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【感想】”学校では教えてくれないお金の授業”のご紹介

【感想】学校では教えてくれないお金の授業

こんにちは、おーです!

本日は「学校では教えてくれないお金の授業 正しいお金の貯め方・増やし方」という本をご紹介させていただきます。

 

著者のご紹介

著者は山崎 元(やまざき はじめ)さんです。

山崎さんは経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員など識者かつお金の運用などに関するプロであり超有名なかたです。

今回は題名にありますように、学校では教えてくれないけど生涯を通じて付き合っていくお金という存在について、さまざまな角度から分かりやすく解説されています。

発行は2014年4月ですので、NISA初期に書かれていた本ですので、つみたてNISAなどは出てきませんが、お金に対する考え方は今も昔も揺らぐことのないところです。

 

無料でも読めます

わたしはKindle Unlimitedで読みました。

Kindle Unlimitedをご利用のかたは無料でも読めます(2020年10月31日現在)。

 

”学校では教えてくれないお金の授業”のご紹介

学びの多い本ですので記事に書くことはたくさんあるのですが、ありすぎて困るので、参考になった部分などを抜粋してご紹介させていただきます。

なお、本書は授業形式として以下の時間割に分類し学ぶことができます。

1限目:お金との付き合い方

2限目:収入と支出のバランス感覚を身につける

3限目:銀行や証券会社とどう付き合うか?

4限目:損得は「利回り」で判断しよう

5限目:大きな買い物の前に考えておくべきこと

6限目:初心者のための投資の基本と考え方

7限目:株式投資でお金をふやす

8限目:投資信託でお金をふやす

9限目:資産運用はトータルで考える

10限目:経済の変動パターンとお金の運用

おー
おー
まさにお金の網羅的な知識という時間割ですね、お金という概念を認識することから始まる、基礎として学ぶのにうってつけだと思います。

 

お金とは信用である

本書で「お金=信用」であるとも説明されていました。

この概念は非常に重要だと思います。

 

当たり前に存在しすぎて普段、何気なく扱っているお金というものに対して、一番根底となる考え方を認識しておくことは、大前提として子供のときから親御さんが教えておいたほうがいい内容だと思います。

わたしたちが普段クレジットカードを作ったり使ったり、ローンを組んでなにか大きなものを購入したりすることができるのも「きちんと返済してくれる信用があるから」と言えます。

クレジットカードの支払いや携帯電話料金の支払いなど「1回くらい滞納してもいいや」と甘くみないほうがいいです。

滞納させてしまうと「信用できない人」と評価されてしまいかねないので注意が必要です。

 

おー
おー
「お金=信用」だから、お金に対してルーズな人は信用してもらいにくいですよね。お金をルーズに扱うと社会的な信用のみならず、友情を壊すキッカケにもなりえます。場合によっては人生を壊すキッカケにもなりえます。

 

お金の話題を避けないほうがいい

日本人はお金の話題を「タブー」にとらえる傾向にありますが、お金のことを学ばない(=お金と向き合わない)ということは、決していいことではありません。

本来は必要であるはずの知識がないということは、お金について無防備な状態で世界のひとたちと生活することになるからです。

お金に対して無知や無防備では自分だけでなく周りの人を巻き込んで傷つけてしまうこともあると警鐘されています。

 

このように認識するのであれば自分や大切な人を守るためにも「お金」を学ぶことは重要であると思えないでしょうか。

 

たとえばこのようなことも考えられます。

無知がゆえに本来はチャンス!というタイミングを認識することもできず、知識のある他人がチャンスを享受することになる(かも)

無知が災いし無防備であるがゆえに騙されやすくなる(かも)

 

知らないということはときに幸せなこともあるかもしれませんが、お金に関しての知らないということは自分のみならず、周りをも巻き込んで人生を狂わせてしまう可能性もあるということを認識しておく必要があります。

 

おー
おー
個人的に学校の授業はほどほどでもいいと思いますが、お金に関することは子供時代から何度も繰り返し教えておくほうがいい内容だと思っています。

 

買う側にとって「買いたい」商品が、売る側にとって「売りたい」商品とは限らないと認識する

たとえば銀行などの窓口で勧誘される商品があるとします。

その商品を「お客様が心から希望していて」「銀行などの販売者もお客様のために心からオススメしていて」、購入するのであればお互い得となる(ウィンウィン)でしょう。

ですが、なんとなく窓口に近づいたらオススメと言われたから購入してしまったという場合はどうでしょうか。

 

銀行などの売る側はなぜその商品を売りたいのか?

売りたい商品は100%お客様(わたしたち)のためを思って販売しているのか?

といった観点でみると、少し見方もかわるのではないでしょうか。

 

こちらの買いたい商品は「安くて良質な商品」です。

相手の売りたい商品は「手数料などが高くて”売る側に”利益が多い商品」である可能性もあります。

利益が取れるからオススメしている、ということもよくあると思います。

 

このような認識をもって「損をする可能性を下げる」お金に対する知識を身につけることで、本来買いたくない商品を買わされてしまうことも防げるのではないでしょうか。

 

おー
おー
本書のなかでも銀行員などとは顔をあわせないほうがいい、ネット証券を活用しようとオススメしています。上記のような認識をもっておくとその意味がわかるのではないでしょうか。

 

将来の価値を現在の価値に換算して考える

あなたは以下のどちらか好きな方を選んでいいと言われたら、どちらを選びますか?

①いま100万円もらえる

②1年後に100万円もらえる

と問われたらどう答えるでしょうか。

なぜその答えを選択したかと問われたらどう答えますか?

 

金融の世界では”現在手元にあるお金”と、”将来手に入れるお金”は『同じ金額でも価値が違う』ということが本書で説明されています。

「①いま100万円もらえる(=持っている)」なら、そのお金を金利1%であずけるとすれば、1年後にもらえるお金は101万円(税金は簡略化のため無視)

ということは、

「①いま100万円もらえる(=持っている)>②1年後100万円もらえる」

=同じ100万円でも手元にあり増やせる可能性のある①100万円は価値が高い

 

逆にいうと

金利を1%と仮定した場合、1年後の101万円は現在の100万円と同じ価値といえる

このような考え方を将来価値である101万円の「割引現在価値」(想定する利率などを「割引率」)という

 

上記のような考え方で5年後の100万円を現在の価値に換算するとどうなるでしょうか。

割引率を5%と仮定して5年後の100万円を現在価値で考えると、

現在価値=100万円÷(1+金利0.05)の5乗 ←5乗部分は年数

⇒現在価値に換算すると『783,526円』

このような知識は株式などの資産価格を評価する基本となる考え方ということですし、学ばないと知ることもできない知識です。

 

おー
おー
お金の価値は「いまと将来で違う」という概念、知っているだけでも違うと思いますし、色々な考え方につながっていくと思います。

 

保険加入はまず「ほんとうに必要か」から考える

日本人は保険好きです。

キツく聞こえるかもしれませんが、いいかえると「備え方をしらずただ不安だからと、安心をお金で買っている」ともいえるのではないでしょうか。

 

日本は国民皆保険制度ですので、医療に対しては高額療養費制度があったり、不慮の事故などで大黒柱が他界された場合は遺族支援などの補償制度もあります。

これらの制度があれば必ずしも万全、それさえあればOKというほどの補償額にならないことはあるかもしれません。

 

ただ、そういった国の公的支援も知らず「なぜ保険をかけるのか」、「補償がどの程度あるから、不足額はいくら考えればいいのか」といった基礎的な知識もなく保険に入っておけば安心と盲信しているのであれば注意が必要です。

「知らないがために、とりあえず安心できそうだからと割高なお金を不必要に払い続けている」といった人もいるのではないでしょうか。

 

本来保険を検討するスタートは、

「どんな保険を買えばいいのか?」

から始めるのではなく、

「なぜ保険が必要か?」

⇒「ほんとうにその保険に入る必要があるのか?」

⇒「どんな保険を買えばいいのか?」

という流れで学びを深めつつ検討するほうが妥当ではないでしょうか。

 

人生でイチニを争う高いお金を払うことになるかもしれない保険

「負の宝くじ」ともいわれる保険

保険会社の利益となる手数料などを知らされないまま加入し高いお金を払い続ける保険

 

学ばずに「安心をお金で買う=高いお金を払い続ける」のは個人の自由ですが、このようなことも含め、教えていただける本書は学びになると思います。

おー
おー
知識をもつことはそれだけでお金を大切に扱うことにもつながるのではないでしょうか。

 

投資を味方につけると人生の視点も大きく変わる

投資は日本人には毛嫌いされるキーワードだと思います。

本書でお金を知り、守ることを学んだとすれば、最後はお金を殖やすことを検討することも大切です。

こういった気付きも本書で学べます。

 

投資を「味方につけるか」「嫌悪して終わるか」で将来はガラッと変わっていきます。

投資でえられるものはお金以外にもさまざまなものがあり、ひいては人生の豊かさや精神的にも影響してくることが考えられます。

おー
おー
これは投資を実践した人にしか分からない感覚ですが真実です。嫌悪で自身の選択肢を狭めてしまうのはもったいないとも感じます。

 

投資でお金も働かせることで、自身とお金の2つの収入源から収益が生まれる仕組みを作ることの重要性、その行為自体がお金を適切に大切に扱っているとも言えるのではないかと本書では述べられています。

おー
おー
お金を知り、守ることを学んだあとの集大成がお金を使うことだとすれば「よりよいお金のサイクルを作ること」を考えることは、お金を大切に扱っていると言えるのではないでしょうか。

 

ここでの記載は割愛しますが、投資や年金なども網羅されています。

リスクとは

経済のサイクルとは(山崎式経済時計)

バブルとは  etc

という、投資における重要な基礎、考え方を本書では学ぶこともできます。

おー
おー
この部分はぜひ、ご自身で学び理解を深められたほうがいいと思います。

 

感想 いろいろな角度からお金について学べます

日本人はお金に関して学校でも家庭でも学ぶ機会が少ないため、自分から情報を取りに行くしか勉強する方法がない現状です。

これからの日本を取り巻く諸課題に対して、各個人が無頓着ではいられない状況にきていると思います。

とくに「お金は信用」、「お金で新たなお金を稼ぐこともできる」、「お金は備え」、「お金はなにかと便利に交換できる手段」など、子供のときから学んでおけば将来きっと役に立つ知識が豊富に書かれています。

 

お金ばかりに固執してストレスを感じても人生豊かではないでしょうが、でもお金は大切です。

この相反する感情とうまく折り合いをつけ、お金と上手に付き合い、向き合っていくために、まずお金とはどのような存在かを知ることが必要だと感じます。

 

学ぶ本は多くありますが、お金を扱うプロの視点から「とくに日本人が身近に感じがちな保険」や「資産運用」などを含め、人生におけるお金というものを網羅的に捉えてありますので、考え方を整理するのに学び深い一冊だと感じました。

 

不安を煽るような話題が先行しがちですが、「自分と家族の身は自分で守る」という気持ちで、このような学びを深めていくことは、生涯を通じて利用することのできる自分への投資、自分と家族を一生守ってくれるかけがえのない資産とも言えるのではないでしょうか。

 

まだまだコロナの懸念がくすぶり、お家で過ごす時間が長くなることも懸念されます。

これから冬に向けて温かいお家時間に無料(Kindle Unlimitedを利用していればの話)で、このような知識を学ぶのも一案ではないでしょうか。

 

 

この記事がなにかの参考になれば幸いです。

それではまたっ!!

 

 

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