こんにちは、おーです!
本日は「投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント」という本の感想をご紹介させていただきます。
- これから投資の世界に参加して、自身の考える将来に備えた資産形成や倹約などに励んでいきたい
- すでに資産形成に取り組んでいるが方向性が定まらず悩んでいる
- 難しく書かれがちな投資に関する本で、世界的に権威がある人の書いたわかりやすい本を読んでみたい
個人的には、上記のような様々なかたに学びのある一冊ではないかと思います。
本書は噛み砕いた平易な表現で書かれていますし、難しくて分厚い本でもありませんので、数時間程度あれば読めてしまうようなボリュームです。
【感想】投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント
全体を通じて
本書は投資の世界で世界的に著名なチャールズ・エリスさんとバートン・マルキールさんのお二人の共著です。
著者は投資界で知らない人は少ないと言っていいほど有名なお二人です。
チャールズ・エリスさんは「敗者のゲーム」、バートン・マルキールさんは「ウォール街のランダム・ウォーカー」の著者といえばわかりやすいかと思います。
上記2冊は非常に有名な名著ですが、いかんせん専門用語も多く、平易に書かれているとは言い難く、投資を始める(もしくは始めたばかり)の初心者などには、とても理解が追いつく内容ではないと思います。
そういった背景もありつつ、「一般の読者のためにできるだけシンプルに」などに配慮し、投資の基本をこれ以上ないほど、わかりやすく纏められた本が本書となります。
- 将来、経済的に困らないために「貯蓄」、「投資」について大原則をシンプルに纏めてある
- 投資は複雑に捉えれば頭が痛くなるほど難しいが、原則を知っていればシンプルに考えられ、誘惑などに惑わされなくても済む
難しく考えればキリのない世界ですが、このようなシンプルな道標となる考え方は学んでおいて損はないと思います。
導入:まずはお金を貯める、その考え方について
投資をするにも、まずは手元にお金が残らないことには始まりません。
当たり前ですが「支出を収入以下に抑える=手元にお金が残る」ということから始めなければなりません。
節約は誰のためにするのか、なんのためにするのか。
それにより得られるものは、感情は、などという、まずは投資の前提となる生きていくうえでの考え方から紹介してくれています。
(投資界の著名な方々が前提条件としてこのように言うのですから、これ以上の説得力はないでしょう)
節約は心を穏やかにしてくれ達成感・充実感もえられ、周囲に惑わされないくて済み(見栄をはらなくてよくて)余計な出費を抑えてくれることにもなり、ひいては将来にわたって後悔をしなくてもすむことに繋がります。
要は捉え方で、実は節約は人生を豊かにしてくれることにもつながります。
将来、やりたいと思っていることにもトライできますし、なにより歳をとって本当につらいのは自分の寿命より、お金が先に尽きることだと思います。
いまを極限まで我慢することを説いているのではなく、どこに重点を置くか、なにを大切にするかを整理して、ポイントを絞った消費をし、手元にお金を残すことに注力していくことの大切さを紹介されています。
ただし、この程度(度合い)は自分で最適なところを模索していく必要があります。
最終的には自分で程度の加減について、模索は必要です。
その他にも、わたしたちが知っておいたほうがいいこと、注意するべきこと、積極的に活用したい施策などを用いて、いろいろな角度からお金を手元に残すことについて紹介されています。
- お金を2倍にするための72の法則
- カードローンは利用しない、銀行は知識のない人からお金を奪う
- 税制優遇をフルに活用する
投資:低コストのインデックス・ファンドを活用
退職後に向けた資産形成に複雑な投資は必要なく、「選択をしないで市場”全体”を購入してしまう」というシンプルな発想で、堅実で確実なインデックス・ファンドを選択することを推奨されています。
投資の専門家のような人たちが(なにかの目的に沿って銘柄を選定して)運用するアクティブファンドより、インデックス・ファンドのほうがシンプルなのにリターンが高いことは歴史が証明しています。
言い換えれば「市場以上に賢いものはない(=だからインデックス・ファンドで市場全体を買っておく)」、これで個別の銘柄を買ったりした場合に頭をよぎる「得か損か」などを考える余計な時間や、感情の起伏なども不要で、長期に渡り買い持ちできる優秀な資産が手に入るということです。
そして売買を繰り返すことによりリターンを下げることにつながる余計なコストを払わないですみます。
失敗ができない(=退職後の収入がないときに備える)とても大切にしなければいけないお金は、インデックス・ファンドをベースにシンプルに考えることを推奨されており、著者たちも実際そのように運用していることが紹介されています。
なお、それでもその他の銘柄にも挑戦したいなら余剰資金で愉しめばいいと書かれています(著者たちも実際にそうしているようですね)。
投資:分散により自分の資産を守る
分散投資(種類、市場、時間)という考え方を根底に取り入れ、大きなミスをせず、資産を着実に育てるための考え方を、誤った集中投資の一例を交えた怖さなどを交えつつを紹介されています。
また、年1回程度はリバランス(資産の配分を整える)という考え方にも触れられています。
投資:一喜一憂せず過信しすぎず相場に居続ける
順調に利益が出続けると自分の能力を過信しがちになりやすいですが、そういったときには注意が必要です。
自分の能力を過信していないか、思い込み過ぎていないか、冷静になって自分と向き合い、とにかく「大きな失敗を避ける」ことが必要です。
最悪の事態を避け、必要もないリスクをとらない(=トラブルを回避する)ことが投資で成功する秘訣だと紹介されています。
また、市場で専門家と呼ばれている人の予想は当てずっぽうと大して変わらないから信じるな、振り回されるな、と注意喚起しています。
市場には膨大な情報をもとに、様々な投資家が個々に自分なりのストーリーをもって投資に取り組んでおり、株価の動きがどうなるかを予想することなどできないとしています。
乗り遅れないようバスに飛び乗る行為みたいに(=気持ちが焦って)リスクを取りすぎることの怖さ、大多数の投資家と同じ動きをすると感情の起伏に飲み込まれてしまいかねません。
なぜか株式市場では人は高いときに買い、安いときに売るという普段の行動とは逆の動きをしてしまいます。
これも感情による影響ですので、気をつけなければいけません。
本当に大事なことは「現時点での株価ではなく、将来退職してから必要なお金を準備するために株を売るときの株価」であり、いまの感情に流されて売買をしてしまうことを避けるよう警鐘をならしています。
投資:目新しい商品は避ける
新しい商品は概して大々的にアピールされます。
そして、あたかも資産を増やしてくれそうに思えますが、優れたリターンのみを用いて宣伝されることも多く(全体で見ると総じてパッとしない成績だったりする)、信用に足る商品である保証はありません。
やはり伝統的な株式、債券などに投資するほうが「間違いのない」投資ができるという意味で、物事を複雑化させないシンプルな考え方を紹介されています。
わたしも過去に何度か目新しい、いま思えば信用が低く、投資に値しない商品にも投資し、回収できないこともあり、煮え湯を飲まされた経験があります。
投資:(参考)年齢別の資産配分例も提案あり
投資は、個人によってバックグラウンドが異なるため一概には言えないのが難しいところですが、著者2人が年齢別の資産配分計画を参考に紹介されています。
また、あわせてインデックス・ファンドのオススメや、リタイア後の投資の進め方などについても紹介されています。
個人的な感想

著者お二人は、投資界に50年(2人あわせて100年!)という長きに渡って貢献されています。
そういった方たちが、「根底として取り入れることをオススメするシンプルな内容」に的を絞って書かれている本という観点だけみても、非常に有用です。
これから投資を始めようと考えているかたには、難しい内容は極力書かれていませんし、短時間で読み切れる内容になっていますので、非常に読みやすくてオススメの本だと思います。
すでに投資に取り組んでいるかたには、すでに学んでいる内容も多く、物足りない点はあるかもしれませんが、投資界のレジェンドお二人が書かれている本ですので、一読には値すると思います。
(言い過ぎですが)投資の世界は複雑怪奇、魑魅魍魎がうごめき、人々の感情で大きく動くことがありあますが、いつの時代でも難しくしすぎなければシンプルに基本をおさえて、どっしり構えて動かないほうが上手くいくとも言えると思います。
実際、投資のリターンがいい人は「すでにお亡くなりになっている人」や、「投資していることを忘れている人」なんていうデータもあるくらいです(それだけ下手に動かないほうが成績は良くなりやすいと言える)。
この本で書かれているシンプルな考え方をおさえて、あとは時間を味方につけ将来に向けて早くはじめて実践しつつ、いまの生活も楽しむというのが、いまも将来も大切にすることに繋がるのではないでしょうか。
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!