こんにちは、おーです!
本日は米国ETFのヴァンエック・ベクトル・モーニングスター・ワイド・モートETF【MOAT】について、ざっくりご紹介させていただきます。
2021/12/26追記:年1回の分配金実績を反映(補足①:パフォーマンス推移のアップデートは今後改めて更新予定、補足②:サクソバンク証券でも購入可能な模様)
2021/9/20追記:マネックス証券で検索したところ、取扱銘柄リストにあったので追記
2021/9/4追記:長期比較しているETF同士の年間トータルリターン状況を掲載
【MOAT】 ヴァンエック・ベクトル・モーニングスター・ワイド・モートETF のご紹介!
【MOAT】 ヴァンエック・ベクトル・モーニングスター・ワイド・モートETFとは
MOATは2012年に設定、アメリカに上場された、運用開始から8年程度が経過した比較的新しいETFです。
ティッカーシンボル | MOAT |
名称 | VanEck Vectors Morningstar Wide Moat ETF (ヴァンエック・ベクトル・モーニングスター・ワイド・モートETF) |
ベンチマーク | Morningstar Wide Moat Focus Index (モーニングスター・ワイドモート・フォーカス指数) |
設定日 | 2012/4/24 |
ETF純資産総額 | 約4530億円 注1 |
取引所 | NYSE Arca |
投資地域 | 米国 |
投資銘柄数 | 49 注2 |
経費率(年率) | 0.49% 注3 |
ETF売買ランキング | 第110位 注1 |
算出方法 | 均等加重 |
分配金など | 分配金あり、年1回(12月) |
運用会社 | ヴァンエック・グローバル |
注1:2021年1月末時点、マイインデックス(myINDEX)より引用
注2:銘柄数はSeeking Alphaより引用(2021年1月31日時点)
注3:経費率はSeeking Alpha、Dividend.comでは0.47%でしたが、楽天証券の資料から0.49%を引用しました
連動指数モーニングスター・ワイドモート・フォーカス指数とは
モーニングスター・ワイドモート・フォーカス指数SMの価格と利回り(手数料や経費控除前)に連動するパフォーマンスを目指します。
モート(Moat)とは城を取り巻く「堀」(城池)を意味する造語です。
外敵から攻め込まれにくい「ワイド・モート」(広い城池)を保有する企業は、技術・製品・サービスの面で競合他社に対する優位性のある企業を総称し、長期的かつ安定的に収益を得られやすい特徴が期待されています。
モーニングスターの株式調査チームは、モーニングスター米国市場指数の企業に経済格付けと公正価値の見積もりを割り当てることにより、ファンドの選択を決定します。
魅力的な価格で持続可能な競争上の優位性(特許、高い切り替えコストなど)を持つ株式の集中ポートフォリオを保持(ポートフォリオの半分は6か月ごとに同じ加重で再構成され、残りの半分は3か月後に続く)。
経済の堀の5つの源泉としては、ざっくり大きく以下の5つが考えられています。
① ネットワーク効果
②コスト優位性
③ 有効なスケール
④無形固定資産-ブランド、特許、特許など
⑤乗り換えコスト
また、VanEck VectorsモーニングスターワイドモートETFは、10点満点中5.66点に基づくBBBのMSCIESGファンド格付けを持っているようです。
(外部リンク)Morningstar Wide Moat Focus Index
チャート
MOATの日足チャートです、記事作成時の株価は$67.9(2021年2月24日終値)です。
パフォーマンス
Dividend.comのMOAT概要ページから引用しました(2021年2月23日現在)
MOATパフォーマンス (単位%)
YTD(年初来) | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
7.8 | 15.8 | 12.7* | 19.1* | – |
*年換算
(参考)他ETFとのパフォーマンス比較
MOATの設定日(2012年4月24日)より以前から運用されているS&P500連動ETFのVOO(2010年9月7日)、VTI(2001年5月24日)と比較してみました。

アクティブに運用しつつVOO、VTIを超えるパフォーマンスを残していることは評価できるのではないでしょうか。
下のグラフは上記で長期比較しているETF同士の年間トータルリターン推移の状況をまとめたものです。
注:2021年は年途中(掲載2021年9月4日)であることにご注意ください。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
MOAT,VOO,VTI年間トータルリターン 2013-2020年

2021年は途中経過ではありますが、市場平均を超える成績を叩き出しているようです(掲載2021年9月4日)。
過去推移を見ても、たびたび市場平均を上回ることもあるなど、競うような成績を残していますので、今後の推移にも注目ですね。
保有銘柄、セクター構成
いずれもSeeking AlphaのMOAT概要ページから引用しました(2021年1月31日現在)。
MOATの保有銘柄 上位10社
均等加重ですので、上位10銘柄が占める割合は約27.6%と抑えめです。
モーニングスター社が経済的な優位性などを持っていると高く評価している企業となります。

知らない企業が多かったので、ざっくり記載しておきます(Wikipediaより引用)。
1位:John Wiley & Sons Inc(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ)は1807年創業の科学、医学、教育などの分野の世界的な学術出版社、本社は米国のニュージャージー州ホーボーケン
2位:Charles Schwab Corporation(チャールズ・シュワブ)は1971年創業のオンライン取引を中核とする証券会社(金融持株会社)、本社は米国のカリフォルニア州サンフランシスコ
3位:Corteva Inc(コルテバ)はDowDuPont(ダウ・デュポン)の農業部門からスピンオフした農業関連会社、本部は米国のデラウェア州ウィルミントン
4位:Cheniere Energy Inc(シェニエールエナジー)は1996年に設立された液化天然ガス(LNG)会社、本部は米国のテキサス州ヒューストン
5位:Wells Fargo & Company(ウェルズ・ファーゴ)は1852年創設の金融機関で資産価値では全米第3位の銀行(2018年時点)、本社は米国のカリフォルニア州サンフランシスコ
6位:Blackbaud Inc.(ブラックボー)は非営利団体、財団、企業、教育機関、医療機関、宗教団体など、社会に良いコミュニティにサービスを提供するクラウドコンピューティングプロバイダー、本社は米国のサウスカロライナ州チャールストン
7位:Intel Corporation(インテル)は1968年に設立された半導体素子メーカー、本社は米国のカリフォルニア州サンタクララ
8位:Bank of America Corp(バンク・オブ・アメリカ)は1998年、ネーションズバンクがバンクアメリカを吸収合併して誕生した銀行、本社は米国のノースカロライナ州シャーロット
9位:Biogen Inc.(バイオジェン)は1978年に設立された医薬品メーカー、バイオテクノロジー分野では最古参の会社の一つ、本社は米国のマサチューセッツ州ケンブリッジ
10位:Constellation Brands Inc.(コンステレーション・ブランズ)は1945年に設立されたビール、ワインなどの輸入会社、本部は米国のニューヨーク州ビクター
MOATの銘柄保有割合(円グラフ:%)
保有銘柄割合を円グラフで表示してみました。
上位10銘柄も均等に配分されています。

MOATのセクター構成割合(円グラフ:%)
勝手なイメージで、もっとセクターに偏りがあるのかと思っていましたが、そんなこともないように感じます。


分配金の推移、増配率の推移
これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。
表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。
確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。
MOAT運用開始以降の分配金推移(一覧表)
MOATは12月に年1回の分配金を受け取ることができます。

MOAT運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)
株価と分配金の推移は以下のとおりです。

MOAT運用開始以降の株価と分配利回りの推移
2021/12/20終値$73.49と直近の分配実績から算出した結果は1.12%程度です。
注:目安程度にお考えください。

MOAT運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年)
MOATの増配率を計算した結果、以下のようになりました。
注:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。

参考に上記の一覧表をもとに、年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。
分配金年合計($)と1年増配率(%)

分配金年合計($)と3年増配率(%)

分配金年合計($)と5年増配率(%)

個人的な感想

アクティブに銘柄などの構成変更がありそうですが、ETF設定日以降のトータルリターンでVTIを約28%、VOO(S&P500)を約32%上回るパフォーマンスを示しているのは興味深いです。
均等加重ですので上位銘柄に集中しているわけでもなく、約50銘柄と分散が大きすぎるわけでもなく、選定銘柄に満遍なく投資できていますし、経済的な堀などを有する企業の優位性などに着目する視点というのは、やはりよいパフォーマンスが得られやすいとも言えるのではないでしょうか。
わたしは過去に少しだけ保有したことがあります(今は売却してしまいました)が、その当時はSBI証券でも購入できたと思います。
現在ではSBI証券では取り扱っていないようですので、国内証券会社で購入したい場合、いまは楽天証券のみ(※)かもしれません。
※:2021/9/20追記:マネックス証券でも取扱いがありそうです(米国株取引/取扱銘柄(ETF)で検索した結果、ヒットしました。検索結果として表示された更新日は2021/9/17)
経費率が0.49%程度と割高に感じる点(他のETFが安すぎるのかもしれません)などをどう捉えるか。
また、パフォーマンスの差をそこまで大差ないと感じるのであればVTIやS&P500などの経費率の安いインデックス投資でいいかなとも思いますが、気になるのであればサテライトに少額追加するのもいいかもしれませんね。
ETFの選定銘柄も参考にできる部分もありそうです。
過去のパフォーマンスが未来まで続くかはわかりませんが、インデックスと比較した将来のパフォーマンス推移が気になる面白いETFだと感じています。
日本では認知度が低いETFでも、金融市場の本場米国には色々と面白いETFが多いですね。
(紹介している色々なETFが全般、全て右肩上がりで推移してきているのも、すごいの一言です)
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!