こんにちは、おーです!
本日は米国ETFのバンガード ヘルスケア ETF【VHT】について、ざっくりご紹介させていただきます。
2021/12/26追記:2021年12月分の分配金実績を反映
2021/9/29追記:2021年9月分の分配金実績を反映
2021/9/4追記:長期比較しているETF同士の年間トータルリターン状況を掲載
【VHT】バンガード ヘルスケア ETFのご紹介!
【VHT】バンガード ヘルスケア ETFとは
VHTは2004年に設定された、歴史の長い米国のヘルスケアセクターに特化したETFです。
ティッカーシンボル | VHT |
名称 | Vanguard Health Care ETF (バンガード ヘルスケア ETF) |
ベンチマーク | MSCI US Investable Market Health Care 25/50 Index (MSCI・米国・インベスタブル・マーケット・ヘルスケア25/50 指数) |
設定日 | 2004/1/26 |
ETF純資産総額 | 17.94B(約1.7兆円、1$=100円換算)※ |
投資銘柄数 | 505 |
経費率(年率) | 0.10% |
算出方法 | 時価総額加重 |
分配金など | 分配金あり、年4回(3/6/9/12月) |
運用会社 | バンガード |
注1:ETF純資産総額はyahoo!finance USAより引用
注2:銘柄数、経費率などに関する情報はバンガードHPから引用(2021/8/5時点)
※:バンガードはファンド全体(投資信託とETFを合算した金額)という解釈に推定
連動指数 MSCI・米国・インベスタブル・マーケット・ヘルスケア25/50 指数とは
ヘルスケア・セクターに属する米国企業の株式を対象とし、ヘルスケア機器や消耗品の製造企業、ヘルスケア関連サービスの提供企業、医療機器・用品の製造や医療関連サービスの提供企業、医療機器・用品や医薬品、バイオテクノロジー製品の研究、開発、製造、生産、販売を主な業務とする企業などで構成されています。
ヘルスケアセクターにおける大型、中型、小型の米国株式のベンチマークとして、低コストで広範な、ヘルスケアセクターに属する企業への投資が可能です。
チャート
2004年VHT設定来の”週足”チャートです(青線は200日移動平均線)。
記事作成時の株価は$259.15(2021/8/4終値)です。

リアルタイムのチャートは下でご覧ください。
パフォーマンス
ファンド・パフォーマンス (単位%)
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
基準価額 | 29.85 | 17.61 | 15.34 | 16.15 | 11.07 |
市場価格 | 29.77 | 17.62 | 15.35 | 16.16 | 11.07 |
ベンチマーク | 29.96 | 17.68 | 15.42 | 16.24 | 11.22 |
2004年の設定来で約11.1%/年の成長です(2021/6/30時点)。
(参考)他ETFとのパフォーマンス比較
米国全体のVTIと比較してみます。
ETFreplay.comから引用させていただきました。
VHTとVTIの比較(2004年VHT設定以降)

トータルリターン | VHT(559.9%) > VTI(467.3%) |
---|---|
ボラティリティ | VTI(19.2%) > VHT(17.3%) |
ドローダウン | VTI(-55.4%) > VHT(-39.1%) |
セクターETFのなかでもヘルスケアセクターは非常に高いパフォーマンスを維持しています。
市場平均と比較しボラティリティも低め、かつドローダウンも小さいという点も特筆です。
シーゲル先生の名著「株式投資の未来」でも、書籍執筆時点からさかのぼって過去50〜60年という長期間の調査結果、ヘルスケアセクターのリターンは市場平均を超えていることが記されています。
長期でパフォーマンスが優れていることはシーゲル先生がすでにご紹介されています。
下のグラフは上記で長期比較しているETF同士の年間トータルリターン推移の状況をまとめたものです。
注:2021年は年途中(掲載2021年9月4日)であることにご注意ください。
(PORTFOLIO VISUALIZERから引用)
VHT,VTI年間トータルリターン 2005-2020年

VHT保有銘柄、セクター内構成割合
保有銘柄に関する情報:2021/6/30時点
セクター内構成割合に関する情報:2021/6/30時点
VHTの保有銘柄、保有割合(円グラフ:%)
上位10銘柄までの保有割合は約39.8%、20位までで約57.0%となっています。
ヘルスケア関連の超巨大企業群が勢揃いしています。
ある意味壮観な銘柄構成です。

時価総額加重のため、上位構成銘柄が約57.0%とシェアは高いですが、505銘柄と非常に分散が効いています。

VHTのセクター内構成(%)
ETF内で、ヘルスケアセクター分野別の資産配分を表示しています。

1位医薬品、2位の医療機器は概ね同程度の約23%を保有、3位にバイオテクノロジー関連が続きます。
わたしの勉強不足でとくに聞き慣れない用語をイメージするために調べてみたところ、以下のようなものでした(間違っていたらスイマセン)。
マネージド・ヘルス・ケア | 米国で盛んな管理医療として、 医師まかせや出来高払いでなく、ガイドラインに沿って治療するシステム |
---|---|
ライフサイエンスツール&サービス | 機器、分析ツール、臨床試験サービス、消耗品、消耗品を提供することによる医薬品の発見、開発、製造など |
ヘルスケア ディストリビューター | 卸売業者や販売代理店のことを指す模様 |
セクターETFだけあって、網羅的にヘルスケア業界を包含しているETFです(当たり前ですが)。
分配金の推移、増配率の推移
これ以降(グラフ表示も含めて)の分配金に関する表示はすべて米国課税(10%)および日本国内課税(20.315%)控除前の金額になりますので、ご注意ください。
一般的には表示されている金額の約71%が手元に入金されるイメージでお考えください。
確定申告で外国税額控除の手続きをすれば、米国課税(10%)部分をある程度、取り戻す事は可能ですが、自身の収入に応じて取り戻せる金額は異なります。
(証券会社によっては、分配金受け取りで強制的に円貨振替される場合、為替手数料などもかかることになると思われます)
VHT運用開始以降の分配金推移(一覧表)
VHTは2014年まで年1回分配でした。
2015年から分配回数が見直され、2016年以降は現在と同様、年4回(3/6/9/12月)分配金を受け取ることができます。
ETF設定以降の定例分配金を一覧表にしたものは以下のとおりです。
(2021年は途中の小計が掲載されていますが、ご了承をお願いします。2021年の分配金合計は、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年」の欄に、今後は掲載していく予定です。)

VHT運用開始以降の分配金推移(毎回受け取り分配金の推移)
株価と分配金(毎回)の推移は以下のとおりです。

毎回の分配金推移はジワジワと上昇しています。
VHTは途中で分配回数が見直されているので、全体の傾向をみるには次の年単位で比較したほうが、傾向はわかりやすいかと思います。
VHT運用開始以降の分配金推移(年間受け取り分配金の推移)
1年間の分配金(年間合計)と、12月時点の株価を用いて表示しています。

ヘルスケアセクター産業の成長をまるっと取り込み、順調に分配金も成長しているように見受けられます。
(2009年と2019年の単年が突出している理由がキャピタルゲイン分配なのか?など、詳細な理由は不明です)
VHT用開始以降の株価と分配利回りの推移
株価$259.15(2021/8/4終値)と直近1年間の配当実績から算出した利回りは1.10%程度です。
注1:目安程度にお考えください。
注2:この分配金利回りは紹介記事作成時点の内容です。今後の最新の参考目安については、下の「増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年」の欄に掲載し、随時更新をしていこうと考えています。

VHT運用開始以降の増配率推移(1年、3年、5年、10年)
増配率を計算した結果、以下のようになりました。
注1:私的に計算した値となりますので、正確性を保証するものではありません。数値の妥当性については他サイトと比較していただくなど自身で別途、検証していただくようにお願いします。あくまで参考程度にご覧ください。
弊ブログ独自の集計であることをご了承お願いします。

参考に年合計の分配金と増配率の推移グラフを下に掲載しておきます。
(以下のグラフは弊ブログ独自の集計により算出した上側の増配率表をもとに作成しています。視認性を高めるため、初期の桁外れな値は枠外表示としていることがあります)
分配金年合計($)と1年増配率(%)

1年増配率推移で見ると大きな凹凸が見受けられますが、高分配後の翌年が下落幅が大きくなっているためです。
(キャピタルゲイン分配などが含まれるのか、突出していた詳細な理由は不明です)
基本的には増配基調かつ二桁増配率(またはそれに近い一桁後半の増配率)が多く、セクター全体を通じて成長性が高いことが伺えるように見受けられます。
分配金年合計($)と3年増配率(%)

3年スパンでみても近年は二桁増配を維持していることが確認できます。
分配金年合計($)と5年増配率(%)

5年増配率でみても同様です。
分配金年合計($)と10年増配率(%)

10年スパンでみても10%前後の増配率をキープしており、セクター全体の成長が継続していることが伺えます。
増配率と分配金実績、株価と利回り推移 2021年vs2020年 (2021年12月分配金後)
2021年と2020年を比較した増配率(%)と、各年の分配金実績を以下に掲載しています。
また、直近株価($)と分配金利回り(%)も参考に掲載しています。
注:とくに分配利回りは、ご自身で他サイトなどを含めて改めてご確認ください(あくまで参考目安程度にお考えください)

個人的な感想

若さ、健康あふれるかたはそこまで利用していないかもしれませんが、家族など視野を広げると誰かが必ず利用しているサービスがありそうです。
(最近ですとコロナワクチンで、大多数の人がお世話になっていますね)
健康的に過ごすことで、お世話になることはできる限り控えたいですが、誰しもいつまでも健康で過ごせるわけではありません。
また、ヘルスケアといっても広範で日常に溶け込んでいるサービスも多く、知らなくてもすでにお世話になっているサービスなどもあるかもしれません。
そう考えると元気に明るく人生を謳歌するために、もしくは治療し元気になるために、誰もの生活に根付き、必要なサービスを提供しているセクターという捉え方ができると思います。
分配利回りは1.1%程度(2021/8月現在)で市場平均と比較しても高くはありませんが、株価成長が著しいことが一因とも考えられます。
よく、ヘルスケア関連には薬や機器の開発などに莫大な研究費などがかかることから、不採算のリスクなどもつきまとうと言われます。
このことからも初心者が一企業に集中(もしくは数社などに)投資することは、あまり現実的ではないと思います。
さらに言えば下落時にも安心して買い増しができるか?長期で保有を継続することができるか?を判断する能力の低い初心者には、ヘルスケア銘柄はハードルが高い投資(メンタルと財務諸表などを吟味するスキルも必要)だと感じます。
ですがこのようにセクター全体をまるっと購入してしまうのであれば話は変わってきます。
属する企業群も超大型の優良企業が多数で安定感もありそうですし、加速する未来への成長に向けた投資として、今更ですが検討に値するETFだと考えを改めています。
わたしが読んだ『2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ』でも、イノベーションが加速する現代、点と点のテクノロジーが線になり、ヘルスケア産業もこれから更に加速する未来予想が紹介されています。
テクノロジーの融合でイノベーションの加速が進むこと、超巨大テック企業の参入などからさらに競争の激化や新陳代謝も想定されますが、全体で見ると今後もさらに成長が見込めそうな分野ではないかと思います。
いままで(何故か変にこだわって)セクターへの投資ということを積極的に考えていませんでした。
どちらかといえば、過去にご紹介してきた有名なクオリティ系ETF(DGRW、VIGやSCHDなど)を複数保有しようかとも思案してきました。
ですが、どうにも腑に落ちなかった自分の中で、直感的ではありますが個人的に(完璧ではなくてもそれなりの現時点で考えるベターな)考えが整理できつつある気がしています。
この直感を信じ方針を転換するにはそれなりに高い勉強代を払いましたが、高値圏にある中ではありますが一度ポートフォリオを再整理することができました。
考えに固執するといいことがありませんでしたが、今更ながらに反省しつつ、未来に向けて学びにしていきたいと思います。
この記事がなにかの参考になれば幸いです。
それではまたっ!!