こんにちは、おーです!
先週以前から相場が軟調に推移していましたが、そんな中(日本は3連休の最終日だった20日の月曜日)、中国最大手の不動産会社、中国恒大集団の破綻懸念から、市場が大きく下がりました。
買い場到来か?とも考えていましたが、(現時点では)そこまで影響なく、またFOMCでも特に波乱もなく、週末に向けて少し上昇して終了しました。
まだ完全に懸念が払拭されたわけではないのでしょうが、今後の動向に注目もしつつ、過去にご紹介したETFの週間動向をざっくり確認しておきたいと思います。
自分への(初心者なりの)備忘録も兼ねて、過去にご紹介した主要ETFなどの動向を、1週間程度のスパンで観察する取り組みを少し試行してみたいと思います(第三弾)。
注1:5日間表示にしている関係上、チャートは5分足で表示しています(ETFによっては値が飛んでいることもあります)
注2:今回表示している期間は概ね、日本時間2021年9月20日〜2021年9月25日(市場開催時間22:30〜翌日5:00のイメージ)の期間となります(ドル円などは除く)
対象としたETFなど(グループにして5日間の変動率を比較掲載)
- 米国主要インデックス:DIA,VTI,SPLG,QQQ
- 全世界インデックス:VT,ACWI(比較用VTI)
- 連続増配:NOBL,VIG,SDY,VIGI
- クオリティ:SCHD,DGRW,DGRO,SPHQ
- 高配当:VYM,HDV,SPYD,DVY,DHS,SPHD,VYMI
- セクターETF:参考にSSGAの米国11セクター
- 新興国:VWO,SPEM(比較用VTI,VT)
- 特徴的なETF:MOAT,IOO
- 異なる資産の変動状況を参考掲載:IAU,BND,BNDX,TLT,VTI,VXUS
その他参考(5日間の推移を表示)
- ドル円
- 米国10年債
- VIX
注1:ETFのざっくりとした分類は、あくまで弊ブログ独自のまとめ方です。
紹介した主要ETFなどの動向(2021年9月20日〜9月24日)
①米国主要インデックス:DIA,VTI,SPLG,QQQ

大きく上昇しているようにも見えてしまいますが、相場は週明け、寄り付きから大きく価格は下落していましたので、その時点からの価格推移となります。
ということで今週は全般的にどのETFも『上昇したというより値を戻しつつある』、というイメージです。
例えばVTIは20日に久しぶりに100日移動平均線を下回りましたが、同日すぐに回復し、現在は50日移動平均線の周囲に推移しています。
現時点で中国恒大集団の懸念はそこまで米国市場に影響を及ぼさないと考えられているのかもしれません。
場合によってはまた調整があってもおかしくないでしょうし、今後の動向を注目していきたいと思います。
②全世界インデックス:VT,ACWI(比較用VTI)

VTIより全世界(VT、ACWI)の方が上昇して1週間が終了していました。
中国懸念で、どちらかというとVTの方が上昇率は低そうに考えていましたが、個人的には意外に思いました。
ただし、懸念は完全に払拭されていないと思いますので、こちらも今後の動向次第で大きく変動しそうです。
③連続増配:NOBL,VIG,SDY,VIGI

連続増配系ETFも上昇してはいますが、9月上旬から見ればまだ値を一部戻している程度です。
ただ、9月はそれぞれ分配金が出されましたが、VIGとSDYはそれぞれ2ケタの大幅増配でしたので、こういった点も下落してもホールドの支えになりそうです。
④クオリティ:SCHD,DGRW,DGRO,SPHQ

9月上旬以降、SCHD、DGRW、DGROは似たりよったりの推移をしていますが、SPHQのみ特徴的な動きをしています。
たった短期間の比較ではありますが、SPHQの特化するクオリティ特性が現時点では他の類似ETFより特徴的とも思えますし、今後も注目していきたいと思います。
(下がるときは同じように下落するとは思いますが、下げ方や回復程度には特徴がありそうです)
⑤高配当:VYM,HDV,SPYD,DVY,DHS,SPHD,VYMI

こちらも週間では上昇していますが、9月上旬からみればまだマイナス推移です。
米国以外のVYMIも思った以上に善戦しているといった個人的感想を持っているのと、VYMIは9月分配金の増配率も高く、今後も注目していきたいと思いました。
⑥セクターETF:参考にSSGAの米国11セクター

こちらは参考に米国の全セクターを表示するため、ステート・ストリートのETFから引用しています(バンガードは不動産セクターがないため)。
今週もエネルギー(XLE)が上昇トップです。
XLF(金融)も長期金利上昇を受けたと思われる、終盤顕著な上昇も確認できます。
9月上旬〜で見ると、エネルギーが約4.5%上昇、プラス圏はあとはXLY(一般消費財)のみです。
とくにエネルギーは、これから北半球の暖房需要増といった影響が私達にも関係してきますし、注目していきたいと思います。
【参考:ステート・ストリートのセクターETF】
XLK | 情報技術 |
---|---|
XLY | 一般消費財 |
XLV | ヘルスケア |
XLP | 生活必需品 |
XLB | 素材 |
XLU | 公益 |
XLI | 資本材 |
XLC | コミュニケーションサービス |
XLRE | 不動産 |
XLF | 金融 |
XLE | エネルギー |
⑦新興国:VWO,SPEM(比較用VTI,VT)

新興国ETFはもっと下がっているかと思いましたが、思った以上に週間では回復しているように見えますが、9月上旬頃から見るとまだSPEM約2.5%、VWO約3.5%程度は下落しています。
中国の保有割合がVWOの方が多いことなども一因で影響しているのかもしれませんが、今後の動向に注目です。
⑧特徴的なETF:MOAT,IOO

MOAT、IOOともに市場平均のVTI約1.8%やVT約2.0%よりは下げが大きかったようです。
9月は全体的に市場平均のVTIより低めに推移しているように見受けられます。
⑨異なる資産の変動状況を参考掲載:IAU,BND,BNDX,TLT,VTI,VXUS

これは異なる資産(株式、債券、ゴールド)がどのように動いているかを、参考に比較しているものです。
今週はボラティリティが高かったので、推移が今までよりはわかりやすい傾向を示していると言えるかもしれません。
株式市場の下落時に債券系ETFが逆方向に動きやすい、ゴールドも特徴的な動きをしているとも捉えられます。
週末に向けて債券ETFが値下がりしているのは長期金利上昇の影響もあるのでしょうし、株式市場の動向だけではなく、長期金利や為替といった複数の要因が絡むので一概には言えないのでしょうが、今後も参考にしていきたいと思います。
こうやってみると債券系ETFの中でもBNDはマイルド、TLTはアグレッシブな動きをしていることがよくわかります。
用途に応じた使い分けなどにも活用していきたいと思います。
その他参考(ドル円、米国10年債、VIX)
ドル円

為替は先週までの横ばいから、円安ドル高方向に推移しつつあるようです。
来週以降の動きにも注目です。
米国10年債

長期金利が一気に動き始めた?ような印象も受けます。
先週までのレンジ相場を一気に突き抜けたようですし、来週の動きも注目です。
VIX

VIXは20日市場開始後、約25.5%程度まで上昇して始まり、その後約28.7%まで上がりましたが、週末にかけて段階的に下がっていく、大きな変動でした。

今週は中国関連の話題に左右されたと感じる1週間でしたが、FOMCでもテーパリングの開始も示唆されました。
米国市場は堅調という見解もあるようですが、中国の問題はまだ懸念が完全に払拭されたわけでもないでしょうし、すでに不動産以外の分野でも給料不払いなどの問題もあるようです。
別の話題では暗号通貨の取引を中国が全面的に禁止するといったような情報もあるようですので、このような話題がどのように水をさす可能性があるのでしょうか(もしくはないのかもしれません)。
(外部リンク)世界のインフレ急進が経済への目先のリスク-OECD最新見通し(2021/9/21 Bloomberg)
(外部リンク)FRB議長、テーパリング11月開始の可能性指摘-22年半ば完了も(2021/9/23 Bloomberg)
(外部リンク)中国恒大EV部門、給料を一部支払い停止-債務危機が他事業に波及(2021/9/23 Bloomberg)
(外部リンク)ビットコインやイーサ急落、中国が仮想通貨全面禁止の方針(2021/9/24 Bloomberg)
(外部リンク)【米国市況】株続伸、経済成長への楽観広がる-国債利回り急上昇(2021/9/24 Bloomberg)
(外部リンク)米国株と債券利回り巡る謎に解決の兆し-経済成長への自信示唆(2021/9/24 Bloomberg)
これからさらに混沌としていきそうな気もしますが、10月もまだ不安定かもしれませんし、動向に注目していきたいと思います。
有益な情報はありませんが、しばらく備忘録も兼ねて続けて見ようと思います(先週の記事は以下)。
紹介した主要ETFなどの変動状況(2021年9月13日〜9月17日)