グロース株投資、長期投資の教科書的な存在である本書。
フィリップ・A・フィッシャーによって初版が1958年に発行されました。
約65年も前ですが、発行から長きに渡り、多数の投資家に影響を与えてきたようです。
かの著名投資家、ウォーレン・バフェットも影響を受け、自身の方針へ取り入れたと言われる名著とのことです。
ベンジャミン・グレアム流のバリュー投資に、本書流のグロース投資を独自ミックス。
バフェット流を構築されたようですね。
本書の大きなポイントは「株を買うときに調べるべき15のポイント」として紹介されています。
これらの内容も含め、投資初心者でも非常に読みやすく、わかりやすい表現で書かれています。
- 正しい株を探して長く保有する
- 15のポイントを調べることで未来志向の視点で考えられる
- グロース株に限らず、バリュー株や大型株、小型株に対しても使える
企業を訪問して直接質問したり、周辺の環境(社外の人、元社員の人)などに情報を得る、周辺情報の収集は一般投資家には難しいでしょうが、いまはインターネットで検索すれば、ある程度の情報を収集することもできます。
(ただし情報の取捨選択は必要)
本書は15のポイント以外にも
- どんな銘柄を買うべきか
- いつ買うべきか
- いつ売るべきか
- 配当金について
- 投資家が避けるべきポイント など
著者のわかりやすい言葉で説明されています。
わたしはこの部分も非常に読み応えがありました。
もしかすると15のポイント以上にマーカーを使ったかもしれません。
また、著者の息子であり投資家・他書籍の執筆者でもあるケン・フィッシャーが、まえがきとして父親のことにふれています。
その中では晩年の父親の様子を語っていますが、ここにも気付きがあります。
- 著名投資家でも老いには勝てない
- いくら全盛期が優れていたとしても老いてからの投資判断が正しいとは限らない
- 老いても優れている投資家を知らない(ケンの感想)
- 老いてからの投資判断は悲惨な結果を招く懸念もあり、注意が必要
といったようなことに対しても、改めて感じることがあります。
老いというのはそれだけ多大な影響を及ぼす懸念があるということに改めて考えさせられました。
自分の将来に向けても考えていく必要があります。
そう考えるとウォーレン・バフェット、チャーリー・マンガーの両氏はすごいとしか言いようがないですね。
本書は非常に読みやすく、長きに渡って使っていけそうな内容となっています。
約60年前に書かれているにも関わらず、内容はいまでも十分に使え普遍的。
生涯使える考え方というのは、約60年前だろうが、現在だろうがさほど大差はないんだな、ということを改めて感じます。
(技術は大きく進歩しているのに考え方は変わらないのも面白い)
インデックス投資だけを淡々と続ける人にはあまりオススメする本ではないかなとも思います。
(かと言って読んでいても別に損はないですが)
最後になりますが、本書で紹介される15のポイントなどを読むにつれ、わたしにはテスラがやはり非常に有望な投資先であると改めて感じるようになりました。
これはあくまで個人的な感想です。
個別株投資は大損をする可能性もあります。
投資はすべて自己責任ですし、個別銘柄への投資などを推奨するものではありません。
この点はくれぐれもご注意ください。
ただ、個人的感想として、わたしのテスラに対する認識はまた深まったというだけです。
将来が非常に楽しみです。