ETF/投資信託

個人的に注目のETF(MTUM:モメンタムETF)は興味深い

こんにちは、おーです!

 

ブログで調査・紹介以降、個人的に興味深くずっと注目しているETFが2つあります。

  1. 【MTUM】iシェアーズ MSCI USA モメンタム ファクターETF
  2. 【SCHD】Schwab 米国配当株式ETF

 

これらの(個人的に大注目な)ETFは、2021年11月まではサクソバンク証券でも現物が購入できました。

(残念ながらサクソバンク証券では、現在はCFDでしかこれらのETFは購入できません)

 

また、国内大手証券会社(楽天証券、SBI証券など)でもこれらのETFは購入できません。

どうしても、という場合は海外証券会社を通じてでしか、現状は購入できないという認識ですので残念です。

(2022年6月時点)

 

将来的に国内でも手軽に購入できるようになることを願いつつ、引き続き注目していくつもりです。

 

おー
おー
MTUMは現在のパフォーマンスは芳しくありませんが、銘柄の大幅な入れ替えが実施されていましたので、今後の推移に注目するとともに、備忘録として記録しておきます。

 

個人的に注目のETF(MTUM:モメンタムETF)は興味深い

MTUMとは

MTUMは2013年にブラックロックが設定した比較的新しいETFです。

 

  • 比較的高い価格モメンタムを示す米国の大資本および中資本の株式で構成されるインデックスの投資結果を追跡
  • MSCI USA モメンタム SR バリアント インデックス(本ETFが連動を目指す指数)は、MSCI USA モメンタム インデックスのパフォーマンスを反映することを目的とし、MSCI MOMENTUM INDEXES METHODOLOGYに基づいて構築、リバランスされる
  • MSCI USAモメンタムインデックスのリバランスは、まず、MSCI USAインデックスの各銘柄について、6ヶ月および12ヶ月の標準化されたリスク調整後のモメンタム値を決定、その結果を標準化
  • 標準化された6ヶ月および12ヶ月のリスク調整後のモメンタム値は、次に組み合わされ、再度標準化され、モメンタムスコアを算出
  • 最も高いモメンタムスコアを持つ一定数の証券が、MSCI USAモメンタムインデックスに組み入れ
  • MSCI USAモメンタムインデックスには、最も高いモメンタムスコアを持つ一定数の証券が組み入れられ、通常、親インデックスの時価総額の約30%をカバー
  • 構成銘柄の加重は、そのモメンタムスコアと時価総額の積で計算される
  • MSCI USAモメンタムインデックスの構成銘柄の加重には上限がある
  • インデックスは半年ごと(5月と11月)にリバランスされるのに加え、市場のボラティリティーが急上昇した場合には、リバランスを行うことがある模様

 

おー
おー
直近、2022年5月には上記思想に基づいた大幅な銘柄入れ替えがありました。長期で運用されることでどうなるでしょうか。非常に興味深いETFです。

 

モメンタムについて

以下、自分なりの(浅い)認識です。

 

以前からETF自体は認識していましたが、「ウォール街のモメンタムウォーカー」という書籍を読んで以降、俄然興味が湧きました。

書籍によれば、1800年代から今日に至るまで、モメンタムは有効な戦略であることが様々な研究によって証明はされているようですが、効率的市場仮説などとは相反する考え方とも捉えられ、そこまで認知がされていないようでもあります。

 

モメンタムはパフォーマンスの持続、直近の過去において上昇トレンド(場合によっては下落トレンド)にあった資産は、近い将来も上昇トレンド(または下落トレンド)を継続する傾向がある、という特徴があるようです。

 

モメンタムは最大のアノマリーとも言われているようですが、パフォーマンスの良い投資は良いパフォーマンスが続き、悪い場合はまた然り。

経済学が発展した行動経済学の観点から、さまざまな人の心理が巻き起こす行動についての研究が進んでいますが、モメンタムはまさに行動経済学とも密接に関連した投資手法とも言えそうです。

 

価格が上がれが買い手をひきつけます(逆に価格が下がれば売り手を引きつけるともいえます)。

感情的で非合理的な動きをしてしまう投資家の心理が市場へ与える影響は甚大です。

このような感情の振り子が上に(ときには下に)行き過ぎるときもあるでしょう。

そういった投資家の行動は昔も今も(そしてこれからも)変わらないのだろうと個人的には思います。

そう考えると、モメンタムはこれからも存在し続けるのではないでしょうか(少なくともわたしはそう思ってますので、非常に興味を持っているところです)。

 

波に乗る、これも投資の醍醐味で、市場平均以上のリターンを求めるならリスクを引き受ける必要もありますね。

 

書籍でもボラティリティやドローダウンは、市場平均などと比較すると高めになることもあると書かれていますので、そういった点には注意が必要かと思うところですが、個人的には将来性が期待できそうな(楽しんで投資できそうな)ETFです。

 

MTUM構成銘柄トップ20の変遷

MTUMは弊ブログで2021年10月にご紹介していました。

その当時の保有銘柄トップ20と直近2022年6月時点を比較します。

 

2022年6月時点:約62.4%(上位10位≒42.4%、11位~20位≒20.0%)

2021年10月時点:約56.2%(上位10位≒38.9%、11位~20位≒17.3%)

トップ20構成銘柄 変遷 MTUM

普段であれば、弊ブログでは順位変動などが確認された銘柄のティッカーを着色していますが、今回は逆にしました。

着色1銘柄(バークシャーのBRK.B)を除き、トップ20銘柄のうち19銘柄は全て入れ替えされました。

 

ランク外への移動ではなく、銘柄の入れ替えですので、ご紹介当時1位だったテスラ、8位のグーグルなどなども含め、新しいMTUMの保有銘柄リストでは存在しません。

 

ちなみに、2022年6月時点ではエクソンモービルとアップルが1位、2位となっています、非常に興味深いです。

(集計以降、直近ではエクソンモービルの下落により1位は入れ替わっている模様)

 

MTUMの総銘柄数は124です。

弊ブログ独自に新旧保有銘柄(2021年10月時点 vs 2022年6月時点)に対し、全体を比較してみました。

(集計はCountif関数を利用、ティッカーコード変更などあれば、若干の差はありえる)

 

集計結果、以下18銘柄のみが保有を継続されているだけでした。

MTUM紹介時(2021年10月)と今回で保有が継続されている銘柄

それ以外の残り約100銘柄程度は、すべてガラッと銘柄が入れ替えされているものと見受けられます。

ざっくり100銘柄としても124銘柄に対し約80%の保有銘柄がまるっと入れ替わったことになります。

保有継続銘柄もモメンタム評価の結果、ランク変動と保有割合の変化も確認できます。

 

おー
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MTUMはモメンタムの評価結果で大多数の銘柄が入れ替えられることが確認できますし、今後も同様でしょう。

 

MTUM 構成銘柄トップ20の所属セクター 変遷

弊ブログで参考に集計しているトップ20銘柄に限定したセクター構成の変遷はこちらです。

【参考】トップ20構成銘柄のセクター構成 変遷 MTUM

上位銘柄を見ただけでも金融、資本財、通信や一般消費財などが多数を占めていましたが、ヘルスケア、エネルギー、生活必需品などに大きく舵が切られたことが確認できます。

続いてMTUM全体のセクター構成変遷を確認します。

 

MTUM(全体) セクター構成 変遷

モメンタムの方向性が変わったことに伴い、全体の構成も大幅に入れ替わっていることが確認できます。

セクター構成% MTUM 棒グラフ、レーダーチャート 変遷

バリュー寄り、ディフェンシブ寄りなセクターが上位に構成されているように見受けられます。

エネルギーセクターは下落に向かい始める時期なのかもしれませんが、今後の調整相場でもある程度底堅く推移してくれそうなセクター(ヘルスケアや生活必需品など)を多めに保有しているように思います。

構成セクターが変わる前は、グロース寄りのモメンタムから、QQQと似たような下落基調に見受けられました。

今後はQQQとは推移が大きく変わることが期待できそうです。

 

ダイナミックな変遷が吉と出るか凶と出るか?

このような点がパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、モメンタム投資の非常に興味深いところです。

 

紹介当時からのパフォーマンス推移を次に確認してみます。

 

(参考)他ETFとのパフォーマンス比較

2021年記事紹介時 MTUM設定以来(2021年10月頃、2013年4月16日〜2021年10月8日の比較)

MTUM設定2013年4月16日〜2021年10月8日までの期間でみた長期推移です。

(以下、すべてETFreplay.comから引用)

比較チャート MTUM,VTI,MOAT (2013年MTUM設定以降)

2021年10月時点ではVTIに大きくアウトパフォームしていました。

(余談ですがMOATも興味深いETFではあります)

続いて、直近2022年6月まで期間を延長しての推移を確認します。

 

今回2022年6月時点① MTUM設定以来(2013年4月16日〜2022年6月24日の比較)

前回のVTIとMOATも含め、今回は以下のETFも加えて比較してみます。

  1. VTI(市場平均)
  2. MOAT(特徴の異なる特化ETFとして興味深い、過去にご紹介したワイドモートETF)
  3. VTV(バリューETF)
  4. QQQ(ハイテク特化ETF)
比較チャート MTUM,VTI,MOAT,VTV,QQQ (2013年MTUM設定以降)

2022年以降、大きく調整に入りました。

直近、QQQと似たように大きく下方向に推移しています。

(パフォーマンスではMOATにアンダーパフォーム、VTIにはアウトパフォームしていますが差は詰まっています)

 

今回2022年6月時点② 2022年年初来(2021年12月31日〜2022年6月24日の比較)

2022年の年初来推移です。

比較チャート MTUM,VTI,MOAT,VTV,QQQ (2022年 年初来)

直近までの推移ではQQQと似たような変動とも見受けられます。

年初来でMTUMは-24.2%となっていますので、QQQの-25.7%と近い値になっています(2022年6月24日時点)。

ただし、上記のように2022年5月のリバランスで銘柄やセクター構成が大きく変更されましたので、今後は同様のパフォーマンスにはならないものと考えられます。

 

分配金の推移

2022年6月(第2四半期)の分配金が出ましたので、参考に確認しておきます。

2022年6月分配金

2022年6月(第2四半期)は$0.3729でした。

前年同月比約196%の増配です、

株価調整中ですので、利回りはおおよそ1%程度まで上昇しています。

MTUM 2022年6月 vs2021年 増配率と分配金実績、株価と利回り推移 

リバランス前までのグロース寄り銘柄からバリュー寄りの銘柄にシフトしているという認識ですので、今後の分配金推移には注目ができるのではないか、と個人的には考えています。

 

過去の分配金推移(2022年6月分配金反映後)

モメンタムを評価して銘柄の選定が繰り返されますので、今回のように銘柄が大幅に入れ替わることもありますし、過去を見ても安定した分配金推移とは言い難いところもあります。

分配金推移:月別 MTUM(2022年6月分配金後)

分配金は出れば儲けもの、ある意味でおまけ程度に捉えています。

そうはいってもバリューよりに銘柄がシフトしたのであれば、今後は少し期待できるかも?なんて考えたりもしてしまうところですが。

いずれにしても、引き続き今後の推移に注目したいと思います。

 

過去の増配率推移(2021年終了時点)

直近は1年単位で見ればマイナス推移が続きますので、過度な期待は禁物かと思っておきます。

運用開始以降の増配率推移 MTUM (1年、3年、5年)

2022年は四半期ごとに大幅増配を繰り返していることもあり、年単位で期待はできるかもしれませんので、個人的な注目度は高いです。

 

以上、2022年6月時点の推移を確認しておきました。

 

 

HDVなどもアクティブに銘柄が入れ替わるイメージでしたが、MTUMは銘柄もセクターも含め、よりダイナミックに銘柄が入れ替わります。

この点をヨシとするのかは、好みの分かれるところです。

少なくとも、わたしはモメンタムという興味深いアノマリーに対し、非常に興味深く期待を持って見守っています。

 

 

コア資産はVTI、サテライトにこのような興味深いMTUMや超優秀なSCHDなどで、好きなETFを好きなだけ時間をかけながら保有し、投資を楽しむこともできるのが個人投資家の醍醐味ですね。

 

願わくばこれらのETFが早く国内で購入できないものでしょうか…

 

今後も引き続き、国内での取り扱いが開始されないかと、モメンタムがもたらすパフォーマンス推移を興味深く見守っっていきたいと思います。

 

それではまたっ!!