こんにちは、おーです!
2021年にご紹介していたETFの”その後”をご紹介しているシリーズですが、今回は過去2021年2月に第8弾としてご紹介したDVYです。
初期の記事は「【DVY】iシェアーズ好配当株式ETFのご紹介!」をご覧ください。
ファンド概要や変更のなさそうな部分などの細かな点は割愛しますが、2021年実績を踏まえ、一部データを簡単に更新しておきます。
【2022年3月3日追記】分配金年合計と増配率推移グラフに、比較単位スパンでの差額推移を追記してみました
【更新】DVY(iシェアーズ好配当株式ETF)2021年実績など
DVYとは
ブラックロックが2003年に設定した、18年が経過した歴史の長いETFです。
Dow Jones社(ダウ・ジョーンズ社)のインデックスで、米国株式のうち配当利回りの高い約100銘柄で構成されています。
- REATは除外
- 1株当たり配当金が5年間の平均配当金以上であること
- 5年間の平均配当性向が167%以上であること
- 過去5年間の配当金支払い実績
- 12ヶ月間の1株当たり利益(EPS)がマイナスではないこと
などを考慮して銘柄が選定されているようです。
昨年ご紹介時、経費率は0.39%とご紹介していましたが、今回確認したところ0.38%となっていました(経費率が下がったのではないかと思われますが、初期の記載ミスでしたら申し訳ありません)。
経費率がドンドン低下していければ、更に注目なども高まるかもしれませんので、今後も確認していきたいと思います。
チャート
ご紹介記事作成(2021年2月中旬頃の時点)株価は約$103程度でした。
その後、2021年は値上がりを続けていました。
直近2022年に突入後の軟調相場でも、市場平均などと比較すると底堅く推移している傾向にあります。
本記事作成時点(2022年2月27日)は、高値約$127からほぼ下げておらず、約$123.8程度と下落幅は小さめ、現状においては底堅い動きをしている印象です。
トータル・リターン
データはいずれも2022/1/31時点のデータです。
トータル・リターン 年率(単位%)
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
トータル・リターン | 32.46 | 13.34 | 10.54 | 12.54 | 8.83 |
インデックス | 33.06 | 13.78 | 10.97 | 12.96 | 9.39 |
設定来でならしてみると約8.8%/年の成長が確認できます。
トータル・リターン 累積(単位%)
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
トータル・リターン | 32.46 | 45.58 | 65.02 | 225.76 | 368.70 |
インデックス | 33.06 | 47.30 | 68.31 | 238.31 | 414.25 |
昨年(初期ご紹介時)の1年リターンは約-2.6%(2021/1/31時点)でしたが、直近1年の値は32.46%と大きく改善しています。
(同じく、設定来の年率リターンは7.6%から8.83%へ大きく改善)
2021年のリターン上昇を受け、全般的に数値が上昇していることが確認できます。
こちらのETFも引き続き、2022年は注目度が高そうです。
(参考)市場平均S&P500(IVV)との参考比較 DVY設定来
DVYは設定が2003年と古く、同時期から類似高配当ETFとしての比較できるETFが思いつかなかったため、市場平均のIVVと参考に比較しています。
(ETFreplayから引用)
(DVY設定日起点2003年11月3日〜2022年2月25日)。

トータルリターン | IVV(490.5%) > DVY(367.5%) |
---|---|
ボラティリティ | DVY(19.4%) > IVV(18.8%) |
ドローダウン | DVY(-62.6%) > IVV(-55.2%) |
昨年ご紹介時点でのトータルリターン推移が、DVY+277.4%、IVV+419.1%でした。
今回の値との差はDVY+90.1%、IVV+71.4%ですので、2021年のDVYリターンが、高かったことがわかります。
下のグラフは上記で長期比較しているETF同士を別のサイトで改めて比較してみた推移グラフです。VOOは除きます。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
着色:DVY、IVV 2004年〜2022年1月の比較

もともと趣のことなるETF同士ですので、あくまで参考ですが、DVY設定後の2004年以降、年平均DVY8.5%、IVV10.2%でした。
年間リターンでも比較しておきます。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
着色:DVY、IVV 2004年〜2022年1月の比較

直近、2022年の現状はDVYがアウトパフォームしているのは注目です。
年初来の推移は次に参考紹介しています。
(参考)市場平均S&P500(IVV)+高配当ETF(VYM,HDV,SPYD)との参考比較 2022年の年初来
ごく短期ではありますが、2022年の年初来に対しIVVに加え、他の高配当ETF(VYM、HDV、SPYD)も含めて確認した結果です。
(ETFreplayから引用)

2022年の年初来推移でみると、高配当ETFが市場平均のS&P500をアウトパフォームしています。
同時期のDVYは、HDVとSPYDにはアンダーパフォームしていますが、VYM(平均点のイメージが強い)にはアウトパフォームしていることも確認できます。
2022年の注目度が高いことが伺えます。
ここ1年程度、DVYはIVVを上回るパフォーマンスを示しているのも確認できます。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)

保有銘柄、セクター構成
基本的には過去ご紹介記事との比較形式で掲載しています。
DVYは紹介以降、比較記事などを作っていませんでしたので、2021年2月紹介時との比較をさせていただきました。
左(2022年2月時点)、右(2021年2月時点)を併記する形式としています。
注1:2022年2月時点データは2022年2月24日時点のブラックロックHP情報より
注2:2021年2月時点データは2021年2月11日時点の情報
DVYの保有銘柄 上位20銘柄
上位20銘柄が占める割合は以下のとおりです。
2022年2月時点:約33.7%(上位10位≒19.5%、11位~20位≒14.2%)
2021年2月時点:約37.6%(上位10位≒21.0%、11位~20位≒16.6%)

上位20銘柄に限っての比較ですが、以下のような変動がありました。
前回比較からの新規追加銘柄 | PFE、FE、VLO、IBM、EIX、IPG、CMA、ETR、NEM、PFG |
---|---|
前回比較からの除外銘柄 | VIAC、WFC、RF |
ランクアップ銘柄(※) | CVX |
ランクダウン銘柄(※) | LYB、FITB、IP、HPQ、MET、KEY、CFG、TFC |
※:20位より下位からのランクアップ、20位以上からのランクダウンを示す
1年前、保有割合1位だったVIACなどの除外といったこともあり、それなりの変動があったことが伺えます。
【参考】DVYの保有銘柄 上位20銘柄が占めるセクター割合
こちらは弊ブログ独自集計で、上位20銘柄がどのようなセクターに属するか、参考に集計してみたものです。
注:のちほどご紹介するセクター分類や保有割合とは異なる可能性がありますので、あくまで弊ブログ独自の参考集計である点にご理解ください。

上位20銘柄のセクター構成に限って確認した結果、
- 減少:金融約-10%、素材約-2.7%、通信サービス約-1.1%
- 増加:公益事業約+4.6%、エネルギー約+4%、ヘルスケア約+1.8%
が大きめの変動に見受けられます。
DVYの銘柄保有割合(円グラフ:%)
上位20名柄の占有割合を円グラフで表示しています。
【再掲】上位20銘柄が占める割合
2022年2月時点:約33.7%(上位10位≒19.5%、11位~20位≒14.2%)
2021年2月時点:約37.6%(上位10位≒21.0%、11位~20位≒16.6%)

2022年2月時点、銘柄総数102です。
DVYの設計思想に基づき配当加重されている結果、偏ることなく(均等でもなく)ある程度、平均的に配分されているように見受けられます。
DVYのセクター構成割合(円グラフ:%)
こちらは2022年2月時点(=2022年2月24日時点からの引用)セクター割合のみを表示しています。
(こちらはブラックロックHPから引用したセクター分類による集計結果を示します)

全体の構成銘柄に対してみると、以下のような割合となっています。
- 1位公益事業約25.9%、2位金融約22.8%で、上位2セクターで約48.7%と半分程度の配分
- 3位のエネルギーまで含めると、約58.7%となる
- 上位セクターの構成も独特といった印象
余談ですが、公益事業が多いETFで考えれば、例えばSPYDも公益事業が2位と高いですが、DVYでは1位です。
ちなみにSPYDは不動産が3位に含まれますが、DVYには含まれないなどの差もあります。
このような点からもETFによる特徴の違いが現れていることが確認できます。
DVYのセクター構成割合(棒グラフ、レーダーチャート:%)
過去との比較形式で、保有銘柄の全体に対するセクター構成割合を表示したものです。
こちらはブラックロックHPから引用したセクター分類による集計結果(比較結果)を示します。

上位構成20銘柄に限って比較した際は大きく変動しているように見受けられました。
ですが、全体をみるとさほどでもない印象です。
ただし、金融(1→2位)と公益事業(2→1位)が大きな順位変動として確認できます。
あとはヘルスケアが約+2.5%と続きます。
2022年の年初来として確認した直近パフォーマンスからも、今の相場で底堅そうなセクターが多そうにも見受けられます。
2022年のパフォーマンスも注目できそうですが、どうなるでしょうか。
分配金の推移、増配率の推移
これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。
ETF設定以降の定例分配金を一覧表などにまとめていますが、定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外して集計している点にご注意ください。
(弊ブログ独自の集計である点を予めご了承お願いします)
DVY運用開始以降の分配金推移(一覧表)
DVYは3/6/9/12月に分配金を受け取ることができます。
2021年の実績を反映した過去の分配金一覧表は以下のとおりです。

HDVやSPYDなどの特徴的な高配当ETFは2021年減配で着地しましたが、DVYは増配して着地しました。
この点は評価してよいのではないかと考えます。
年間で約$3.8の分配金を受け取ることができるのも魅力に感じる方もいるでしょう。
【参考】2021年vs2020年 分配金推移の比較
直近1年(2021年)の四半期分配金を、その前年(2020年)と比較してみた結果です。
(オレンジが増配率)

DVYの2021年増配率は約+8.6%となりました。
2021年は、年間を通じて各四半期でマイナスを記録したことはなく、安定した推移でした。
株価も底堅そうに推移している現状などを考えると、2022年も引き続き、期待できるのではないかと個人的には考えていますが、果たしてどうでしょうか。
DVY運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)
株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。

リーマンショック頃に大きな凹みはありますが、その後着実に右肩上がりを取り戻し、成長を続けています。
DVY運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)
1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

コロナショックのあった2020年に若干の減配はありましたが、概ね堅調な右肩上がりといえそうです。
DVY運用開始以降の株価と分配利回りの推移
2022/2/27日時点(2022/2/25終値$123.81)と直近4回の分配実績から算出した結果は3.09%程度です。
注1:目安程度にお考えください。
注2:この分配金利回りは今回の記事更新(2021年データ更新時)の内容です。2022年以降、最新の参考目安や分配金実績については、毎回の分配金が出た後に別途記事を作成していこうと考えます。

分配利回りとしては、概ね約3%程度をキープしている印象です。
株価値下がり時に購入できれば、より高い利回りで購入は可能ですが、時期を待つ忍耐と、購入する胆力が必要です。
DVY運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、10年)
2021年分配金実績反映後の増配率を計算した結果、以下のようになりました。
注:弊ブログ独自の分配金実績集計に基づいて、私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。

2010年以降、コロナショックまでは各年、堅実な増配基調でしたが、残念ながら2020年は減配となりました。
それでも2021年は復調、増配で着地していますし、改めて2022年からの推移にも期待したいところです。
分配金年合計($)と1年増配率(%)
2021年分配金実績を踏まえ、参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフ(更新版)を下に掲載しておきます。
(視認性をあげるため、分配金初期の桁外れな値は除外していることもあります、ご了承ください)
【2022年3月3日追記】分配金年合計と増配率推移グラフに、比較単位スパンでの差額推移を追記してみました(以下、3年と5年、10年にも反映)

2020年は約-2.2%の減配から、2021年約+8.6%の増配に転じています。
2022年に注目したいと思います。
分配金年合計($)と3年増配率(%)

現在では概ね、6%程度を安定的にキープしているようにも見受けられます。
分配金年合計($)と5年増配率(%)

こちらも概ね、6%程度を下回らない程度の安定キープに見受けられます。
分配金年合計($)と10年増配率(%)

直近の10年スパン、長期でも約7%推移が確認できますし、今後も維持し続けられるのか注目したいと思います。
【参考】株価終値ベースでの過去推移
この内容は、株価の終値を用いて、前日/前月/前年末日など、さまざまなスパンの株価差をもとに、弊ブログで独自に参考集計したものとなります。
株価終値ベースですので、分配落ちなどの影響が含まれることにはなりますが、目に見える実績としての推移をまとめたものです。
あくまで過去の実績(過去はこうだった)というものですが、少しでもなにかの参考になれば幸いです。
2021年 日々騰落率の推移
2021年に限定した「日々騰落率」(前日終値と当日終値の差から算出)を月別に表示した参考グラフです。

2021年はDVYのパフォーマンスが高かったこともあり、株価もさほど上下に変動せず、安定的に推移してきた印象です。
年別上昇率の推移(2021年終了時点)
前年最終日の終値と当年最終日の終値の差から算出した「年別上昇率」です。
また、年上昇率をもとにカウント月の回数からならした月平均上昇率を参考に掲載しています。

株価終値ベースで集計したところ、2021年の年間上昇率は約+27.5%程度です。
(分配金リターンは除く)
月あたりのならした上昇率でみれば約+2.1%、集計結果では設定来、一番リターンが高かった年という結果でした。
DVY設定以降の株価と日々騰落率の推移(2021年終了時点)
こちらは設定来株価推移に、日々の騰落率(前日終値と当日終値の差から算出)を追加したグラフです。

長期運用期間中に様々な暴落、調整を経験しつつ、長期では右肩上がりです。
この力強さは米国ETFならでは、米国は将来にも期待がもてる投資先と個人的には考えます。
月間上昇率の推移(2021年終了時点)
前月最終日の終値と当月最終日の終値の差から算出した「月別上昇率」と、「月別の勝率」などをまとめて一覧表にしたものです。

上記一覧表の推移を、各年の月別上昇率としてまとめたグラフは以下のとおりです。
注:各月の最大上昇率を青色で、最大下落率を赤色で表示

上記一覧表の推移を、「プラス終了月回数」、「プラス終了勝率」、「月&年別最大上昇率」、「月&年別最大下落率」でグラフ化したものは以下のとおりです。
注1:それぞれ1位をピンク色、2位を水色、3位を黄色、ワースト1位を赤色で表示
注2:設定来集計のためカウント回数の都合上、1月〜11月は総カウント18回、12月は総カウント19回と差があります

- 2021年は2月(約+8.6%)、3月(約+8.6%)、12月(約+6.5%)で月間上昇率の過去最高を更新(ワーストの更新はなし)
- 各月の月間上昇率をカウント回数でならして平均した上昇率でマイナスだったのは1月(約-0.4%)、5月(約-0.2%)、6月(約-1.2%)
- 平均した上昇率でみるパフォーマンスの高さは4月(約+2.6%)、7月(約+1.7%)、11月(約+1.4%)、ワースト6月(約-1.2%)
- 勝率の高さは4月(約89%)、次いで2月/7月/10月/11月(約72%)と続く、ワースト6月(約39%)
あくまで過去の傾向ですが、長く見ていけば(参考になるかは別として)、なにか面白い発見もあるかもしれません。
また来年、2022年実績でも確認してみたいと思います。
個人的な感想

DVYは、HDVやSPYDとはまた違った特徴を持つ高配当ETFの一角です。
経費率の高さなど、気になる方はいるでしょうが、直近パフォーマンスは目を見張るほど復調、2022年は注目度も高そうに感じます。
VYMやSCHDなどの(DVYなどと異なり、どちらかといえば平均的な)高配当ETFより、パフォーマンスが高い年になるのかもしれませんので、注目しています。
高配当ETFは、長い年月、来る日も来る日も変動する相場の荒波にも負けず、ホルダーのために分配金を届けてくれる資産とも捉えられます。
自分の意図する特徴を有したETFや投資信託などをガッチリホールドし、長い目でコツコツと資産形成に努めていくことができれば、将来笑顔で生活できる確率を高められると信じています。
高配当ETFはその中の価値ある選択肢の一つとして、これからも主軸にもなり得る存在だと考えます。
これからも色々と比較しながら、長期的にウォッチしていきたいと思います。
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!