こんにちは、おーです!
本日は米国ETFのバンガード グロースETF【VUG】について、ざっくりご紹介させていただきます。
2021/12/26追記:2021年12月分の分配金実績を反映
2021/9/24追記:2021年9月分の分配金実績を反映
【VUG】バンガード グロースETFのご紹介!
【VUG】バンガード グロースETFとは
VUGは2004年に設定、グロース銘柄に特化した指数に連動するよう設計された、比較的歴史の長いETFです。
ティッカーシンボル | VUG |
名称 | Vanguard Growth ETF (バンガード グロース ETF) |
ベンチマーク | CRSP US Large Cap Growth Index (CRSP・米国・ラージキャップ・グロース指数) |
設定日 | 2004/1/26 |
ETF純資産総額 | 165.53B(約16.5兆円、1$=100円換算)※ |
投資銘柄数 | 287 |
経費率(年率) | 0.04% |
算出方法 | 時価総額加重 |
分配金など | 分配金あり、年4回(3/6/9/12月) |
運用会社 | バンガード |
注1:ETF純資産総額はyahoo!finance USAより引用
注2:銘柄数、経費率などに関する情報はバンガードHPから引用(2021/9/5時点)
※:バンガードはファンド全体(投資信託とETFを合算した金額)という解釈に推定
連動指数CRSP・米国・ラージキャップ・グロース指数とは
米国の大型株かつ成長企業に幅広いエクスポージャーを提供します。

時価総額ベースで様々なインデックスへ振り分けされた後、当該インデックスへの組み込みを以下の6要因などで選別、判断しているようです。
(CRSPは、企業を適切なバリュー・インデックスまたはグロース・インデックスに分類する際に、5つのバリュー・ファクターと6つのグロース・ファクターを用いたマルチ・ファクター・モデルを採用している模様)
グロースファクターとして考慮される6つの成長要因
- 1株当たり利益(EPS)の将来の長期的成長
- EPSの将来の短期的成長
- EPSの3年間の過去の成長
- 1株当たり売上の3年間の過去の成長
- 現在の投資-資産に対する比率
- 総資産利益率
また、四半期ごとに全面的な見直しを行っているようです。
チャート
2004年VUG設定来の”週足”チャートです(青線は200日移動平均線)。
記事作成時の株価は$308.66(2021/9/3終値)です。

リアルタイムのチャートは下でご覧ください。
パフォーマンス
ファンド・パフォーマンス (単位%)
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
基準価額 | 42.77 | 25.31 | 23.05 | 17.46 | 11.76 |
市場価格 | 42.77 | 25.31 | 23.06 | 17.46 | 11.76 |
ベンチマーク | 42.83 | 25.35 | 23.09 | 17.52 | 11.82 |
2004年の設定来で約11.7%/年の成長です(2021/6/30時点)。
(参考)他ETFとのパフォーマンス比較
類似ETFとしてステート・ストリートが運用するSPYG、市場平均との参考としてVTIを用いた比較を実施してみました。
比較推移チャートはETFreplay.comから引用させていただきました。
VUG設定以降のSPYG、VTIとの比較推移(2004年VUG設定以降)

トータルリターン | VUG(664.3%) > SPYG(605.3%) > VTI(485.6%) |
---|---|
ボラティリティ | VTI(19.2%) > VUG(19.2%) > SPYG(18.8%) |
ドローダウン | VTI(-55.4%) > SPYG(-51.3%) > VUG(-50.7%) |
市場平均を大きく超えるトータルリターンを叩き出しています、直近数年で大きく差が広がった印象です。
ボラティリティも若干ですが市場平均を下回り、ドローダウンも市場平均よりは下落耐性があることが確認できます。
総じて市場平均を超えており、米国大型の成長著しい企業群の集合体として、注目のETFではないかと思います。
下のグラフは上記で長期比較しているETF同士の年間トータルリターン推移の状況をまとめたものです。
注:2021年は年途中(掲載2021年9月4日)であることにご注意ください。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
VUG,SPYG,VTI年間トータルリターン 2005-2020年

類似ETFのSPYGとは年間単位では抜きつ抜かれつといった印象ですが、ここ数年はVUGがアウトパフォームする期間も多いようにも見受けられます。
VUG保有銘柄、セクター構成
保有銘柄に関する情報:2021/7/31時点
セクター構成に関する情報:2021/7/31時点
VUGの保有銘柄、保有割合(円グラフ:%)
上位10銘柄までの保有割合は約45.2%、11-20位は約11.5%、上位20位までの保有割合が約56.7%となっています。
まさに名だたる超有名企業が勢揃いといったところです。

リターン推移を比較した類似ETFのSPYGは、組入銘柄数が239銘柄(2021/9/5現在)でした。
VUGのほうが幅広い銘柄を対象に、より分散されていることも確認できました。

参考に上位20位までの保有銘柄のセクター構成をグラフ化したものとなります。
現在のトップ20位までに位置するグロース銘柄がどのようなセクターに分類されているかを認識できます。
時代を反映したテクノロジー企業などが圧倒的多数ということが見て取れます。

VUGのセクター構成(%)
ETF全体のセクター構成を表示したものです。
現在圧倒的なのは情報技術セクターで約48.1%、続いて一般消費財が約22.7%、上位2セクターで全体の約70.8%となっています。
成長著しいグロース銘柄に特化したETFということもあり、かなり偏りのあるセクター構成になってしまうのは致し方ないところですが、特化しているゆえに市場平均を超えるパフォーマンスを叩き出せているとも言える結果だと考えています。

参考に棒グラフ&レーダーチャートを掲載しておきますので、見やすい方で確認してください。

分配金の推移、増配率の推移
これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。
一般的には表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。
確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。
(証券会社によっては、分配金受け取りで強制的に円貨振替される場合、為替手数料などもかかることになると思われます)
VUG運用開始以降の分配金推移(一覧表)
VUGは3/6/9/12月に分配金を受け取ることができます。
ETF設定以降の定例分配金を一覧表にしたものは以下のとおりです。
注:定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。
弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

(2021年は途中の小計が掲載されていますが、ご了承をお願いします。2021年の分配金合計は、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年」の欄に、今後は掲載していく予定です。)
VUG運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)
株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。

グロース銘柄のため分配金は少なめではありますが、成長企業として分配金実績も増えていることが確認できます。
VUG運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)
1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

2018年以降、ここ数年の株価(各年の年末ごろの株価だけで見ると)、上がる角度が際立って見えます。
それだけ近年はグロース銘柄の勢いがすごい時代が続いていたということですね。
近年、2年ほど若干の減配はしていますが、キャピタルゲインを重点的に狙うETFだと思いますので、さほど気にならない印象です。
VUG用開始以降の株価と分配利回りの推移
株価$308.66(2021/9/3終値)と直近1年間の配当実績から算出した利回りは0.53%程度です。
注1:目安程度にお考えください。
注2:この分配金利回りは紹介記事作成時点の内容です。今後の最新の参考目安については、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移2021年vs2020年」の欄に掲載し、随時更新をしていこうと考えています。

VUG運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、10年)
増配率を計算した結果、以下のようになりました。
注1:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。
弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

キャピタルゲインの上昇が激しく、利回りは低いですが、分配金も着実に成長していることが見て取れます。
参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。
(以下のグラフは弊ブログ独自の集計により算出した上側の増配率表をもとに作成しています。視認性を高めるため、初期の桁外れな値は枠外表示としていることがあります)
分配金年合計($)と1年増配率(%)

直近2年は若干の減配基調です。
分配金年合計($)と3年増配率(%)

3年程度で見ても同様です。
分配金年合計($)と5年増配率(%)

分配金年合計($)と10年増配率(%)

10年程度のスパンで見ると、約10%前後をキープしています。
(今後、減少はありえますが、キャピタルゲイン重視ですので、そこまで気にはならないのではないかと思います)
増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年 (2021年12月分配金後)
2021年と2020年を比較した増配率(%)と、各年の分配金実績を以下に掲載しています。
また、直近株価($)と分配金利回り(%)も参考に掲載しています。
注:とくに分配利回りは、ご自身で他サイトなどを含めて改めてご確認ください(あくまで参考目安程度にお考えください)

個人的な感想

近年成長が著しいグロース銘柄のパフォーマンスはやはり素晴らしいものがありました。
グロース銘柄へは個別銘柄を通じての投資が、まずまっさきに頭に浮かびます。
ですが、初心者には非常に難易度の高い投資になること必須です。
銘柄分析、決算の評価、売買判断など、常に意識して管理する必要が生じます。
よほど好きで、前向きに取り組める方か、よほど慣れていないと時間もかかり、でも思ったほど成果があがらないというジレンマに陥るかもしれません。
こういったグロース株全体にまるっと投資してしまうETFを選定するというのは、上記のような懸念を、払拭できるいい選択肢にもなり得ると思います。
配当重視のETFを好まれる方は選好しないのかもしれませんが、このようにキャピタルゲインを重視して投資をすることも投資の醍醐味と言えますね。
余談ですが、今回ご紹介したVUGは組入銘柄が287銘柄(2021/7/31時点)と、比較対象としたSPYGは239銘柄(2021/9/2時点)となっていました。
記事投稿2021/9/5時点の、各ETF間における銘柄の重複程度は以下を参照してください。
(Fund Overlapより引用)

上記のような重複程度から、両ETFを複数保有するメリットは低いように思いますが、わたしが調べた限り、以下のグロース銘柄はVUGにしか含まれていませんでした。
これらの銘柄に投資がしたい場合、必然的にVUGが候補になるのではないかと考えますので、参考にティッカーコードだけを掲載させていただきます。
VUGとSPYGを比較して、VUGだけに含まれていた銘柄ティッカー(2021/9/5調査時点)
DIS | BA | SQ | FIS | MU |
SNAP | TJX | ZM | SNOW | BSX |
TWLO | GPN | UBER | DOCU | CRWD |
ROKU | MRVL | LULU | VEEV | WDAY |
ROST | DLR | MTCH | BDX | PANW |
OKTA | TTD | PLTR | CSGP | WCN |
PINS | PXD | PTON | EPAM | ARE |
COIN | NET | CVNA | MXIM | HUBS |
DDOG | SPLK | INVH | TRU | HZNP |
BURL | SUI | RNG | ALNY | ABNB |
SGEN | TDOC | CNC | RBLX | BAX |
LNG | MAR | PODD | EXAS | AMC |
NVR | DASH | W | ZS | Z |
SSNC | COUP | PLUG | U | TXG |
LYFT | GDDY | BMRN | DKNG | FDS |
LBRDK | O | BKI | VMW | MLM |
LYV | IAC | MDB | WYNN | BSY |
DBX | TW | HEI.A | RCL | MKL |
UDR | MGM | ZEN | OSH | CGNX |
NVCR | ATUS | MTN | CHWY | HEI |
PPD | SIRI | ZI | ZG | SEIC |
WMG | OPEN | VMEO | AFRM | BF.A |
REG | BMBL | IBKR | LBRDA | APP |
UI | GDRX | QS | XM | HOOD |
PATH | MQ | EDR | WAB | LKQ |
注1:VUG目線からSPYGと比較してという意味、COUNTIF関数でティッカー別に集計
注2:左上から右に進むごとに(あとは1段下がるごとに繰り返し)VUG内の銘柄保有割合が下がっていくイメージ
注3:2021/9/5調査時点、総数125銘柄、四半期などの銘柄入れ替えにより今後変更の可能性はあり
注4:SPYG目線(SPYGだけに含まれる銘柄)はここでは割愛
注5:間違っていたら申し訳ありません
余談ですが最近、話題?のBNPL銘柄もVUGには含まれていますね(AFRMやMQなど)
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!