こんにちは、おーです!
本日は米国ETFのiシェアーズ米国航空宇宙・防衛ETF【ITA】について、ざっくりご紹介させていただきます。
【2021年11月16日追記】
かなりの悲報です、2021年11月15日付けでサクソバンク証券の米国ETF取扱銘柄が大幅に制限されることになり、このような興味深いETFはサクソバンク証券では購入できなくなりました。
2021/12/26追記:2021年12月分の分配金実績を反映
2021/9/26追記:2021年9月分の分配金実績を反映
2021/9/4追記:長期比較しているETF同士の年間トータルリターン状況を掲載
【ITA】iシェアーズ米国航空宇宙・防衛ETFのご紹介!
【ITA】iシェアーズ米国航空宇宙・防衛ETFとは
ITAは2006年に設定、アメリカに上場され、運用開始から15年を迎える、比較的歴史の長いETFです。
ティッカーシンボル | ITA |
名称 | iShares U.S. Aerospace & Defense ETF (iシェアーズ米国航空宇宙・防衛ETF) |
ベンチマーク | Dow Jones U.S. Select Aerospace & Defense Index (ダウ・ジョーンズ米国セレクト宇宙航空・防衛指数) |
設定日 | 2006/5/1 |
ETF純資産総額 | 2.69B(約2690億円、1$=100円換算) |
投資銘柄数 | 35 |
経費率(年率) | 0.42% |
算出方法 | 時価総額加重平均 |
分配金など | 分配金あり、年4回(3/6/9/12月) |
運用会社 | ブラックロック |
注1:ETF純資産総額はyahoo!finance USAより引用
注2:銘柄数、経費率などに関する情報はブラックロックHP(iShares U.S. Aerospace & Defense ETF)から引用(2021/4/26時点)
連動指数 ダウ・ジョーンズ米国セレクト宇宙航空・防衛指数とは
Dow Jones U.S. Select Sector Specialty Indices(ダウ・ジョーンズ米国セレクト・セクター・スペシャリティ・インディシーズ)に属するインデックスです。
同インデックスは、米国株式市場の特定のサブセクターまたはサブセクターのグループのパフォーマンスを測定しており、インデックスの構成銘柄は「構成銘柄の加重」で定義された上限の制約を受けて、浮動小数点調整された時価総額で加重平均されます。
その中の一つのインデックスとして、本ETFが連動する「ダウ・ジョーンズ米国セレクト宇宙航空・防衛指数」があります。
主に商用または民間の航空輸送に使用される航空機および航空機部品の製造業者、組立業者、販売業者、また軍用機、レーダー機器、兵器などの防衛産業向けの部品や機器の製造業者のパフォーマンスを測定しています。
その他、以下のような特徴があります。
- S&P Dow Jonesが使用する独自の分類システムに基づいて対応するサブセクターに分類されるDow Jones U.S. Broad Stock Market Indexの企業の普通株式から選出
- ①のサブセクターのうち、本ETFは「航空宇宙」と「防衛」に関するセクターから選出
- 時価総額で加重される
- 四半期ごと(3/6/9/12月)にリバランス
- 構成銘柄ではない企業が新たにインデックスに採用されるためには、浮動小数点調整後の時価総額が5億ドル以上などの要件あり
- すでに採用銘柄の継続時において時価総額の条件あり
- リバランス時に構成銘柄が22を下回る場合は基準が一時的に緩和されるなどの措置がある
- 個々の企業の加重は22.5%を上限(超える場合、超過分は比例配分される)
- その後、インデックス内で4.5%以上のウェイトを持つ企業の合計ウェイトは45%に制限される
かんたんに言ってしまえば超特化型の尖ったETFです。
チャート
ITAの日足チャートです、記事作成時の株価は$105.99(2021/4/26終値)です。
パフォーマンス
ブラックロックHP(iShares U.S. Aerospace & Defense ETF)から引用しました(2021/3/31時点)
トータル・リターン 年率(単位%) 税引前
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
市場価格 | 46.18 | 3.05 | 13.60 | 13.94 | 11.23 |
ベンチマーク | 46.79 | 3.52 | 14.11 | 14.41 | 11.72 |
設定来で11.23%/年の成長です。
累積(単位%)
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
市場価格 | 46.18 | 9.42 | 89.17 | 268.91 | 389.43 |
ベンチマーク | 46.79 | 10.93 | 93.45 | 284.30 | 422.05 |
トータルでは目を引くリターンを叩き出しています。
(参考)他ETFとのパフォーマンス比較
ITAは設定が2006/5/1とリーマンショック以前からの比較が可能です。
米国を代表する主要インデックス(S&P500ETF:IVV、全米:VTI、ダウ30種:DIA)と比較してみました。
ETFreplay.comから引用させていただきました。

トータルリターン | ITA(382.5%) > VTI(346.0%) > IVV(334.3%) > DIA(329.0%) |
---|---|
ボラティリティ | ITA(23.6%) > VTI(20.3%) > IVV(20.0%) > DIA(19.6&) |
ドローダウン | ITA(-59.7%) > VTI(-55.4%) > IVV(-55.2%) > DIA(-51.9%) |
ITA設定来のパフォーマンスは目を引くものがあります。
特化型ETFの特徴とも言えそうですが、リターンの高さを引き受ける代わりに、リスクも他のインデックスを凌駕して高いです。
わたしのような初心者の段階で大量に購入することは難しいかもしれませんが、このように偏りのあるセクターへの投資は、リスクを引き受けることとリターンをものさしにかける必要がよく分かります。
下のグラフは上記で長期比較しているETF同士の年間トータルリターン推移の状況をまとめたものです。
注:2021年は年途中(掲載2021年9月4日)であることにご注意ください。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
ITA,IVV,VTI年間トータルリターン 2007-2020年

ITA,DIA年間トータルリターン 2007-2020年

ITA 保有銘柄、セクター構成
ブラックロックHP(iShares U.S. Aerospace & Defense ETF)より、それぞれ以下の更新情報から引用しています。
保有銘柄に関する情報:2021/4/15時点(2021/4/18調査)
セクターに関する情報:2021/4/15時点(2021/4/18調査)
ITAの保有銘柄、保有割合(円グラフ:%)

特徴的な銘柄群が集結しています。
個別企業すべてを知っているわけではありませんが、個人的にはレイセオンやロッキード・マーティンなど、保有したい銘柄が多数あります。
時価総額で加重のため銘柄によって偏りはありますが、35銘柄への特化ですので、さほど気にはならないかなと個人的には思います。

ITAのセクター構成(%)
ETF全体のセクター構成を表示したものです。
ITAは独特のセクター構成となっています。
以下はブラックロックHPから引用した名称を使用した表示です。
S&P Dow Jonesが使用する独自の分類システムに基づいて対応するサブセクター名称となっており、通常のセクター名とは内容が異なる点には注意してください。

参考に、各保有銘柄が通常のセクター分類でどのセクターに属するかを調べてみた結果(構成銘柄を通常のセクター分類で集計)は以下のとおりです。
ほぼ「資本財」、数名柄が「情報技術」に分類される結果となりました。

分配金の推移、増配率の推移
これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。
一般的には表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。
確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。
(証券会社によっては、分配金受け取りで強制的に円貨振替される場合、為替手数料などもかかることになると思われます)
ITA運用開始以降の分配金推移(一覧表)
ITAは3/6/9/12月に分配金を受け取ることができます。
設定以降の定例(四半期)の分配金を一覧表にしたものは以下のとおりです。
注:定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。
弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

ITA運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)
株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。

ITA運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)
1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

株価上昇とあわせ、分配金も右肩あがりの基調ですが、直近では2019年と比べて、2020年は約-28.9%の大幅減配となっています。
2020年は特にこのETFには厳しい時期になったようです。
改めて2021年以降に注目です。
ITA用開始以降の株価と分配利回りの推移
株価$105.99(2021/4/26終値)と直近1年間の配当実績から算出した利回りは0.88%程度です。
注1:目安程度にお考えください。
注2:この分配金利回りは紹介記事作成時点の内容です。最新の参考目安については、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年」の欄に掲載しています。

ITA運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、10年)
増配率を計算した結果、以下のようになりました。
注1:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。
注2:定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。
弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。
(以下のグラフは弊ブログ独自の集計により算出した上側の増配率表をもとに作成しています。視認性を高めるため、初期の桁外れな値は枠外表示としていることがあります)
分配金年合計($)と1年増配率(%)

分配金年合計($)と3年増配率(%)

分配金年合計($)と5年増配率(%)

分配金年合計($)と10年増配率(%)

5年、10年など長期の増配率は高め安定しているように見受けられます。
増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年 (2021年12月分配金後)
2021年と2020年を比較した増配率(%)と、各年の分配金実績を以下に掲載しています。
また、直近株価($)と分配金利回り(%)も参考に掲載しています。
注:とくに分配利回りは、ご自身で他サイトなどを含めて改めてご確認ください(あくまで参考目安程度にお考えください)

個人的な感想

コロナショック時の下落の大きさが物語っていますが、コロナウィルスの蔓延は、ITAの属するセクターに大きなインパクトのある出来事となりました。
(最大保有銘柄のボーイングなどの影響も大きかったのだと思います)
逆にこのとき買い向かえたかたは、かなりいい買い場になったように思います。
分配利回りは低いですが、購入時期によっては2%なども狙えそうですし、長期で保有するとキャピタルゲイン、増配で分配金成長も見込めるのではないかと考えています。
個別にこういった企業群を保有するには大量の資金が必要ですが、このETFを保有すると、特化した企業群へまるっと投資ができます。
個人的に宇宙、防衛などに関しては、これからも要注目な業種と考えていますし、パフォーマンスも長期で見るとインデックスを超える実績を叩き出していることから、サテライトの一部として保有することを考えています。
ただ、これまた日本の大手証券会社では購入できないのが残念ですが、サクソバンク証券で購入を検討している筆頭銘柄のひとつとして(現段階で手を出すのは難しいですが)、相場下落時には購入を検討していますので、引き続きウォッチしていきたいと思います。
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!