こんにちは、おーです!
本日は米国ETFのSPDR ポートフォリオ S&P500 ETF【SPLG】について、ざっくりご紹介させていただきます。
2021/12/26追記:2021年12月分の分配金実績を反映
2021/9/23追記:2021年9月分の分配金実績を反映
【SPLG】SPDR ポートフォリオ S&P500 ETFのご紹介!
【SPLG】SPDR ポートフォリオ S&P500 ETFとは
SPLGは2005年に設定された、比較的歴史の長いETFです。
ティッカーシンボル | SPLG |
名称 | SPDR Portfolio S&P 500 ETF (SPDR ポートフォリオ S&P500 ETF) |
ベンチマーク | S&P 500 Index |
設定日 | 2005/11/8 |
ETF純資産総額 | 10.72B(約1.7兆円、1$=100円換算)※ |
投資銘柄数 | 505 |
経費率(年率) | 0.03% |
算出方法 | 時価総額加重 |
分配金など | 分配金あり、年4回(3/6/9/12月) |
運用会社 | ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA) |
注1:ETF純資産総額はyahoo!finance USAより引用
注2:銘柄数、経費率などに関する情報はステート・ストリートHPから引用(2021/9/18時点)
連動指数S&P 500 Indexとは
今さら説明不要、S&P500指数の値動きに経費控除前ベースで概ね連動する投資成果を追求、同指数は米国株式市場の約80%を網羅しています。
ステート・ストリートの低コスト・コアSPDRポートフォリオETFシリーズの一つとして業界最安手数料で購入が可能なETFです。
同指数はS&P500に投資可能な類似ETF(SPY、IVV、VOO)とも同一の、時価総額加重平均の指数です。
チャート
2005年SPLG設定来の”週足”チャートです(青線は200日移動平均線)。
記事作成時の株価は$52.08(2021/9/17終値)です。

時代ごとの下落を見事にはねのけ、高値を更新し続ける米国を代表する指数に連動しています。
リアルタイムのチャートは下でご覧ください。
パフォーマンス
ファンド・パフォーマンス (単位%) 税引前
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
基準価額 | 31.16 | 18.10 | 18.02 | 16.20 | 10.92 |
市場価格 | 31.37 | 18.10 | 18.03 | 16.21 | 10.92 |
ベンチマーク | 31.17 | 18.14 | 18.08 | 16.31 | 11.01 |
2005年の設定来で約10.9%/年の成長です(2021/8/31時点)。
直近2021年9月時点で若干の調整局面を迎えてはいるかもしれませんが、2021年の年初来で約21.5%のリターンも叩き出しています(2021/8/31時点)。
S&P500はベンチマークとして様々な銘柄とのパフォーマンス比較に使われる指数でもあり、今後の推移にも常に注目です。
(参考)他ETFとのパフォーマンス比較
類似ETFとしてステート・ストリートが運用するSPTMと、より広範な市場平均との参考としてVTIを用いた比較を実施してみました。
ちなみにSPTMは、SPLG(S&P500)より広範な「S&P500+S&P中型株400+S&P小型株600=1500銘柄」へ投資が可能なインデックスです。
比較推移チャートはETFreplay.comから引用させていただきました。
SPLG設定以降のSPTM、VTIとの比較推移(2005年SPLG設定以降)

トータルリターン | VTI(414.4%) > SPLG(405.3%) > SPTM(398.7%) |
---|---|
ボラティリティ | SPTM(20.5%) > VTI(19.9%) > SPLG(18.6%) |
ドローダウン | VTI(-55.4%) > SPTM(-54.8%) > SPLG(-54.5%) |
今回の比較期間はSPLG設定来の比較です。
同期間においては、リターンはVTIに若干劣後はしていますが、SPTMと比較してみるとSPLGの方がリターンが高くボラティリティ、ドローダウンも低い結果となりました。
ただし、以前、別記事でSPTMをご紹介した際は(SPTMとIVVを比較していますが)、更に長い期間でみたらパフォーマンスはS&P500ETFよりSPTMの方が、若干の差ではありますが良かったです。
ほぼ接戦ではありますが切り取る期間によって、長期でみればVTI(期間によってはSPTMにも)若干は劣後していることもあります。
VTIなどに含まれる他銘柄(小型株など)のリターンが優れる時期をフォローしたいと思うのか、この辺りは考え方次第でしょう。
(ただし逆に小型株のパフォーマンスが悪いとVTIなどが劣後する可能性もありえるかもしれませんし)
2010年以降のSPLG、SPTM、VTIの比較推移

期間を縮めて2010年以降で比較すると、VTIと比較して差はさらに縮まっており、どちらでも大差ない結果です。
VTIやSPTMなどと比較して、SPLGの保有銘柄は大型銘柄偏重であることから、ドローダウンが他より小さく、下落時に少しは売られにくいという考え方もできるのかと思います。
SPTMと比較してみても、大型銘柄のパフォーマンスがよい直近では、S&P500の方が保有銘柄が少ない分、大型銘柄の保有割合も多くSPTMよりもリターンがいいという風にも考えます。
もはや個人の考え方の範疇で、VTIとS&P500どちら(もしくはSPTMでも)を購入するのかは、投資家の好みに応じて好きなETFを購入すればいいのではないか、というのが個人的な感想です。
【参考】銘柄重複確認 SPLG vs SPTM
参考にSPTM(S&P500+S&P中型株400+S&P小型株600=1500銘柄)と、SPLG(S&P500)の重複程度も確認してみました。
(Fund Overlap(etfrc.com)から引用)

当たり前ですが、SPLGの銘柄は全てSPTMに含まれています。
逆にSPTMからみると、銘柄では重複は1/3ですが、ウェイトでみるとほぼS&P500のウェイトが占めていることが確認できます(ウェイト重複92%)。
(さらに参考、VTIとSPLGのウェイト重複は82%でした)
このような重複程度を考えると、SPLGかSPTMかという検討も、複数保有する必要はなく、どちらかを購入するだけでいいという感想です。
S&P500(SPLG、SPY、VOO)の比較推移
ちなみに、S&P500に連動するETFに差があるかも確認してみた結果は以下の通りです。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
VOO設定以降の2011年頃からの比較となりますがSPLG、SPY、VOOともに見事に一致、大差などありません。
S&P500に連動するETFなら、どのETFに投資しても結果は同じということがわかります。

SPLG保有銘柄、セクター構成
保有銘柄に関する情報:2021/9/16時点
セクター構成に関する情報:2021/9/16時点
SPLGの保有銘柄、保有割合(円グラフ:%)
上位10銘柄までの保有割合は約28.6%、11-20位は約9.3%、上位20位までの保有割合が約37.9%となっています。
超巨大企業群がズラッと勢揃いしています。
(VTIよりも銘柄総数が少ないこともあり各銘柄の保有割合はVTIよりも若干多めですが、上位の構成銘柄は同様です)

これがベンチマークとなっている市場平均、現在の上位構成銘柄と保有割合です。

参考に上位20位までの保有銘柄のセクター構成をグラフ化したものとなります。
現在のトップ20位までに位置するセクターはどのセクターかを参考に認識できます。
いまは時代を反映した情報技術、通信サービスなどがやはり多いことが確認できます。

SPLGのセクター構成(%)
ETF全体のセクター構成を表示したものです。
上位セクターが占める割合は2位のヘルスケアまで約41.4%(3位の一般消費財まで含めると約53.5%)となっています。
時価総額に応じて加重されていますので偏りはありますが、各セクターを網羅しています。

参考に棒グラフ&レーダーチャートを掲載しておきますので、見やすい方で確認してください。

分配金の推移、増配率の推移
これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。
一般的には表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。
確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。
(証券会社によっては、分配金受け取りで強制的に円貨振替される場合、為替手数料などもかかることになると思われます)
SPLG運用開始以降の分配金推移(一覧表)
SPLGは3/6/9/12月に分配金を受け取ることができます。
ETF設定以降の定例分配金を一覧表にしたものは以下のとおりです。
注:定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。
弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

SPLG運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)
株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。

市場平均のS&P500に連動したETFですので、株価成長とともに、分配金推移も右肩上がり、今後も成長が楽しみです。
SPLG運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)
1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

2020年は若干の減配となっていますが、基本は右肩上がりですので、今後また復調し、株価成長とともに分配金も増配してくれることでしょう。
SPLG用開始以降の株価と分配利回りの推移
株価$52.08(2021/9/17終値)と直近1年間の配当実績から算出した利回りは1.29%程度です。
注1:目安程度にお考えください。
注2:この分配金利回りは紹介記事作成時点の内容です。今後の最新の参考目安については、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移2021年vs2020年」の欄に掲載し、随時更新をしていこうと考えています。

SPLG運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、10年)
増配率を計算した結果、以下のようになりました。
注1:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。
弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。
(以下のグラフは弊ブログ独自の集計により算出した上側の増配率表をもとに作成しています。視認性を高めるため、初期の桁外れな値は枠外表示としていることがあります)
分配金年合計($)と1年増配率(%)

分配金年合計($)と3年増配率(%)

3年スパンで約7%の増配率です。
分配金年合計($)と5年増配率(%)

5年スパンでも約7%の増配率です、今後にも注目です。
分配金年合計($)と10年増配率(%)
10年スパンでみると約10%をキープしています。
増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年 (2021年12月分配金後)
2021年と2020年を比較した増配率(%)と、各年の分配金実績を以下に掲載しています。
また、直近株価($)と分配金利回り(%)も参考に掲載しています。
注:とくに分配利回りは、ご自身で他サイトなどを含めて改めてご確認ください(あくまで参考目安程度にお考えください)

個人的な感想

S&P500の優れている点は何も考える必要もなく、時代の隆盛に応じて劣後する銘柄を除外し、新たに有望な銘柄を選定してくれ、自動で入れ替えしつつパフォーマンスを維持・向上してくれるところだと考えています。
文字通りベンチマークとして、現在運用されている様々な銘柄と比較される指数で、これからも長期に渡り私達の基準となっていくであろう指数とも言えます。
SPLGは、このように長期投資において安定感のある指数へ投資が可能なETFです。
すでに米ドルを持ちETFを購入しているという方であれば、同指数に連動する他の類似ETF(SPY、IVV、VOO)よりも購入単価がかなり安く、人によってはもらった配当も再投資に回しやすいとも言えるかもしれません。
手数料もVTIと並びわずか0.03%と非常に低コストで良心的です。
米ドルで小額をコツコツと、優良なETFへ投資したいといった場合、SPLGは非常に有力な購入候補ではないかと思います。
ただし現在、日本では投資信託で100円からS&P500に投資できる環境が整ってきていることから、(これからわざわざ)米ドルを作ってETFでS&P500にあえて投資する手間を考えると、人によって感じ方は様々ですがメリットは少なそうにも感じます。
現時点から投資をスタートするのであればETFより、100円からと小額で購入ができる投資信託で、コツコツと投資を継続したほうが、無駄な税金を払わないという観点からみても投資効率がいいと個人的には思ったりもします。
ですが、どうしても分配金を受領しながら投資をしたいなど、人によってはETFを選択するケースもあるでしょう。
米ドルの方がより広範で様々なETFも投資が可能というメリットもありますし、売買をしたい場合でも、より機動的な対応ができるとも言えます。
いずれにしてもS&P500に連動するETFは、VTIと並び長期保有にもってこいのETFです。
投資家のニーズによって、低価格で購入可能なSPLGは有力な候補になるのではないかと思います。
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!