分配利回りの推移

2022/6/5日時点(2022/6/3終値$89.72)と直近12回の分配実績から算出した結果は2.96%程度です。

注1:目安程度にお考えください。

注2:この分配金利回りは今回の記事更新(2021年データ更新時)の内容です。2022年以降、最新の参考目安や分配金実績については、毎回の分配金が出た後に別途記事を作成していこうと考えます。

13 DHS 株価と分配利回り

高配当ETFが人気となっている現相場において、株価が底堅く、利回りは高まっていません。

ざっくり3%前後といった過去推移に見受けられます。

コロナショックのタイミングなどで一括で購入できていれば、5%程度ということも可能だったかもしれませんが、なかなかタイミングを見計らって腹をくくって一括というのは難しいですね。

 

DHS運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、10年)

2021年分配金実績反映後の増配率を計算した結果、以下のようになりました。

注:弊ブログ独自の分配金実績集計に基づいて、私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。

14 DHS 運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、10年)

コロナ時は微増配ですが、減配しなかった実績は評価できます。

運用から長いETFですが、個人的には安定感という意味合いでは少し疑問が残る点もあります。

今後の長期推移にも注目していきたいところです。

 

分配金年合計($)と1年増配率(%)

2021年分配金実績を踏まえ、参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフ(更新版)を下に掲載しておきます。

(視認性をあげるため、分配金初期の桁外れな値は除外していることもあります、ご了承ください)

少し見づらいかもしれませんが、分配金年合計と増配率推移グラフに、比較単位スパンでの差額推移を追記しています(以下、3年と5年、10年にも反映)

15-1 DHS 分配金年合計と1年増配率の推移グラフ

個人的に1年単位ではそこまで安定感のある推移といった印象は受けません。

今後の推移に注目といったところです。

 

分配金年合計($)と3年増配率(%)

15-2 DHS 分配金年合計と3年増配率の推移グラフ

3年スパンでみるとまた違って見えます。

概ね安定したプラス推移が確認できます。

 

分配金年合計($)と5年増配率(%)

15-3 DHS 分配金年合計と5年増配率の推移グラフ

5年スパンでみると、好調時は5年前から+$1程度の上昇が確認できます。

最近の微増配などの実績から、直近は低下傾向ですが、これからの復調が期待されます。

 

分配金年合計($)と10年増配率(%)

15-4 DHS 分配金年合計と10年増配率の推移グラフ

10年スパンで見ると増配率6%程度、+$1超えの推移となっていますので、この状況が継続するかを確認していきたいと思います。

 

【参考①】株価終値ベースでの過去推移(年別、月間上昇率の推移)

この内容は、株価の終値を用いて、前日/前週/前月/前年末日など、さまざまなスパンの株価差をもとに、弊ブログで独自に参考集計したものとなります。

株価終値ベースですので、分配落ちなどの影響が含まれることにはなりますが、目に見える実績としての推移をまとめたものです。

あくまで過去の実績(過去はこうだった)というものですが、少しでもなにかの参考になれば幸いです。

 

年別上昇率の推移(2021年終了時点)

前年最終日の終値と当年最終日の終値の差から算出した「年別上昇率」です。

また、年上昇率をもとにカウント月の回数からならした月平均上昇率を参考に掲載しています。

(2022年は5月までの集計結果が一部表示されています)

16 年別上昇率-DHS Close上昇率 (2021年終了時点)

設定以降、年別総カウント15回のうち、プラス圏終了は10回、マイナス圏5回でした。

2021年実績をみると+19.0%です(分配金リターンは除く)。

過去の下落最大は2008年、最大上昇は設定年の2006年でした。

ただし、2022年は(5月終了時点の平均ですが)、過去最大上昇の2006年に次ぐ平均上昇を示している点も注目です。

5月29日にご紹介した別記事で「DIA(ダウ)のその後」をご紹介しましたが、DIAの場合、2022年4月終了時点で過去2番目の低調推移でした。

このことからも今の相場がDHSなどの高配当ETF向きの相場であることも確認できます。

2022年の好パフォーマンスがこれからも維持できるか、興味深い年になりそうです。

 

月別上昇率の推移(2022年5月終了時点)

前月最終日の終値と当月最終日の終値の差から算出した「月別上昇率」と、「月別の勝率」などをまとめて一覧表にしたものです。

17 月別上昇率-DHS Close上昇率(2022年5月終了時点)

 

上記一覧表の推移を、各年の月別上昇率としてまとめたグラフは以下のとおりです。

注:各月の最大上昇率を青色で、最大下落率を赤色で表示

18 月別上昇率-DHS Close上昇率 月別推移グラフ(2022年5月終了時点)

2021年は9月に月間過去最低を更新(-4.66%)、12月に月間過去最大を更新(+7.18%)しました。

2022年は途中ですが、4月に月間過去最低(-2.92%)を更新しています。

 

上記一覧表の推移を、「プラス終了月回数」、「プラス終了勝率」、「月&年別最大上昇率」、「月&年別最大下落率」でグラフ化したものは以下のとおりです。

注1:それぞれ1位をピンク色、2位を水色、3位を黄色、ワースト1位を赤色で表示

注2:設定来集計のためカウント回数の都合上、1月、5月〜12月は総カウント24回、2月〜4月は総カウント25回と差があります

19 月別上昇率-DHS Close上昇率 月別勝率、平均上昇率などのグラフ (2022年5月終了時点)
  • 例年4月は強いが、2022年は過去最低を更新した
  • 好調月でいえば7月が続き、次いで3月と12月も勝率が高い傾向
  • 6月は顕著に勝率も低く、平均上昇もマイナス
  • 平均がマイナスという観点では1月、2月、9月も低調な傾向(ただし、1月や2月はリーマンショック、コロナショック時の大きな下落を含む)

2022年は低調な6月過去推移を払拭するようなパフォーマンスを示すのでしょうか、注目です。

 

【参考②】株価終値ベースでの過去推移(日々、週間、月間騰落率)

前回のDIAから追加をはじめた、日々、週間、月間にわけて騰落率の推移を、今回も掲載してみます。

(週間と月間は集計も実施)

 

DHS設定以降の株価と日々騰落率の推移(〜2022年5月31日)

こちらは設定来株価推移に、日々の騰落率(前日終値と当日終値の差から算出)を追加したグラフです。

20 DHS設定以降の株価と日々騰落率の推移(2022年5月31日終了時点)

設定後、リーマンショックで下落、当時の高値約$62を更新したのは2014年12月でした。

その後もアップダウンしながら、長期では右肩上がりの成長を遂げています。

 

2021年 日々騰落率の推移

2021年に限定した「日々騰落率」(前日終値と当日終値の差から算出)を月別に表示した参考グラフです。

21-1 2021年の年間株価推移と月別騰落率推移グラフ

2021年は日々騰落率±2%程度で、株価も徐々に上昇しています。

 

2022年 日々騰落率の推移(〜5月31日)

こちらは2022年に限定し、5月31日までの「日々騰落率」(前日終値と当日終値の差から算出)を月別に表示した参考グラフです。

21-2 2022年の年間株価推移と月別騰落率推移グラフ(〜5月31日終了時点)

2022年は瞬間的に騰落率±2%を超える上下変動があったことが確認できますが、前述したように、2022年の軟調相場においても株価は右肩上がりの傾向を維持しています。

 

参考に2021年の推移と2022年を横並びに比較したものは下のとおりですが、2021年に引き続き、右肩上がり傾向は確認できます。

21-3 2021年と2022年の年間株価推移と月別騰落率推移グラフの比較

上下変動のボラティリティは2021年より高めですが、安定感は際立っているように見受けられます。

 

週間騰落率の推移(〜2022年6月3日)

前週末終値との差を計算したものです。

22 DHS 週単位区切りの騰落率 集計表

個人的に集計した週単位でのカウントは833回(2022年6月3日まで)です。

集計結果、0%超えは464週(55.7%)、0%下回りは365週(43.8%)でした。

これを見ると週単位でもプラス圏で終了した回数が半分以上です。

2022年の相場環境から価格変動は大きそうですが、それなりの安定感ある推移は期待できる?となるのでしょうか。

 

過去の週単位騰落率と株価の推移グラフは以下のとおりです。

23 DHS 週単位区切りの騰落率 推移グラフ

週単位で見るとリーマンショックが最大週間風速±20%程度、次いでコロナショック、と変動は大きいです。

DHSをホールドするなら、前述した(ETFreplayから引用した)パフォーマンス推移でも示したように、ボラティリティの高さは受け入れて耐え忍ぶ姿勢が必要だと考えます。

 

月間騰落率の推移(〜2022年5月)

前月末終値との差を計算したものです。

25 DHS 月間騰落率 集計表 

月単位でのカウントは191回(2022年5月まで)です。

集計結果、0%超えは118月(約62%)、0%下回りは73月(約38%)でした。

これを見ると月単位では明らかにプラス圏で終了した回数が多い結果となっていますので、長期において耐え忍べば、回復してきた実績が確認できます。

 

過去の月単位騰落率と株価の推移グラフは以下のとおりです。

26 月間騰落率 推移グラフ

月間単位の大きな下落のあと、大きなリバウンドがあることもわかります。

タイミングよく買い迎えるならよし、買えなくても耐え忍ぶことでその後のリバウンドがあることも期待できると思えば、握力強くホールドできるのかもしれません。

このあたりは投資家の胆力が試されそうです。

 

個人的な感想

現金収入を生み出すイメージの写真

過去『その後』をご紹介するシリーズをはじめて、ここまで1年程度で大きく保有ポートフォリオが変わったETFも珍しかったかなと思います。

(前回11位のエネルギーセクターが1位までジャンプアップしたり、情報技術セクターが約10%も割合を下げたりという意味でも)

 

本記事内でDHSと参考にパフォーマンスを競ったVYM、DVY、HDV、SPYDはすでに『その後』をご紹介していましたので、その当時の別記事からセクター構成変遷を再掲させていただきます。

 

【DHS(今回ご紹介)】

8 セクター構成% 比較 DHS 棒グラフ、レーダーチャート (2022年6月4日)

 

【VYM】

セクター構成% 比較 VYM 棒グラフ、レーダーチャート (2022年1月30日)

 

【DVY】

セクター構成% 比較 DVY 棒グラフ、レーダーチャート (2022年2月27日)

 

【HDV】

セクター構成% 比較 HDV 棒グラフ、レーダーチャート (2022年2月12日)

 

【SPYD】

セクター構成% 比較 SPYD 棒グラフ、レーダーチャート (2022年2月13日)

 

今回ご紹介したDHSを含め、現相場環境で好成績を残しているのは、ほぼセクターなどを変更していないVYMではなく、その他ETFたちでした。

大きな転換点に居合わせたことのなかったわたしは、今の相場を非常に興味深く見ています。

 

個人的にはETF独自の構成(攻勢)が、パフォーマンスに好影響を与えた非常に興味深い、いい例のように見受けられました。

異なる思想に基づき運用されている各ETFの、様々な設計思想を反映したポートフォリオの組み換えと、それに伴う相場環境のセクターローテーションなどを踏まえたパフォーマンス推移というのは非常に興味深いことがDHS(その他DVY、HDV、SPYDなども含め)のパフォーマンス推移からも伺いしれます。

 

2022年突入した軟調相場においても、いまなお右肩あがりの傾向が確認できる、注目できるパフォーマンス推移を示していることもあり、DHSには今後も注目しています。

 

DHSは配当利回りなどで加重されるため、時価総額で加重されたような割高銘柄を多く含んだ銘柄への投資を避けられる(割安な銘柄に投資が可能となる)といった特徴を有するETFとして、VYMとはまた異なる結果となるのも納得です。

そのような点からも引き続きどのような推移を示すのか注目です。

 

個人的にはたくさんのETFを保有するつもりはありませんので、DHSを購入することは考えていませんが、興味深いETFとしてこれからもウォッチしていこうと思います。

 

それではまたっ!!