こんにちは、おーです!
本日は米国ETFの世界に分散が可能なiシェアーズ MSCI ACWI ETF【ACWI】 について、ざっくりご紹介させていただきます。
2021/12/26追記:2021年12月分の分配金実績を反映
2021/9/4追記:長期比較しているETF同士の年間トータルリターン状況を掲載
【ACWI】 iシェアーズ MSCI ACWI ETF のご紹介!
【ACWI】 iシェアーズ MSCI ACWI ETFとは
ACWIは2008年に設定、アメリカに上場された、運用開始から12年程度が経過したETFです。
ティッカーシンボル | ACWI |
名称 | iShares MSCI ACWI ETF (iシェアーズ MSCI ACWI ETF) |
ベンチマーク | MSCI All Country World Index (MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス) |
設定日 | 2008/3/26 |
ETF純資産総額 | 約1.6兆円 注1 |
取引所 | NASDAQ |
投資地域 | 全世界 |
投資銘柄数 | 2,239 注2 |
経費率(年率) | 0.31% |
ETF売買ランキング | 第57位 注1 |
算出方法 | 時価総額加重平均 |
分配金など | 分配金あり、年2回(6/12月) |
運用会社 | ブラックロック |
注1:2021年1月末時点、マイインデックス(myINDEX)より引用
注2:銘柄数はiシェアーズホームページ(iシェアーズ MSCI ACWI ETF)から引用(2021年2月26日時点)
連動指数MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスとは
モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル・インク(MSCI Inc)により開発された指数で、先進国および新興国の大型および中型株式で構成される指数と同等の投資成果を目指して運用されています。
・MSCIが算出するインデックスは、大型株・中型株のみが対象となり、小型株は対象外
・投資対象国の時価総額の85%をカバー
・先進国23カ国、新興国27カ国(計50カ国)へ投資している
(若干古いですが比較元として2017年当時のMSCI指数ハンドブックと、最新のMSCIホームページを比べてみたところアルゼンチン、サウジアラビア、クウェート、パキスタンがフロンティア市場から新興国市場に変更、組み込まれていました。新興国23→27カ国)
・MSCIでは韓国、ポーランドを新興国株式に分類していました(VTでは先進国に分類)。
引用元(外部リンク):MSCI 指数ハンドブック(2017年2月) ←比較元として利用
引用元(外部リンク):MSCI ACWI Index – MSCI
チャート
ACWIの日足チャートです、記事作成時の株価は$94.64(2021年3月1日終値)です。
トータル・リターン
トータル・リターンはiシェアーズホームページ(iシェアーズ MSCI ACWI ETF)から引用(データは2021年1月31日現在)
トータル・リターン 年率(単位%)
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
トータル・リターン | 17.18 | 8.07 | 13.77 | 9.08 | 6.86 |
インデックス | 17.02 | 7.90 | 13.56 | 8.91 | 6.68 |
トータル・リターン:税引前分配金を再投資したものとして算出した累積投資基準価額により計算
インデックス:MSCI ACWI Index
(参考)他ETFとのパフォーマンス比較
全世界投資はすでにご紹介したバンガードのVTと設定日が近いため、そちらの比較結果をこちらにも掲載します(VTの設定日2008年6月24日を起点とした比較)。
ACWI(設定日2008年3月26日)、VT(設定日2008年6月24日)

結果としては類似ETFのVTよりリターンは劣後していますが、小型株を含むかどうかの差もあるのでしょうか。
ボラティリティーはACWIのほうが低めですが、ドローダウンはVTより若干大きめな傾向にあるようです。
下のグラフは上記で長期比較しているETF同士の年間トータルリターン推移の状況をまとめたものです。
注:2021年は年途中(掲載2021年9月4日)であることにご注意ください。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
VT,ACWI年間トータルリターン 2009-2020年

この推移を見る限り、遜色はないように見受けられます。
VTの記事でも記載しましたが、市場をどの程度まで網羅していることを好むのか、投資家の好みによる使い分けになるのではないかと個人的には思います。
保有銘柄、セクター構成
保有銘柄とセクター構成のいずれもデータは2021年2月25日時点の情報を掲載しております。
ACWIの保有銘柄 上位20社と保有割合(円グラフ:%)
世界に分散しているACWIの構成トップ20銘柄です。
上位20銘柄が占める割合は約20.7%(上位10位≒14.7%、11位~20位≒8.0%)となっています。


注:ブラックロックのホームページ上、構成銘柄は2,239とありましたが、リストをすべてカウントすると2,331でした(現金等の保有もリストに入ってカウントしているため)、リストですべてカウントした数をもとに記載していますので円グラフ上はトップ20を除いた他を2,311としていますので、ご了承をお願いします。
ACWIのセクター構成割合(円グラフ:%)
セクター分類は、上位2セクターで約36.1%(3位の一般消費財まで入れると約48.8%)のシェアとなっています。


ACWIの地域別投資割合(円グラフ:%)
世界の地域別投資割合を掲載しています。
米国のシェアは57.27%とVTよりは高めになっています(ただしVTの米国保有割合56.6%は2021/1/31時点のデータ)。


分配金の推移、増配率の推移
これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。
表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。
確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。
ACWI運用開始以降の分配金推移(一覧表)
ACWIは6/12月に分配金を受け取ることができます。
設定以降の定例(半期)の分配金を一覧表にしたものは以下のとおりです。
注:定例と位置づけられない(不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

VTと同様、2020年はコロナショックによる世界経済への大打撃がありましたので、分配金も大きく減配されています。
ACWI運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)
株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。

ACWI運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)
1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

ACWI運用開始以降の株価と分配利回りの推移
2021/3/23日現在(2021/3/22終値$95.21)と直近4回の分配実績から算出した結果は1.37%程度です。
注1:目安程度にお考えください。
注2:この分配金利回りは紹介記事作成時点の内容です。最新の参考目安については、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年」の欄に掲載しています。

ACWI運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、10年、トータル)
増配率を計算した結果、以下のようになりました。
注1:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。
注2:定例と位置づけられない(不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。
(以下のグラフは弊ブログ独自の集計により算出した上側の増配率表をもとに作成しています。視認性を高めるため、初期の桁外れな値は枠外表示としていることがあります)
分配金年合計($)と1年増配率(%)

分配金年合計($)と3年増配率(%)

分配金年合計($)と5年増配率(%)

分配金年合計($)と10年増配率(%)

増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年 (2021年12月分配金後)
2021年と2020年を比較した増配率(%)と、各年の分配金実績を以下に掲載しています。
また、直近株価($)と分配金利回り(%)も参考に掲載しています。
注:とくに分配利回りは、ご自身で他サイトなどを含めて改めてご確認ください(あくまで参考目安程度にお考えください)

個人的な感想

MSCI ACWI インデックスは人気の高いeMAXIS Slim全世界株式でも利用されているようですので、馴染みが深い指数だと思います。
正直わたしは全世界はVT以外にあまり興味がなかったので、今回ETFを調べてみるまでほとんど認知していませんでしたが、経費率0.31%と思ったほど安くない点なども意外でした。
(バンガードが安すぎるのかもしれませんが)
そう考えると、個人的には投資信託のeMAXIS Slim全世界株式で保有したほうが、分配金も効率的に再投資ができるでしょうし、あえてACWIで(ETFとして)保有しなくてもいいかなと思ってしまいました。
(投資信託としてコストも抑えた優秀な商品、eMAXIS Slim全世界株式が発売されたのがここ最近ですので、これから投資するならという意味です)
いずれにしてもこの指数に連動する商品を購入することで、全世界の小型株を除く大部分をまるっと保有できます。
個人的には小型株も含むVT選好ですので、わたしは楽天VTを買っていきますし、今のところ購入は考えていませんが、今後大きくパフォーマンスに差がつくことがあれば検討するかもしれません。
投資家の好みで選択できるのは非常にいいことで、恵まれた環境だとあらためて感じるところです。
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!