こんにちは、おーです!
本日は米国ETFのInvesco S&P 500 イコール・ウェイトETF【RSP】について、ざっくりご紹介させていただきます。
【2021年11月16日追記】
かなりの悲報です、2021年11月15日付けでサクソバンク証券の米国ETF取扱銘柄が大幅に制限されることになり、このような興味深いETFはサクソバンク証券では購入できなくなりました。
2021/12/26追記:2021年12月分の分配金実績を反映
2021/9/23追記:2021年9月分の分配金実績を反映
2021/9/4追記:長期比較しているETF同士の年間トータルリターン状況を掲載
2021/6/21追記:2021年6月分の分配金実績を反映
【RSP】Invesco S&P 500 イコール・ウェイトETFのご紹介!
【RSP】Invesco S&P 500 イコール・ウェイトETFとは
RSPは2003年に設定、アメリカに上場され、つい先日運用期間が18年目に突入した比較的歴史の長いETFです。
ティッカーシンボル | RSP |
名称 | Invesco S&P 500® Equal Weight ETF (インベスコS&P500イコール・ウェイトETF) |
ベンチマーク | S&P500 Equal Weighted Index (S&P500イコール・ウェイト Index) |
設定日 | 2003/4/24 |
ETF純資産総額 | 24.27B(約2.4兆円、1$=100円換算) |
投資銘柄数 | 507 |
経費率(年率) | 0.20% |
算出方法 | 均等加重 |
分配金など | 分配金あり、年4回(3/6/9/12月) |
運用会社 | インベスコ |
注1:ETF純資産総額はyahoo!finance USAより引用
注2:銘柄数、経費率などに関する情報はインベスコHP(Invesco S&P 500® Equal Weight ETF)から引用(2021/4/25時点)
連動指数 S&P500 イコール・ウェイト インデックスとは
このインデックスはS&P 500の公式な均等加重版を求める市場の声に応えて、S&P Dow Jones Indicesが開発したようです。
考え方はシンプルに、以下のような特徴があります。
- 時価総額加重型S&P500の構成銘柄へ、均等加重で投資可能
- リバランス時に1銘柄20ベーシス・ポイント(0.2%)の加重に調整
- 四半期ごとにリバランス(S&P500の四半期ごとのリバランスにあわせて行うなど配慮)
- 均等加重のため、セクター構成は時価総額加重型のS&P500とは異なる
ちなみに、このETFの話から脱線しますので紹介程度ですし、内容を調べたわけではありませんが、各セクターの均等加重ETFなどもあるようです。
例1:RCD(一般消費財) | S&P 500 Equal Weight Consumer Discretionary Index |
---|---|
例2:RYE(エネルギー) | S&P 500 Equal Weight Energy Index |
すべてのセクターを調べたわけではありませんが、インベスコで同様に取り扱っているようです。
チャート
RSPの日足チャートです、記事作成時の株価は$147.94(2021/4/23終値)です。
パフォーマンス
インベスコHP(Invesco S&P 500® Equal Weight ETF)から引用しました(2021/4/25時点)
パフォーマンス (単位%)
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
市場価格 | 71.29 | 14.76 | 14.53 | 12.75 | 11.78 |
ベンチマーク | 71.61 | 14.90 | 14.74 | 13.10 | 12.25 |
(参考)S&P500 | 56.35 | 16.78 | 16.29 | 13.91 | 10.78 |
設定来で年11.78%の成長です。
(参考)他ETFとのパフォーマンス比較
2003年のRSP設定以来の期間について、S&P500ETFのIVVと比較しています。
ETFreplay.comから引用させていただきました。

トータルリターン | RSP(654.8%) > IVV(552.3%) |
---|---|
ボラティリティ | RSP(20.7%) > IVV(18.9%) |
ドローダウン | RSP(-59.9%) > IVV(-55.2%) |
設定来のトータルリターンはS&P500を大きくアウトパフォームしているのが確認できますが、ボラティリティ、ドローダウンのいずれをとっても、S&P500より大きいのも特徴的です。
とくにドローダウンは、リーマンショック時に−59.9%と、S&P500(IVV)の−55.2%から、さらに-4.7%も下落しています。
ボラティリティも1.8%高く、高いリスクを引き受けてのリターンとも言えそうです。
下のグラフは上記で長期比較しているETF同士の年間トータルリターン推移の状況をまとめたものです。
注:2021年は年途中(掲載2021年9月4日)であることにご注意ください。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
RSP,IVV年間トータルリターン 2004-2020年

続いて、期間を変えて直近3年間で比較してみます。

トータルリターン | IVV(65.5%) > RSP(56.4%) |
---|---|
ボラティリティ | RSP(24.5%) > IVV(23.0%) |
ドローダウン | RSP(-39.0%) > IVV(-33.9%) |
直近3年間は、S&P500のGAFAMなど超大型株が隆盛の期間を切り取ってみたイメージです。
この期間、RSPはS&P500をアンダーパフォームしています。
RSPは均等加重であるゆえに、超大型株に偏重しない(その他銘柄の)パフォーマンスも期待できますが、このような特徴的な銘柄群が隆盛の場合、パフォーマンスは取り逃がすともいえそうです。
また、相場の変動時には(S&P500の中の)小型銘柄を含めて、すべての銘柄を均等に保有していることから、個人的にはどの期間を切り取ってもボラティリティ、ドローダウンは高そうに感じています。
切り取る期間で見え方が大きく変わってきますので、短期目線だとなんとも言えないように感じます。
どのように投資していくのか、考え方で一長一短といったところでしょうか。
RSP保有銘柄、セクター構成
インベスコHP(Invesco S&P 500® Equal Weight ETF)より、それぞれ以下の更新情報から引用しています。
保有銘柄に関する情報:2021/4/16時点(2021/4/18調査)
セクターに関する情報(RSP):2021/4/16時点(2021/4/18調査)
また、比較用にS&P500 ETFからIVVを用いていますので、こちらはブラックロックHPから引用しています。
セクターに関する情報(IVV):2021/4/15時点(2021/4/18調査)
RSPの保有銘柄はS&P500と同様で、かつ均等加重のため、上位20位までの保有銘柄紹介という内容は省略しています。

ほんの少し、上位構成銘柄の着色が多めには見えますが、見事に均等加重という円グラフとなりました。
1銘柄の占める割合は概ね0.2%程度(設計思想と同様)となっています。
RSPのセクター構成(%)
RSPのETF全体セクター構成を表示したものです。
RSPの上位セクターが占める割合は2位の資本財までで約30.2%(3位の金融まで含めると約43.0%)となっています。

【参考】S&P500 IVVのセクター構成(%)
セクター構成は、均等加重のRSPと、時価総額加重のS&P500で保有割合が異なるので、参考にIVVも掲載しておきます。
IVVの上位セクターが占める割合は2位のヘルスケアまでで約40.0%(3位の一般消費財まで含めると約52.7%)となっています。

【参考】RSPとIVVのセクター構成(%)横並び比較
【参考】RSPとIVVのセクター構成(%)横並び比較
RSPとIVVでは順位や保有割合が異なることが確認できます。
(棒グラフはRSPを上位から表示していますので、ご注意ください)

レーダーチャートで重ねてみると、双方の違いがわかりやすいですが、このようにRSPの均等加重がS&P500の時価総額加重と、各セクターの保有割合が大きく異なる点にも留意し、銘柄は同一ですがある意味、別物と考えておくほうがいいように考えます。
分配金の推移、増配率の推移
これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。
一般的には表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。
確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。
(証券会社によっては、分配金受け取りで強制的に円貨振替される場合、為替手数料などもかかることになると思われます)
RSP運用開始以降の分配金推移(一覧表)
RSPは3/6/9/12月に分配金を受け取ることができます。
設定以降の定例(四半期)の分配金を一覧表にしたものは以下のとおりです、定例とこちらで判断した2008年以降に限った表示としています。
注:定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。
弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

RSP運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)
株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。

RSP運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)
1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

S&P500関連ETFの分配金実績と比較はしていませんが、構成銘柄はS&P500に採用される優良銘柄ですので、安定した配当の増加が見て取れます。
2020年のコロナショックでも減配していない(約6.9%の増配)も素晴らしいですね。
RSP運用開始以降の株価と分配利回りの推移
株価$147.94(2021/4/23終値)と直近1年間の配当実績から算出した利回りは1.36%程度です。
注1:目安程度にお考えください。
注2:この分配金利回りは紹介記事作成時点の内容です。最新の参考目安については、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年」の欄に掲載しています。

RSP運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、10年)
増配率を計算した結果、以下のようになりました。
注1:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。
注2:定例と位置づけられない(特に分配開始初期の四半期ごとなどと判断できなかった場合など、不定期に出されているとこちらで判断した)分配金を除外しています。
弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。
(以下のグラフは弊ブログ独自の集計により算出した上側の増配率表をもとに作成しています。視認性を高めるため、初期の桁外れな値は枠外表示としていることがあります)
分配金年合計($)と1年増配率(%)

分配金年合計($)と3年増配率(%)

分配金年合計($)と5年増配率(%)

分配金年合計($)と10年増配率(%)

S&P500ETF関連の分配金を調べてはいませんが、長期で見ても高い増配率を維持しているのは注目に値しますね。
増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年(2021年12月分配金後)
2021年と2020年を比較した増配率(%)と、各年の分配金実績を以下に掲載しています。
また、直近株価($)と分配金利回り(%)も参考に掲載しています。
注:とくに分配利回りは、ご自身で他サイトなどを含めて改めてご確認ください(あくまで参考目安程度にお考えください)

個人的な感想

数年前にスマートベータETFをはじめて知って興味を持ち始めたきっかけとなったETFとして、保有しているわけでもありませんがよく頭に浮かぶ、個人的には思い入れの強いETFです。
均等加重のメリット、デメリットをどのように考えるかという点と、初心者が長く保有するにはメンタル的にも難しいかもしれませんので、長期で握力強くホールドできる強者であれば、高いリターンが得らるかもしれませんし、検討の価値はありそうです。
数年前に購入できる環境だったなら思わず買っていたかもしれませんが、今は冷静に傍観しているところです。
わたしはS&P500ETFにはさほど興味がありませんが、このETFなら保有してみたいと個人的には思えるのが不思議、それだけ何だか気になるETFとして当時の記憶を鮮明に覚えています(笑)
このRSPも残念ながら、日本の大手証券会社で購入はできませんが、コアサテライト戦略のサテライトとして市場平均を超えるパフォーマンスを狙うのに、人によっては一考に値するETFかもしれません。
インベスコはすでにご紹介したQQQやSPHQ、SPHDも含めて個人的には興味の強い、特徴的な視点で組成された指数に連動するETFを多数取り扱っている印象ですので、これからも色々と勉強していきたいと思います。
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!